ケカビは、菌界・接合菌門・接合菌綱・ケカビ目・ケカビ科に属するカビであり、ケカビ属(Mucor。ムコール)の総称である。湿気の多い有機物上に出現する、ごく普通のカビである。 ケカビ属は接合菌類の中で、もっとも基本的な体制を持つものと見なされてきた。基質中に菌糸を伸ばし、空中に胞子嚢柄を伸ばし、その先端に胞子嚢をつける。...
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ケカビ目(Mucorales)は、接合菌類の中で、最も一般的なカビの一群である。身近に見ることのできるものも多い。 ケカビ目は、かつて接合菌門接合菌綱に含めたものの中で、最も普通に見られる菌群である。ケカビ、クモノスカビなど、身近に出現するいくつかのカビ類を含む。比較的大柄なものが多く、肉眼でも胞...
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上記のように人間の生活空間にも様々なところでカビは出現する。放っておけば食品はかびる。その主な原因はアオカビ・コウジカビ・ケカビ・クモノスカビといったものである。ヨーロッパではアカパンカビもここに顔を出す。これらは、人為的な環境に素早く出現する、いわば雑草のようなカビである。壁のしみは往々にしてクラドスポリウムである。...
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ケカビ亜門(Mucoromycotina)は、ケカビ門に所属する菌類の亜門である。3目61属325種からなる。 所属する3目はケカビ目、アツギケカビ目、クサレケカビ目である。 共通する特徴としては、以下のようなものが挙げられる。糸状菌であり、若い間は隔壁を形成しない多核体であり、成熟時には小孔を持つ...
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クモノスカビ(Rhizopus)は、菌界・接合菌門・接合菌綱・ケカビ目・クモノスカビ科(あるいはケカビ科)に属するカビの和名である。基質表面をはう菌糸の様子がクモの巣を思わせることから、その名がある。学名がRhizopusであることからリゾープス菌もしくはリゾープス属菌と呼ばれることもある。また、...
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pentosaceus)、ケカビ目(クモノスカビ、ケカビ)などで複数の菌類により細菌叢が形成されている。なお、1990年代以降の研究により、コウジカビやサッカロミコプシス属の糸状酵母が糖化の主要菌で、以前の定説ではクモノスカビ(Rhizopus属)やケカビ(Mucor属)が糖化を行うとされていたが、ケカビ...
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dendrobatidis(ツボカビ門) Allomyces arbusculus(コウマクノウキン門) Entomophthora muscae(ハエカビ亜門) Coemansia reversa(キックセラ亜門) Rhizophagus intraradices(グロムス門) Rhizopus oryzae(ケカビ亜門)...
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ケカビ科(Mucoraceae)は、接合菌門接合菌綱に属するケカビを代表とするカビの分類群である。この科に含まれる属の範囲は多くの説があるが、一般には大型の胞子嚢を持ち、それ以外の小胞子嚢や分節胞子嚢を形成しないものをまとめる。 古典的にはケカビは接合菌類の最も基本的な形態を持つものと考えられてき...
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ケカビ属に含められることも多い。他方、他の科に含められてきたことも多いのがEchinosporangium(先端に刺のある細長い胞子のうを持つ)、Aquamortierella(ケカビ類で唯一の水中性)などで、いずれも一種のみからなる希少なカビ...
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どが知られる。様々な群を含むが、菌糸を形成する糸状菌的な形態のものである。以下の目が認められる。 ケカビ目:ケカビ・クモノスカビ トリモチカビ目 キクセラ目 ディマルガリス目 ハエカビ目 アツギケカビ目 グロムス目 トリコミケス綱:すべてが単純な形の菌体を持ち、昆虫などの小動物の消化管内などに附着...
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同様の仮根状菌糸は菌糸を持つツボカビ類(カワリフクロカビなど)、ケカビ目でも見られ、これらの場合、通常の菌糸の側面からこのような仮根状菌糸を出すのが見られる。なお、クモノスカビ・ハリサシカビ・クサレケカビなどの胞子嚢柄を立てる種の中で、その基部に根状の菌糸が限定的に生...
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コウガイケカビ (Choanephora) は、接合菌門接合菌綱ケカビ目に属するカビの一群である。熱帯を中心に分布し、十数種が記載されている。 日本で最もよく見かけるのは C. cucurbitarum である。このカビは、よくウリ科やアオイ科の植物の花や若い果実についているのが見られる。...
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ユミケカビ属 Absidia van Tieghem 1876. はケカビ目の菌類の1つ。匍匐菌糸を伸ばし、その側方に胞子嚢柄を出し、やや小柄な洋梨型の胞子嚢を付ける。比較的多くの種を要する属であり、古くに知られた属ではあるが類似の形質の属が複数あり、それらもこの属に含められてきたこともあり、経緯はやや複雑である。...
17 KB (2,903 words) - 01:38, 11 February 2024
ハリエダケカビ・マキエダケカビはいずれも接合菌類のカビであるHelicostylumに与えられた和名である。 ハリエダケカビ・マキエダケカビはいずれも接合菌門接合菌綱ケカビ目に属するカビである。名前の由来は独特の横枝に小胞子嚢をつけることからで、ハリエダケカビはその枝先が針状にとがり、マキエダケカビ...
8 KB (1,366 words) - 05:11, 15 November 2024
れ、そのうち20種はアツギケカビ属である。 接合菌類のその他の群との関係もあまりはっきりしないが、近年、ケカビ目に含まれていたクサレケカビ類が実は他のケカビ類とは系統が異なり、むしろアツギケカビと近縁であるらしいと言われるようになった。 椿啓介,1978,半子のう菌綱,菌類図鑑(宇田川他、講談社)...
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どがある。たとえば蘚類の胞子嚢(蒴と呼ばれる)は、先端に口があり、未熟時にはその上に蓋がついており、成熟するとそれが外れて胞子が放出される。他方、ケカビでは胞子嚢壁そのものが溶けるようにして胞子が露出する。 胞子嚢内部に、胞子以外の構造が発達する例もある。粘菌の場合、網状の細網体という、胞子嚢を支...
7 KB (1,262 words) - 17:35, 11 August 2022
カラクサケカビ(Circinella)は、接合菌門接合菌綱ケカビ目に属するカビである。胞子嚢の柄がゼンマイのように巻き込むのが特徴である。 カラクサケカビは、ケカビ目の代表的なカビのひとつである。大型の胞子嚢だけをつける。その点でケカビに似るが、大きな違いは胞子嚢柄が巻蔓状に巻いて、平面上の渦巻きの...
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裸子植物 被子植物(モクレン門) 双子葉植物綱(モクレン綱) 単子葉植物綱(ユリ綱) ツボカビ門(ツボカビ) 接合菌門(ケカビ、クモノスカビ) 子嚢菌門(酵母、アカパンカビ) 担子菌門(キノコ) 不完全菌(アオカビなど。現在は分類群としては認めない) 地衣植物門(菌類と藻類の共生体・学名は菌類のもの)...
41 KB (4,036 words) - 23:31, 11 September 2024
エダケカビ(Thamnidium elegans Link 1809)というのは、ケカビ目に属するカビのひとつである。小胞子のうと、大きな胞子のうをつけるものである。 エダケカビは、ヨーロッパでは古くから知られており、その最初の記載は1809年にまでさかのぼり、もっとも普通なケカビ...
6 KB (934 words) - 06:34, 13 February 2014
エダケカビ科(Thamnidiaceae)は、接合菌門接合菌綱ケカビ目に含まれる分類群であった。小胞子嚢を作る群をまとめた分類群として長らく認められてきたが、現在は存在しない科となっている。 ケカビ類は、よく発達した多核の菌糸からなる菌糸体を形成し、大きな胞子嚢を立ち上がる柄の先端につけるのを基本...
8 KB (1,240 words) - 00:08, 23 November 2022
クサレケカビ科 Mortierellaceae は、かつて接合菌に所属させていたカビの分類群で、ほとんどは土壌に生育する腐生菌である。多核体の菌糸からなる糸状菌で、胞子嚢に柱軸を持たないことが一つの特徴とされる。以前はケカビ目に所属させたが、現在は独立の目、クサレケカビ目 mortierellales...
9 KB (1,509 words) - 15:50, 7 June 2022
卵菌類のミズカビ類においても、これらと似た現象が知られる。ミズカビ類においては、むしろ自家和合性のものが多い。単独株でも、ある程度の期間の培養を行えば、有性生殖が見られるのが普通である。しかし、ワタカビなどの一部に自家不和合性の種がある。 ミズカビ類の有性生殖は、やはり配偶子のう接合によるが、ケカビ...
7 KB (1,230 words) - 10:05, 20 July 2023
接合胞子嚢が形成されるために、この類は接合菌類と見なされ、ケカビ目とは異なるので当初はハエカビ目に含めたが、後に独自の目であると認められた(Bessey,1950)。当初はトリモチカビ科のみを認めたが、ドレクスラーが1973年にトリモチカビ科から内部寄生性のものをゼンマイカビ科として独立させた。 その後、長らくケカビ...
10 KB (1,621 words) - 01:54, 24 October 2024
ケカビでは円形、楕円形、あるいはヒョウタン形などで、クモノスカビではドーム型、ユミケカビでは円錐形で、先端に小突起を持つものが多い。 ケカビの場合、柱軸の基部で胞子嚢柄が絞ったようになり、その境界がはっきりしているが、ユミケカビ...
6 KB (1,021 words) - 05:24, 13 February 2014
ケカビなどは太くて、先端が細く樹枝状に枝分かれした菌糸を作り、古くなった部分や生殖器官の位置にだけ隔壁を生じる。トリモチカビ目のものは非常に細い菌糸を出す。キクセラ目やディマルガリス目のものは比較的一定の太さで、規則的な隔壁を生じる。ハエカビ...
9 KB (1,525 words) - 00:15, 5 December 2023
ハリサシカビモドキは、分節胞子嚢をつけるケカビ目のカビである。 ハリサシカビモドキ(Syncephalastrum)は空中雑菌としても出現するカビで、世界に広く分布し、珍しいものではない。 基本的な形態はケカビとよく似ており、特殊化した部分は少ない。しかし、胞子嚢が分節胞子のうという特殊化したもの...
6 KB (1,056 words) - 23:02, 20 August 2018
ミズタマカビ(Pilobolus)は、ケカビ目ミズタマカビ科に属するカビである。草食動物の糞に出現し、胞子のうを遠くに打ち出すことができる。 ミズタマカビは、糞生菌の中でも、特に糞での生活に適応したカビの一つである。ウマやウシ、シカなどの糞では、糞が排出されてから2-3日頃に糞の表面からミズタマカビ...
7 KB (1,178 words) - 07:51, 18 April 2020
要となるため酪農家の負担も大きかった。やがて、1960年代に原料の元となる家畜不足を原因として、代替物が多く用いられはじめることとなった。この際、ケカビ(Rhizomucor pusillus; シノニム: Mucor pusillus)が生成するレンネットが注目されることとなった。微生物レンネッ...
5 KB (772 words) - 23:47, 10 February 2024
ら古生代のシダ植物にはより多くの例があったことが窺える。 接合菌類、特にケカビ目では、無性胞子は立ち上がった菌糸の先端の袋、胞子嚢の中に形成される。通常は、胞子嚢壁が溶けるか割れるかして、胞子が放出される。 ところが、エダケカビでは、頂生の胞子嚢の他に、その下方の側面から細かい枝が出て、その先端に小...
4 KB (662 words) - 01:05, 22 November 2017
クスダマカビ(Cunninghamella)とは、接合菌類接合菌綱ケカビ目に属するカビのひとつである。丸く膨らんだ頂嚢の上に単胞子の小胞子のうを多数つける。 クスダマカビはごく普通の腐性菌で、野外の土壌や糞などの有機物から頻繁に分離される。普通は時に害はないが、まれに人間のムコール症の病原体となる例も知られる。...
11 KB (1,917 words) - 04:07, 14 July 2023
エダカビは、接合菌門接合菌綱トリモチカビ目エダカビ科に属する菌類の一群である。ほとんどがケカビ類を宿主とする菌寄生菌である。 エダカビ Piptocephalis は、胞子形成する柄の先端に分節胞子嚢を多数つけるカビで、その点でハリサシカビ Syncephalis...
13 KB (2,099 words) - 00:28, 5 December 2023