グノーシス文書(グノーシスぶんしょ、英語:Gnostic Scriptures)とは、グノーシス主義における教典であり、またグノーシスの神話・文学作品等を記した文書である。 『ナグ・ハマディ写本』に収載されている文書の大部分はグノーシス文書である。 西方グノーシス主義の教典文書...
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グノーシス主義の文書は、罪と悔い改めの概念ではなく、錯覚と啓発(英語版)を扱っている。 グノーシス主義の著作は、2世紀頃、地中海世界の特定のキリスト教グループの間で盛んに行われ、初期の教父たちによって異端として非難された。これらの文書を破壊する努力は大いに成功し、グノーシス...
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アイオーン (category グノーシス主義)
魔術 永遠の哲学 アイオーン (神)(英語版) アイオーン (グノーシス主義)(英語版) ハンス・ヨナス 『グノーシスの宗教』 人文書院 1986年 荒井献 『新約聖書とグノーシス主義』 岩波書店 1986年 クルト・ルドルフ 『グノーシス』 岩波書店 2001年 Khoora Sophiaas(日本語)...
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ヘルメス文書(ヘルメスもんじょ)、または、ヘルメティカ文書とは、ヘルメス・トリスメギストスが著したと考えられた、神秘主義的な古代思想の文献写本の総称である。 文書には紀元前3世紀に成立した占星術などの部分も含まれるが、紀元後3世紀頃までにネオプラトニズム(新プラトン主義)やグノーシス...
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トマスによる福音書 (category グノーシス文書)
加えて、グノーシス派は、使徒や使徒伝承に基づく教会の権威によらずとも、各人の自己「認識」(グノーシス)により救済されると主張し、誰もが啓示に与ることができると説くので、各人の解釈に基づき無限に聖文書を生み出すことができた(正統派教会によって外典に入れられたキリスト教グノーシス文書...
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タルデューの論述によれば、これら『カルデア神託』の註釈を書いたと伝えられる新プラトン主義者たちの受け継いだヘカテー観は、魔術パピルス文書のあらわすシンクレティズムから汲み上げられた養分によって肉付けされているという。 後期グノーシス主義の一文書として知られるアスキュー写本、通称『ピスティス・ソフィア(英語版)』にもヘカテーの名が登場す...
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オクシリンコス・パピルス (category グノーシス文書)
、新約聖書学の点からも注目されるようになった。 文書の大部分は公文書、裁判記録などで当時の社会状況、生活様式を知る資料として価値があるが、一部にプラトンなど古代ギリシア哲学者の著作、「賽は投げられた」という台詞のあるアリストパネス断片のほか、グノーシス主義に関係する文献(後に、『ナグ・ハマディ写本』...
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年。ISBN 978-4-00-026109-8。 荒井献他訳『ナグ・ハマディ文書IV黙示録』岩波書店、1998年。ISBN 4-00-026110-X。 荒井献・大貫隆『ナグ・ハマディ文書 チャコス文書 グノーシスの変容』岩波書店、2010年。ISBN 978-4-00-022629-5。 ...
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ス文学者(仏文学者)と呼ぶ。 フランス語は俗ラテン語から派生したロマンス諸語の1つであり、ケルト語と古フランク語の強い影響を受けていた。842年のストラスブールの誓いの文書のうちの1つがロマンス語(フランス語の「先祖」)で書かれた知られている限り最初の完全な文書...
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公会議において聖書の正典・外典の定義が再確認された。プロテスタント教会でも17世紀の中盤に同じ27文書を正典と認めている。 なお、新約聖書外典の中には、『トマスによる福音書』のように異端であるグノーシス主義の思想が見られるものや、『ヤコブ原福音書』、『トマスによるイエスの幼児物語』など四福音書に書か...
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ユダの福音書 (category グノーシス文書)
の一つとされている。初期キリスト教を知る資料のひとつ。 『ユダの福音書』は、初期キリスト教父であるエイレナイオスの『異端反駁』(180年頃)にてグノーシス主義異端の書として言及されていたもので、既にその当時から存在を示唆されていた。その記述によれば、イエスを裏切ったイスカリオテのユダが実はイエス・...
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改題文庫化『新約聖書外典 ナグ・ハマディ文書抄』岩波文庫 2022 『使徒教父文書』八木誠一・田川建三・小河陽・佐竹明共訳、講談社文芸文庫 1998 『グノーシスの変容 ナグ・ハマディ文書・チャコス文書』大貫隆共編訳 岩波書店 2010 ^ https://edurank.org/uni/university-of-erla...
15 KB (1,876 words) - 14:21, 15 November 2024
フィリポによる福音書 (category グノーシス文書)
『フィリポによる福音書』(―ふくいんしょ)または『ピリポによる福音書』は、1945年にエジプトで見つかったナグ・ハマディ写本に含まれていた初期キリスト教のグノーシス主義的な文書で、正典に取り入れられなかった外典の一つ。 ナグ・ハマディ写本はコプト語で書かれている。もとは2世紀後半に東シリアで成立したと考えられている。...
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デミウルゴス (category グノーシス主義)
してこの内なる「霊」こそは「救済」の根拠である。 グノーシス主義の神話では、デミウルゴスが水に映った「至高なる者」(ソピアーの像またはアイオーンの像)を自己の映像と錯覚して人間を創造するということになっている。 これと同じ筋書きの神話が『ヘルメス文書』のなかの『ポイマンドレース(英語版)』に記されて...
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マリアによる福音書 (category グノーシス文書)
マリアによる福音書(まりあによるふくいんしょ)は、グノーシス主義の福音書文書の1つである。 初期キリスト教の『新約聖書』の外典としてこの名の書籍の存在が伝わっていたとされるが、不明点が多く、全容は知られていなかった。しかし19世紀に偶然に発見され、内容から外典とされていた『マリアによる福音書』であ...
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ナザレのイエス (section グノーシス主義におけるイエス)
その他の『新約聖書』所収文書 グノーシス主義 「グノーシス文書」 『トマス福音書』 『マリア福音書』 『ユダ福音書』 ユダヤ教の古代文書 『タルムード』 「新約聖書外典」等 ローマ帝国の記録(1世紀初頭でのユダヤに関する記録等) 同時代の歴史家の文書(フラウィウス・ヨセフスの歴史書等)...
105 KB (14,539 words) - 01:37, 17 September 2024
ガマリエル (section グノーシス神話のアイオーン)
した、最後のサンヘドリンの長、ガマリエル6世である。 ガマリエルという名は、特段に珍しい名でもない。グノーシス主義においても、『ナグ・ハマディ写本』中の『エジプト人の福音書』と呼ばれるグノーシス文書において、ガマリエル、サブロ、ガブリエル、そしてアブラクサスの名を持つ偉大なアイオーンが語られている。...
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『ノーレアの思想』(ノーレアのしそう、Thought of Norea)は、グノーシス主義セツ派の短い文書。現存する写本はナグ・ハマディで発見された。『ノーレアの思想』は、外典福音書に属すると見なされることがある。2世紀に書かれたと推定されている。 4つの段落からなるこの文書は、グノーシス...
2 KB (226 words) - 13:55, 31 January 2021
ヘレニズム時代の神秘思想における智慧の女神。また古代の智慧の擬人化で女神象徴である。 ソフィア (グノーシス主義) - グノーシス主義のアイオーンの名。 ピスティス・ソフィア (Pistis Sophia) - グノーシス主義文書の名。ピスティスはギリシア語で信仰の意味 ソフィア (ヴェルムランド公爵夫人) - スウェーデン王子カール・フィリップの妃...
8 KB (923 words) - 06:35, 15 October 2024
仮現説 (section キリスト教グノーシス主義の仮現説)
前述の通り、グノーシス主義では、一般的に仮現説をとる。エイレナイオス(130年頃-202年)の『異端反駁』(Adversus haereses)の記述など、ギリシア教父の証言により、キリスト教グノーシス主義の仮現説(アレクサンドリアのバシレイデースの主張など)が分かる。また、20世紀に、多くのグノーシス文書...
13 KB (2,070 words) - 05:00, 3 October 2020
ソロモン (section ソロモン伝承と偽ソロモン文書)
^ ソロモンが悪霊の軍団を遣わした、悪霊の手を借りてエルサレムを建設した、などといったソロモンと悪霊に関する話が、さまざまな古代のグノーシス文書や偽典に散見される。 ^ 「ソロモン」『デジタル大辞泉』。https://kotobank.jp/word/%E3%82%BD%E3%83%A...
17 KB (2,188 words) - 00:39, 31 October 2024
ユーシーシー上島珈琲におけるコーヒーのブレンド番号。114を商品名として販売している。 百十四銀行:香川県高松市に本店を置く地方銀行。(かつての第百十四国立銀行) イスラム教の聖典『クルアーン』は114の章(スーラ)からなる。第114番目(最後)のスーラは人々である。 グノーシス文書『トマスによる福音書』は114の語録からなる。...
5 KB (805 words) - 13:58, 7 December 2023
人間の本来的自己の本質的同一の「認識」を救済とみなす。 コンツェの8つの類似点に基づいて、ホーラーは解放のための洞察であるグノーシスとジュニャーナ、洞察力の欠如であるアグノーシスと無明によって、この世に閉じ込められるなどの類似点を挙げている。 ユダヤ教では、2つの相互に関連する理由から、神は創造に内在的であると考えられている。...
42 KB (5,684 words) - 05:19, 12 April 2024
マルキオン (category グノーシス主義)
また、マルキオンにはグノーシス主義的な傾きが見られる。マルキオンの思想に見られるように物質の世界を悪とし、それとは別の霊的世界を想定する二元論は、グノーシス主義の特徴を示しており、マルキオン自身がグノーシス主義に含めて考えられることが多い。ただし、キリスト教グノーシス...
7 KB (953 words) - 13:06, 8 September 2022
『終わりから今を生きる 姿勢としての終末論』教文館、1999年 『グノーシスの神話』岩波書店、1999年/岩波人文書セレクション、2011年/講談社学術文庫、2014年 『グノーシス考』岩波書店、2000年 『ロゴスとソフィア ヨハネ福音書からグノーシスと初期教父への道』教文館、2001年...
11 KB (1,315 words) - 01:38, 12 November 2023
マンダ教 (category グノーシス主義)
マンダ教あるいはマンダヤ教(マンダ語: ࡌࡀࡍࡃࡀࡉࡉࡀ)は、グノーシス主義のひとつとされる宗教である。 マンダ教徒の使うマンダ語はセム系言語(東アラム語)で、「マンダ(manda)」とはその言語で「知識、認識」を意味する。日常的にはアラビア語を用いているが、宗教文書は全てマンダ語で書かれている。最大の教典は『ギ...
6 KB (856 words) - 01:21, 11 April 2024
グノーシス主義においては、セトはノーレアの兄かつ夫である。 『創世記』4:17から22までに記載されたカインの末裔たちの名前の中には、『創世記』5:1から32に記載されたカインの弟セトの末裔たちによく似た名前がある。文書...
6 KB (419 words) - 07:30, 30 March 2024
ス文書』は、ヘルメス・トリスメギストス(3倍もの偉大なヘルメスという意味)の著作とされる文書で、その数は3万冊を超えるといわれる。紀元前3世紀から紀元後3世紀までの6世紀にわたって書かれたとされており、実際は匿名の複数の著者による文書をまとめたものである。文書...
59 KB (7,665 words) - 17:45, 11 July 2024
オリエントからの思想が流入して、神秘的宗教思想が流行していたが、新プラトン主義もそうした当時の思想動向から大きな影響を受けている(プロティノスはグノーシス主義を批判した)。また、逆に新プラトン主義も神秘思想へ大きな影響を与えた。 新プラトン主義の思想の大きな特徴は、一者からの流出の観念である。「一...
9 KB (1,077 words) - 09:58, 27 September 2024
エイレナイオス (category 反グノーシス主義)
『異端反駁』 - 「キリスト教教父著作集 エイレナイオス 1-5」、教文館。グノーシス主義を論駁するための文書。 『使徒たちの使信の説明』 - 「中世思想原典集成 1 初期ギリシア教父」平凡社に所収。教会の人々に信仰の要点と根拠を教える文書。 ^ Bryan M. Litfin (2106). Getting...
17 KB (2,346 words) - 01:00, 28 June 2024
創造論 (section 高等批評学、文書仮説)
この二段階創造論と同じ発想は、グノーシスにもみられる。グノーシスもまたプラトン思想の影響下にあり、むしろさらに感覚的・肉的なものへの嫌悪を受け継いでいる。グノーシスでは、神の作った善なる霊的世界と、デミウルゴスの模倣により悪なる劣った肉的な世界の二段階の創造が考えられた。この説は、他のグノーシス...
35 KB (5,306 words) - 11:34, 16 July 2024