ロケットエンジンの推進剤(ロケットエンジンのすいしんざい)の記事では、ロケットエンジンないしロケットによる打上げのシステムにおける推進剤(プロペラント)に関する事項について述べる。 化学ロケットの場合は、燃料を燃焼させてエネルギーを得た後の排ガスを推進剤とするのが最も一般的であるため、多くの...
18 KB (2,596 words) - 02:48, 13 July 2023
ロケットエンジンとは推進剤を噴射する事によってその反動で推力を得るエンジンである。ニュートンの第3法則に基づく。 同義語としてロケットモータがある。こちらは固体燃料ロケットエンジンの場合に用いられるのが一般的である。 たとえば化学ロケットのロケットエンジンは、燃料(と酸化剤など)の...
27 KB (3,493 words) - 09:46, 13 December 2024
ロケット(英: rocket)は、自らの質量の一部を後方に射出し、その反作用で進む力(推力)を得る装置(ロケットエンジン)、もしくはその推力を利用して移動する装置である。 空気などの外部の物質を使用しない点でジェットエンジンなどとは区別される。 狭義にはロケットエンジン...
73 KB (9,080 words) - 03:44, 15 November 2024
固体燃料ロケット(こたいねんりょうロケット)は、固体の燃料と酸化剤を混錬してロケット本体(モーターケース)に充填した固体燃料を使用するロケットである。単に固体ロケットとも呼ばれる。単純なものは主に、モーターケース、ノズル、推進薬、点火装置(イグナイター)で構成される。 液体燃料ロケット...
38 KB (5,307 words) - 09:26, 4 September 2024
(Rocket System 68)はロケットダイン社によって開発された液体水素と液体酸素を推進剤とする大型ロケットエンジンである。液体水素を燃料とするロケットエンジンとしては最も強力なエンジンで海面高度における推力はスペースシャトルのメインエンジン(SSME)の約2倍である。 1990年代末から2000年代にかけて、デルタ...
14 KB (1,815 words) - 06:34, 10 July 2024
液体燃料ロケット(えきたいねんりょうロケット)は、液体の燃料と酸化剤をタンクに貯蔵し、それをエンジンの燃焼室で適宜混合して燃焼させ推力を発生させるロケットである。単に液体ロケットとも呼ばれる。人工衛星の姿勢制御エンジンなど一部には過酸化水素やヒドラジンのように自己分解を起こす推進剤...
64 KB (4,363 words) - 11:28, 12 November 2024
のに対し、ロケットエンジンは酸化剤を搭載して噴出ガスの反動で進むため、宇宙空間でも使用可能である点が強調される。また、ジェットエンジンは吸気側の噴流も推進力に利用する一方、ロケットエンジンの燃焼器より前に噴流は全くない。そのため両者は構造も大気中の効率も大幅に異なり、区別して扱われる。 現代の...
136 KB (20,684 words) - 01:46, 5 December 2024
J-2ロケットエンジンは、アメリカ合衆国で開発された液体燃料ロケットエンジン。ロケットダイン社が製造し、スペースシャトルのメインエンジン(Space Shuttle Main Engine, SSME)が誕生するまでは、アメリカ合衆国で最大出力の液体水素を燃料とするロケットエンジン...
18 KB (2,428 words) - 23:14, 12 March 2024
核熱ロケット (nuclear thermal rocket) は、熱ロケット (thermal rocket) の一種で熱源に核反応を利用するものであり、核分裂炉又は核融合炉の高熱により直接推進剤(通常は水素)を加熱膨張させ、ノズルから噴出して推進する方式。宇宙開発競争の...
20 KB (2,594 words) - 17:11, 24 December 2024
F-1ロケットエンジンは、アメリカ合衆国のロケットダイン社が開発した大型ロケットエンジンである。アポロ計画のサターンVで使用され、F-1はその第一段ロケットS-IC に5基搭載されていた。F-1は現在でも燃焼室が1基の液体燃料ロケットエンジンとしては最も強力である。 F-1の...
17 KB (2,463 words) - 11:52, 21 January 2024
ラムジェットエンジン(Ramjet engine)は、ジェットエンジンの一種であり、一般には吸入した超音速気流をラム圧(ram)により圧縮し亜音速まで減速させ、そこに燃料を噴射して燃焼した排気の反動で推進力を得るというものである。その構造より、英語ではストーブパイプエンジン...
17 KB (2,387 words) - 02:06, 6 September 2024
電気推進(でんきすいしん、英語:electrically powered spacecraft propulsion)は宇宙空間で用いられるロケットエンジンシステムの一種。現在一般的な化学ロケットと違い、電気エネルギーを用いて推力を得る。 電気推進の推力は化学推進に比べて著しく小さいが、比推力が非常に高いのが特徴。...
4 KB (465 words) - 14:31, 4 December 2023
宇宙機の推進方法(うちゅうきのすいしんほうほう)では、人工衛星や宇宙船などの宇宙機を加速させる方法を扱う。多数の異なる手段があり、それぞれに長所と短所がある。エンジンに関してはロケットエンジンを参照。 最近の宇宙機はすべて化学ロケットで打ち上げられる。大半の人工衛星は単純な化学ロケット...
15 KB (818 words) - 06:37, 31 August 2024
ハイパーゴリック推進剤(Hypergolic propellant, 自己着火性推進剤)は、2液(酸化剤と燃料)を混ぜるだけで爆発的に燃焼する(自己着火性の)推進剤である。 ハイパーゴリック推進剤は初期に設計されたロケットのエンジンや、スペースシャトルなどの宇宙機の...
8 KB (966 words) - 00:17, 25 August 2024
イオンエンジン (Ion engine) は、電気推進とよばれる方式を採用したロケットエンジンの一種で、マイクロ波を使って生成したプラズマ状イオンを静電場で加速・噴射することで推力を得る。イオン推進、イオンロケット、イオンスラスタなどともいう。最大推力は小さいが、比較的少ない燃料で長時間動作させられ...
17 KB (2,350 words) - 05:05, 19 July 2024
H-1 エンジンは推力200,000 lbf (890 kN)の液体酸素/RP-1を推進剤とするロケットエンジンで、ソーデルタロケットとジュピターロケットの1段目に使用された。簡略化してサターンIとサターンIBのS-IBに搭載された。 サターンIBには8基が束ねられて使用された。後に推力が205,000...
14 KB (2,025 words) - 12:05, 21 January 2024
のロケットエンジンである。アリアン6の上段に搭載される予定で、欧州初の再着火機能を持つ上段エンジンになる予定である。 ヴィンチはエキスパンダーサイクルのロケットエンジンで液体水素と液体酸素を推進剤として用いる。当初はアリアン5の新型上段として開発が開始され、従来のHM7B(アリアン5 ESC-Aの...
8 KB (870 words) - 21:21, 20 June 2024
ヴァルカンエンジン(Vulcain)は、欧州宇宙機関(ESA)のアリアン5ロケットのエンジンである。 技術的な理由により地上で始動し、離陸時の推力のおよそ10%を生みだし、離陸時の90%の推力を生みだす両側の固体燃料ブースター(EAP または P230)の切り離し後の飛行の第2段階で主に使用される。 複数の派生型がある:...
21 KB (2,520 words) - 14:35, 22 December 2024
を投入する特筆すべき打ち上げ能力を持つ次世代のスペースX社のロケットに搭載予定であるとされた。 2012年11月にCEOのイーロン・マスクはスペースX社の推進部門がメタン燃料ロケットエンジンを開発するという新たな方針を発表した。彼はエンジンの概念の識別名称がラプターであることとともに、エンジンはメタン燃料の...
34 KB (4,019 words) - 03:54, 27 December 2024
の基準に照らし合わせると明らかに過剰だった。 推進剤のタンクはフリードリヒスハーフェンのツェッペリンの工場でへら絞りで製造された。 ロケットの進行方向を変えるための燃焼ガスの向きを制御する方式として、黒鉛製の推力偏向板(ジェットベーン、Jet vane)が使われた。これは、現在の...
48 KB (6,867 words) - 09:26, 8 September 2024
HG-3は、アポロ計画の後にサターンロケットの上段用として設計された極低温液体燃料ロケットエンジンである。 アメリカのロケットダイン社によって設計されたHG-3は極低温の液体水素と液体酸素を推進剤として燃焼し、飛行中にそれぞれのエンジンの推力は1,400.7 kN (315,000 lbf)を生み出す。エンジンの...
4 KB (271 words) - 04:07, 16 September 2015
とは、アメリカの民間企業スペースX社が開発したロケットエンジンである。推進剤としてはケロシンのRP-1と液体酸素の組み合わせを使用し、ファルコン1ロケットの上段用エンジンとして使用されていた。 ケストレルはマーリンエンジンと共通したピントル構造を中心に設計されているが、マーリンの...
7 KB (725 words) - 15:44, 20 April 2023
非対称ジメチルヒドラジンと酸化剤として四酸化二窒素を使用する。この組み合わせは接触するだけで燃焼する(ハイパーゴリック推進剤と呼ばれる)ため、点火装置が不要で、常温で保管できる。これにより低温設備が不要となり、長期間発射台に配備することが可能になる(同様の能力はアメリカのタイタンロケットシリーズや中国の...
14 KB (1,618 words) - 07:48, 16 July 2024
とは、ファルコン1・ファルコン9・ファルコンヘビーロケットで使用するためにスペースX社が製造を行っているロケットエンジンである。推進剤としてケロシン系の燃料であるRP-1と液体酸素を利用し、ガス発生器サイクルで燃焼させる。回収と再利用も可能なように設計されている。 推進剤は、2つのターボポンプによって単一の...
17 KB (2,118 words) - 16:56, 3 December 2024
ラザフォード(Rutherford)は、アメリカとニュージーランドの企業であるロケット・ラボ社が開発・製造する液体燃料ロケットエンジン。同社のエレクトロンロケットに使用されている。名称はニュージーランド出身の実験物理学者、アーネスト・ラザフォードにちなむ。 ロケットに使用されるエンジンとしては世界初の電動ポンプサイクルを採用する。燃料にはケロシン...
10 KB (844 words) - 08:02, 26 October 2022
RD-170 (redirect from RD-170 (ロケットエンジン))
推進剤として使用する二液推進系の二段燃焼サイクルの液体燃料ロケットエンジンである。世界で最も強力なマルチノズル、マルチ燃焼室式のロケットエンジンでNPOエネゴマシュによって設計、生産されている。4台のエンジンが束ねられているように見えるが、実際には1台のターボポンプに4つの...
14 KB (1,851 words) - 08:24, 8 October 2024
航空用エンジン aircraft engine 航空用エンジン(こうくう よう エンジン)とは、航空機に搭載され、航空機の飛行に必要な推力(推進力)を生み出すエンジンである。補助動力装置やラムエア・タービンなど電源や油圧を確保するエンジンは含まれない。航空エンジンともいう。英語では主に "aircraft...
27 KB (3,181 words) - 02:08, 13 September 2024
比推力 (category ロケットエンジン)
比推力(ひすいりょく、specific impulse、Isp)は、ロケットエンジン(ジェットエンジンに対しても定義できる)の推進剤効率を示す尺度であり、推進剤の質量流量に対する推力の大きさを示す。 定義は「推力tf/(推進剤質量流量t/s・地球の重力加速度m/s2)」で、単位は秒である。ノズルの...
4 KB (634 words) - 15:04, 23 January 2023
ミサイル (category 独自研究の除去が必要な記事/2020年12月)
(AP) の中に自己発火点がAPより100度程度低い硝酸アンモニウム (AN) を少量加えることで、APより先にANに発火させ爆轟以前に燃焼で済ます工夫が行われている。 同様に、推進剤に固体と液体の2種類を使うハイブリッド・ロケットエンジンは、燃焼に必要な燃料と酸化剤...
46 KB (7,126 words) - 04:45, 28 December 2024
の使用に耐えなければならない。一方、主機関のように限られた時間内に大きな加速度を出す必要はなく、それを補えるだけの長時間運転が可能なら加速度は低くていい。 化学ロケットの場合は、燃料としてヒドラジン、酸化剤として四酸化二窒素などを使ったヒドラジンスラスタが主に使われる。触媒を利用して推進剤の...
6 KB (853 words) - 16:29, 31 July 2024
の慣性飛行中に、残っている推進剤の液体水素と液体酸素がタンク内で拡散しないようタンク底部に保持させる、リテンションと呼ばれる推進薬液面保持機能に活用する。今までは姿勢制御用の推進剤のヒドラジンを機体後方への噴射に用いていたが、この改良によりヒドラジンの消費量が節約できる。 3つ目はロングコーストの...
129 KB (12,591 words) - 14:50, 9 December 2024