• 焼戻しは加工品の靱性を向上させる処理だが、焼戻し温度によっては逆に脆化する場合がある。これを焼戻し脆性と呼び、低温焼戻し脆性と高温焼戻し脆性がある。。焼戻し特有の欠陥で、焼戻し処理時には焼戻し脆性が発生する温度域には注意を要する。 250 - 350℃からの焼戻しで発生する脆化を低温焼戻し...
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  • 焼入れ (section 焼戻し)
    のため、粘り強さを得るために、焼入れ後には焼戻しを行うのが一般的である。焼入れと焼戻しの一連の熱処理をまとめて焼入焼戻しと呼び、特に、約400℃以上の高温焼戻しでトルースタイトかソルバイト組織を得る焼入焼戻しは調質と呼ばれる。 焼戻しの種類にもよるが、焼戻しによりシャルピー衝撃値などの靱性や伸び・絞...
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  • 焼戻し 焼入れされた材料を適切な温度へ再度加熱し、組織を安定化、機械的性質を改善する処理。マルテンサイト化させる焼入れの後には、ほとんど必ず行われる。鉄鋼材料の焼戻しの場合、加熱温度は最大でもオーステナイト変態点以下とするのが原則で、実際には 100–250 °C の低温焼戻しや 450–680...
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  • 削性・被研削性が悪くなる。また、熱処理を施すことにより、大きく性質を変える事が出来る。炭素鋼の代表的な熱処理としては、焼なまし、焼ならし、焼入れ、焼戻しがある。 炭素鋼のうち、炭素含有量(質量パーセント濃度)が0.25%以下を低炭素鋼、0.25 - 0.6%を中炭素鋼、0.6%以上を高炭素鋼と呼ぶ。特に0...
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  • 焼戻し処理(熱処理)して使用される。炭素鋼と比べ、引っ張り強度・靱性・焼入れ性に優れ、焼戻し時における軟化抵抗性が向上している。欠点として焼戻し脆性と呼ばれる、焼戻しの際に脆化する傾向が強い。これを避けるために、焼戻し時は徐冷ではなく急冷が推奨される。ただし後述の通り、焼き戻し...
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  • 焼戻しを行う。焼入れのみで焼戻ししていない状態では、硬いが脆い状態にある。焼戻しの加減によって、マルテンサイト系の機械的性質は幅広く変動する。マルテンサイト系に適用する焼戻しには「低温焼戻し」と「高温焼戻し」があり、耐摩耗性を重視する場合に低温焼戻しを行い、靭性を重視する場合に高温焼戻し...
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  • ため、折損・破壊の観点から相応の強度と重量を要する薪割りや伐採など重作業への使用には耐えない。 マチェーテの刀身は通常の刃物より粘り強くなるように焼戻しの熱処理が強めに施されており、小型のナイフなどに比べて刀身が柔らかく、折れにくいように作られている。 軍用の官給品として納入実績のあるONTARI...
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  • ナイト系の3つがある。マルテンサイト系では、焼入れでマルテンサイト組織となり、強く硬い組織となっている。通常は焼入れ後に焼戻しも行い、マルテンサイト系の最終的な機械的性質は焼戻し温度によって変わる。高炭素鋼種 AISI 440C の例では、2000 MPa 近い引張強さを得ることもできる。析出硬化...
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  • 焼入れよりも約50℃高くなるまで加熱する。 焼入れ後そのままでは靱性が低下するため、焼戻しを行う。一般に約150 - 200℃の低温焼戻しが行われる。この"高周波焼入れ→焼戻し"という一連の作業を高周波焼入れ焼戻し(英語:induction hardening and tempering)と、ひとくくりに言うこともある。...
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  • 目的として炭素を添加する処理のことである。主に耐摩耗性を向上させるために行われる。 浸炭は素材を硬化させるための準備であり、硬化そのものは焼入れ・焼戻しにより行う。浸炭された金属は表層の炭素量のみが多い状態となる。焼入れに伴う硬化の程度は炭素量に強く依存するため、この状態で焼入れを行うと、内部は柔...
    5 KB (751 words) - 04:06, 15 March 2021
  • 大和久重雄、2008、『熱処理技術マニュアル』増補改訂版、日本規格協会 日本熱処理技術協会、2013、『熱処理ガイドブック』4版、大河出版 朝倉健二・橋本文雄、2002、『機械工作法Ⅰ』改訂版、共立出版 ISBN 4-320-08105-6 焼入れ 焼戻し 焼ならし 光輝焼鈍 焼きなまし法 - 汎用の乱択アルゴリズム...
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  • sorbite)とは、鋼の組織の一種であり、マルテンサイトを約500 - 650℃程度で焼戻しすることにより得られる、微細なセメンタイトとフェライトの混合組織である。名称は、1863年に発見したイギリスの顕微鏡学者ヘンリー・ソービーに由来する。以前は焼戻しソルバイトや一次ソルバイトと呼ばれていたが、現在では単にソルバイト...
    4 KB (480 words) - 12:48, 13 October 2017
  • troostite)とは、鋼の組織の一種であり、マルテンサイトを約400℃程度で焼戻しすることにより得られる、極微細なセメンタイトとフェライトの混合組織である。名称は発見したフランスのトルース(L.J.Troost)に由来する。焼戻しトルースタイト、二次トルースタイトとも呼ばれる。現在ではあまり使用されな...
    4 KB (492 words) - 01:24, 22 October 2023
  • し、固体材料では最も強度増幅能が高い高性能なトライボロジー材料の部類に属し、かつては永久磁石材料としても君臨していた。金属相(マトリックス)である焼戻しマルテンサイト(ラス状のマルテンサイト構造を有しながらも結晶構造は立方晶系構造を取り結晶粒界にナノレベルの微細析出炭化物が存在)の中にミクロンレベ...
    6 KB (1,012 words) - 22:58, 20 November 2023
  • SMn420ほどではないが比較的強靭鋼である。 高価なクロムやモリブデンをあまり使用しておらず安価、焼入れ性は悪くないが焼き割れを起こしやすい上に焼戻し脆性に敏感である。この問題を多少緩和するためマンガンクロム鋼も開発されている。 クロムをあまり含まないため耐酸化性はあまりよくない。蒸気タービンで...
    2 KB (305 words) - 10:35, 3 August 2024
  • 大型の鋳造品、鍛造品は、機械的性質を改善するために、焼ならしか焼なましを必ず行う。特に大型の鍛造品は、質量効果などの点から焼入焼戻しを行うのが難しく、焼ならしを行う場合が多い。 鋳造、鍛造で発生した鋼材の大きな冷却ひずみを焼ならしにより除去できる。ただし、焼入れと異なり変態応力...
    17 KB (2,452 words) - 21:54, 27 November 2023
  • のように常温に放置するだけで進む時効は「常温時効」や「自然時効」と呼ばれる。反対に、常温より高い温度に曝されることで進行する時効は「人工時効」や「焼戻し時効」と呼ばれる。 時効硬化の原因となった微量の金属間化合物原子の析出が、更に進むことで、金属の性質が硬度を落とすまでに変化してしまう。これが過時効である。...
    6 KB (866 words) - 17:52, 23 November 2023
  • 性を付与するメリットもあることから、冷間加工用途の工具鋼には積極的に使われてきた歴史がある[要出典]。残留オーステナイトを減少させたい場合は、高温焼戻しを適用したり、室温以下の温度に冷却して残留オーステナイトをマルテンサイト化させるといった処理(深冷処理またはサブゼロ処理)を施すことがある。 ^ a...
    2 KB (348 words) - 07:30, 23 April 2022
  • せて加工品に吹き付けたり、浸水させて冷却するのが一般的である。冷却して炎焼入れが完了したら、一般の焼入れと同様に焼戻しを実施する。炎焼入れの場合は、150-200℃まで加熱する低温焼戻しを採るとされる。 適用鋼種としては、全体焼入れの対象となるような鋼ならば基本的には炎焼入れの適用範囲となる。具体的には0...
    10 KB (1,095 words) - 21:50, 11 November 2023
  • るのが、硬さと強度の明確な関係である。特に鉄鋼材料においては、ビッカース硬さと降伏強さおよび疲労強度の間には、ほぼ比例関係が成立し、合金組成や焼入焼戻しなどの熱処理履歴は無関係である。MPa単位で、近似的に降伏強さはHV値の1/3倍、疲労強度はHV値の1.5倍をしめす。ただし、400HV以上になる...
    12 KB (2,077 words) - 08:26, 20 November 2023
  • 熱処理は材料の構造条件を大幅に改善し、結果的に金属の弾性(特に鉄鋼やチタン合金)を得るので非常にコスト効率の良い処理である。 Ipsenの工業炉(真空炉、雰囲気炉やプッシャー式連続炉)は焼入れ、焼戻し、浸炭処理、窒化処理、浸炭窒化、光輝焼戻し、焼鈍し、真空ろう付け、高温ろう付けやプラズマ窒化処理等に利用される。...
    3 KB (248 words) - 01:23, 11 December 2023
  • の子ばね、コイルばねなど)であれば成形後直ちに急冷して焼入れ、そして焼戻しを行う。焼入れ焼戻しによって、硬く粘り強い材質にすることができる。鋼材冷間成形ばね(薄板ばね、コイルばね、皿ばねなど)の成形後に熱処理する場合は、焼入れ焼戻しあるいは残留応力を除去するために低温焼なましを行う。非鉄金属材料の場...
    129 KB (18,507 words) - 22:12, 13 April 2024
  • フロートガラスは、清澄剤の硫酸ナトリウムと不純物の金属合金に含まれるニッケルから形成される硫化ニッケルを少量含む。 硫化ニッケル包摂物は、強化ガラスにおいては問題となる。焼戻し過程の後、硫化ニッケル包摂物は準安定α相となる。最終的に低温で安定なβ相に変換されて、体積が増え、ガラスのヒビの原因となる。強化ガラスの中で材料に...
    6 KB (700 words) - 22:45, 5 November 2022
  • により得られるマルテンサイト変態による硬化処理であるため ・変形が大きく硬化処理後に寸法の手直しが必要 ・加熱によりマルテンサイトが分解するので、焼戻し温度よりも高温下では使用に適さない といった欠点があるが、窒化は前述の通り、変態ではなく添加元素の窒化物が分散析出することにより硬化するので ・寸法変化が焼入れに比べてきわめて少ない...
    7 KB (1,165 words) - 18:27, 4 November 2023
  • (C17510) や10 (C17500) も時効硬化を起こすベリリウム銅で、優れた電気伝導度と耐久強さなどの物理特性を兼ね備えている。時効硬化や焼戻しの処理をした上で、ばねや線材に加工され、電気伝導度が必要な場面や高温での強度が必要な場面で使われる。 ベリリウム銅は、高級な打楽器、特にタンバリン...
    9 KB (1,332 words) - 12:24, 14 March 2021
  • によって造られる。圧延方法は冷間圧延で、圧延後そのままばね成形に用いられる種類、圧延後に焼なましが施されてばね成形に用いられる種類、圧延後に焼入れ焼戻しが施されてばね成形に用いられる種類がある。 ^ a b 小学館. “ばね鋼 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説”. コトバンク. 朝日新聞社/VOYAGE...
    4 KB (555 words) - 21:07, 30 December 2023
  • 焼入れ・焼戻し 成形後、材質を硬くて粘り強くするために焼入れ焼戻しという熱処理をリーフに施す。上記の加熱成形後すぐに、高温状態のリーフを油中に浸して焼入れ(急冷)する。プレス成形の場合はプレスで抑えたまま焼入れすることもある。焼入れ後、また炉で加熱して焼戻し処理を行う。 ショットピーニング...
    52 KB (8,154 words) - 11:49, 3 December 2023
  • 戦略的協業により柏原工場を株式会社共立ヒートテクノに業務移管 2019年3月 - 橋本工場(和歌山県橋本市)を設立 ※2019年4月1日時点 浸炭・浸炭窒化 焼入れ・焼戻し 焼鈍し 焼ならし 真空熱処理 オーステンパー ガス窒化 ガス軟窒化 ガス浸硫窒化 ステンレス合金固溶化処理 DLC(カーボン系) DLC(Diamond...
    5 KB (603 words) - 20:49, 24 November 2023
  • のナイフである。しかし、戦略諜報局(OSS)がナイフ生産に投じた予算はイギリス政府の15分の1程度だった。そのため、このアメリカ製ナイフは不十分な焼戻し処理などによってオリジナルのイギリス製ナイフに比べて品質が大幅に劣り、評判も芳しくはなかった。最終的にOSSは20...
    13 KB (1,781 words) - 10:05, 30 June 2024
  • 焼戻し材料[φ35×150、φ6×180(研削すべき長さ137)、硬さ45HRC以上]の研削加工を通し送り研削及び送り込み研削で行う。試験時間=3時間30分 2級:心無し研削盤(研削といし厚さ150mm以上)を使用し、SCM435~445の焼入れ、焼戻し...
    19 KB (3,154 words) - 13:32, 18 December 2022
  • 共析型では、同じく β 相の存在領域が低温側へと広がるとともに、共析反応を起こすようになり低温側で組織が2相に分かれる。 鋼の焼入れ焼戻しなどと同様に、熱処理を行うことによってチタン合金の機械的性質を変えることができる。α 型合金から β 型合金になる連れて、熱処理による性質改変の余地が大きくなる。α...
    32 KB (4,171 words) - 08:45, 8 August 2024