数学、とくにホモロジー論と代数トポロジーにおいて、コホモロジー (cohomology) はコチェイン複体から定義されるアーベル群の列を意味する一般的な用語である。つまり、コホモロジーはコチェイン、コサイクル、そしてコバウンダリの抽象的な研究として定義される。コホモロジー...
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ド・ラームコホモロジー(英: de Rham cohomology)とは可微分多様体のひとつの不変量で、多様体上の微分形式を用いて定まるベクトル空間である。多様体の位相不変量である特異コホモロジーとド・ラームコホモロジーは同型になるというド・ラームの定理がある。 多様体上の微分形式 ω が dω =...
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ホモロジー代数学の発展は圏論の出現と密接に結びついている。概して、ホモロジー代数はホモロジー的関手とそれから必然的に生じる複雑な代数的構造の研究である。数学においてきわめて有用で遍在する概念の1つはチェイン複体 (chain complex) の概念であり、これはそのホモロジーとコホモロジー...
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エタール・コホモロジー(étale cohomology)はアレクサンドル・グロタンディークがヴェイユ予想を証明するための道具として考案したコホモロジー理論であり、位相空間上の定数係数コホモロジー、すなわち特異コホモロジーの類似になっている。エタール・コホモロジーはヴェイユ・コホモロジー...
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を見られたい。また、ホモロジーの手法の位相空間に対する具体的な適用については特異ホモロジーを、群についてのそれは群コホモロジーを、それぞれ参照されたい。 位相空間に対しては、ホモロジー群は一般にホモトピー群よりもずっと計算しやすく、したがって、空間を分類する道具としてはより手軽に扱える。 ホモロジー群は以下のような手続きを経て作られる。...
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数学において、層コホモロジー(そうコホモロジー、sheaf cohomology)は、アーベル群の層に関連する層の理論の一面であり、ホモロジー代数を用いて、層 F の大域切断の具体的な計算を可能とする。数値的な領域での幾何学的な問題の記述として、層コホモロジー...
18 KB (1,658 words) - 19:47, 10 September 2023
数学、とくにホモロジー代数学において、群のコホモロジー(英: group cohomology)とは代数的トポロジーに由来する技法であるコホモロジー論を使って群を研究するために使われる数学的な道具立てである。群の表現のように、群のコホモロジーは群 G の G 加群への作用をみることで、その群の性質を明らかにする。G...
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これらは付加的なコホモロジーの演算(英語版)であり、コホモロジー代数は付加構造 mod p をもつ(前の通り、mod p コホモロジーは mod p コチェイン複体のコホモロジーであり、コホモロジーの mod p での還元ではない)、とくに Steenrod 代数(英語版)の構造をもつ。 ホモロジー...
18 KB (3,071 words) - 12:39, 16 December 2022
の中でホモロジーの概念を導入した。これはホモロジー論へと発展した。同じ論文の中でポアンカレは基本群の研究を行った。これはホモトピー論へと発展した。これらはいまや代数的位相幾何学の大きな柱であると考えられている。 多様体、基本群、ホモトピー、ホモロジー、コホモロジー...
6 KB (549 words) - 20:06, 10 September 2023
数学において、ガロワコホモロジー (Galois cohomology) はガロワ加群の群コホモロジーの研究、つまり、ホモロジー代数学のガロワ群に対する加群への応用である。体拡大 L/K と結びついたガロワ群 G はあるアーベル群、例えば L から直接に構成されたアーベル群、に自然に作用するが、より...
6 KB (1,001 words) - 13:40, 25 April 2023
シンプレクティックトポロジーや代数幾何学では、量子コホモロジー環(quantum cohomology ring)は、閉じたシンプレクティック多様体の通常のコホモロジー環の拡張である。量子コホモロジー環は2つのバージョンからなり、ひとつは小さな版と呼ばれ、もうひとつ大きな版と呼ばれる。一般に大きな...
13 KB (2,240 words) - 00:20, 31 December 2022
最終目的は同相を除いて位相空間を分類する代数的不変量を求めることであるが、普通はホモトピー同値を除いて大まかな分類を得ることが目的となる。 そのような不変量として最も重要なのがホモトピー群、ホモロジー群およびコホモロジー群である。 代数的位相幾何学では位相的問題を調べるのに代数学を用いることが主だけ...
29 KB (3,857 words) - 11:34, 1 January 2025
コホモロジーが普通の意味で取られる。 G がコンパクト[要曖昧さ回避]単連結リー群のとき、G はそのリー環によって決定され、したがってそのコホモロジーはリー環から計算できるはずである。これは次のようにしてできる。そのコホモロジーは G 上の微分形式の複体のド・ラームコホモロジー...
6 KB (1,059 words) - 14:30, 20 November 2022
、「グローテーンディーク」などと表記されている。 主要な業績にスキームの考案による代数幾何学の大幅な書き直し、l-進コホモロジー(エタール・コホモロジー)、クリスタリンヌ・コホモロジーの発見によるヴェイユ予想への貢献、モチーフおよびモチヴィック・ガロア群の考察、遠アーベル幾何学の提唱、子供のデッサン...
16 KB (1,795 words) - 16:03, 6 October 2024
普遍係数定理 (redirect from コホモロジーに対する普遍係数定理)
位相幾何学 > 代数的位相幾何学 > ホモロジー代数 > 普遍係数定理 普遍係数定理(ふへんけいすうていり、英: universal coefficient theorems)とは、単項イデアル整域R上定義されたホモロジーやコホモロジーから、R-加群を係数とするホモロジーやコホモロジーを求める一連の定理の総称である。...
26 KB (5,053 words) - 12:31, 16 March 2023
モチヴィック・コホモロジー(英: motivic cohomology)とは、代数多様体などのスキームの不変量のひとつである。モチーフに関係する一種のコホモロジーであり、代数的サイクルのチャウ環(英語版)を特別な場合として含んでいる。代数幾何学と数論における最も深い問題のいくつかはモチヴィック・コホモロジーを理解しようとする試みである。...
20 KB (2,685 words) - 07:11, 23 September 2023
数学では、特に代数トポロジーでは、位相空間 X のコホモロジー環 (cohomology ring) は、X のコホモロジー群から作られる環であり、環の積としてカップ積を持つ。ここに「コホモロジー」とは、通常、特異コホモロジーであるが、しかし、環の構造はド・ラームコホモロジーのような他の理論でも存在する。コホモロジー...
6 KB (524 words) - 08:35, 30 July 2019
鎖複体 (category ホモロジー代数)
しての研究では、(余)鎖複体を公理的に代数的構造として扱う。 (余)鎖複体の応用は、通常、ホモロジー群(余鎖複体ではコホモロジー群)を定義し適用する。より抽象的な設定では、様々な同値関係(たとえば、チェインホモトピー(英語版)のアイデアで始まるもの)が複体へ適用される。鎖複体は、アーベル圏で定義することも容易にできる。...
13 KB (2,197 words) - 20:14, 10 September 2023
ホッジ理論 (section ド・ラームコホモロジー)
上のリーマン計量に付随する(一般化された)ラプラス作用素に関する偏微分方程式論をもちいて得られる M 上の実係数コホモロジー群の性質のことをいう。 1930年代にウィリアム・ホッジによってド・ラームコホモロジーの拡張として開発され、3つのレベルで大きな応用を持っている。 リーマン多様体 ケーラー多様体...
14 KB (2,176 words) - 14:23, 20 November 2022
が得られる。 任意のアーベル群 A に対して、A 係数のコホモロジー群もこのホモロジー複体に HomZ(–, A) を作用させて得られるコホモロジー複体のコホモロジーとして計算できる。特に、全てのコホモロジー群の直和 H ∗ ( K P n , A ) = ⨁ i ≥ 0 H i (...
24 KB (3,429 words) - 13:09, 13 March 2024
導来関手 (category ホモロジー代数)
を環付き空間とすると、OX-加群の全ての層の圏は充分単射的な加群を持つアーベル圏であり、再度、大域切断関手の右導来関手として層コホモロジーを構成することができる。 エタール・コホモロジーは、スキーム上のコホモロジー論である。これはエタール景上のアーベル群の層の大域切断関手の右導来関手である。 Ext関手: R が環であれば、全ての左...
23 KB (2,300 words) - 12:17, 1 August 2022
導来圏 (category ホモロジー代数)
{A}}} の双対鎖複体であり、次に2つのその様な双対鎖複体の間にチェイン写像が存在してコホモロジーを取った段階で同型を誘導する場合に同型であると考えるのである。このとき、導来函手は双対鎖複体に対して定義され、超コホモロジー(英語版)の考えを精密化したものとなる。これらの定義により、煩雑なスペクトル系列を...
21 KB (3,444 words) - 01:34, 23 October 2023
数学 > ホモロジー代数・圏論 > アーベル圏 アーベル圏(アーベルけん、英: abelian category)とは(コ)チェイン複体のホモロジー/コホモロジーと層のコホモロジーの双方を展開するのに十分な構造を備えた圏である。 アーベル圏となる圏の具体例としてはアーベル群の圏や環上の加群の圏、ア...
25 KB (3,886 words) - 12:05, 28 June 2024
ふたつの変形量子化の間の相対コホモロジーの導入。 Deligne-Serre の定理。モジュラー形式の l {\displaystyle l} 進表現。 Deligne-Kazhdan の跡公式。 Deligne-Mostowの分類。射影直線の配置空間の分類。 ドリーニュ・コホモロジー(英語版)の構成。 多重ゼータ値とモチーフの関係付け...
5 KB (457 words) - 17:08, 16 December 2023
(Faisceaux algébriques cohérents)を発表し、代数的連接層を構築。層の言葉とホモロジーを用いて代数幾何学、可換環論の書き直し、層係数コホモロジーを構成した。整数論における l 進表現論において、楕円曲線、L関数、モジュラー形式、アーベル多様体などに応用し多くの成果をあげた。p...
5 KB (356 words) - 11:34, 26 October 2024
の変形量子化、行列型エアリー関数の構成、量子コホモロジー環の定式化、モチーフ的ガロア群における貢献、オペラドの再発見、シンプレクティック幾何学の非可換化、モチーフ積分、モチーフ測度の創始、安定曲線や安定写像のモジュライスタックの超弦理論への応用、ホモロジカルミラー対称性予想の提起、カラビ-ヤウ多様...
5 KB (417 words) - 02:24, 5 October 2023
ポアンカレ双対 (category ホモロジー論)
ホモロジー群とコホモロジー群の構造に関する基本的な結果である.名前はアンリ・ポアンカレにちなむ.定理の主張は以下のようである.M を n 次元の向き付けられた閉多様体(コンパクトかつ境界を持たない)とすると,M の k 次コホモロジー群はすべての整数 k に対して (n − k) 次ホモロジー群と同型である:...
3 KB (450 words) - 00:40, 26 March 2023
sheaf)は連接層における有限性の仮定をはずした一般化で、ランク無限の局所自由層を含んでいる。 代数幾何学や複素解析の多くの結果や性質が、連接層、準連接層やそれらのコホモロジーのことばで定式化される。 環付き空間 (X, OX) の上 OX-加群の層 F が連接層であるとは、次の性質をもつ場合をいう。 F は、OX 上有限型である。つまり、X...
22 KB (1,964 words) - 07:50, 11 June 2024
{F}}\mapsto {\mathcal {F}}(M)} に関して非輪状であることが知られている。したがって、大域切断関手 Γ の導来関手である層係数コホモロジーは次のように計算される: H i ( M , R ) = H i ( C ∗ ( M ) ) . {\displaystyle \operatorname...
15 KB (2,322 words) - 05:44, 13 May 2023
} は完全である。任意の長完全列と同様にこの列を短完全列に分解し、対応するコホモロジーの長完全列を作れば、細層の高次コホモロジーは消えるのだから、所期の結果を得る。 ^ ドラームコホモロジーと対照的に、ドルボーコホモロジーは複素構造に近しく依るから、もはや位相不変量ではない。 ^ Navarro Aznar...
4 KB (602 words) - 14:18, 17 August 2017
ホッジ予想 (category ホモロジー論)
q) ≠ (k, k) であれば、ゼロとなる。 さらに抽象化すると、積分は Z のホモロジー類と α により表されるコホモロジー類のキャップ積として書くことができる。ポアンカレ双対性により、Z のホモロジー類はコホモロジー類 [Z] の双対であり、[Z] と α のカップ積と X...
39 KB (3,273 words) - 10:22, 13 December 2024