オンサーガーの相反定理(オンサーガーのそうはんていり、英語: Onsager reciprocal relations)とは、熱力学において、平衡から外れているが局所的に平衡状態にあるとみなせる系での流れと「熱力学的な力 thermodynamic force(s)」との関係に関する定理である。...
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ラルス・オンサーガー(Lars Onsager, 1903年11月27日 - 1976年10月5日)は、ノルウェー系アメリカ人の物理学者。姓はオンザーガーやオンセージャーとも表記される。不可逆過程の熱力学の研究により1968年ノーベル化学賞受賞。 ノルウェー工科大学卒業。チューリッヒ工科大学を経て...
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1927年にジョン・バートランド・ジョンソンは抵抗の両端に発生する揺動起電力を発見し、起電力のゆらぎと抵抗を結びつけるナイキストの定理は1928年に提案されている。このナイキストの定理は第二種揺動散逸関係式にほかならない。またオンサーガーの相反定理は1931年に発表されている。...
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}).} これをオンサーガーの相反定理という。微視的可逆性の原理は、外部磁場やコリオリ力がある系に対しては成り立たなくなるため、同様に相反定理も外部磁場中の系や回転系に対しては成立しない。なお、化学反応(流れ)と親和力(反応前後での化学ポテンシャル差)の間も上記と同様の流れ・力の...
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相反定理 (そうはんていり、英語: reciprocal theoremまたはreciprocal relations) は、一般に二つのものを入れ替えても同等であるということを示す定理。 熱力学における、オンサーガーの相反定理 構造力学における、マクスウェル・ベティの相反定理 電磁気学における、グリーンの相反定理(英語:...
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熱電効果 (category すべてのスタブ記事)
{\mathrm {d} S}{\mathrm {d} T}}.} これはオンサーガーの相反定理の一例である。 ^ “コトバンク”. 2023年3月11日閲覧。 ^ a b 天谷康孝 et.al.「トムソン効果を用いたゼーベック係数の絶対測定手法の開発」『熱測定』第46巻第3号、2019 年、128-134頁。 ...
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輸送係数 (category すべてのスタブ記事)
輸送係数は,その添字に関して対称である. L i k = L k i {\displaystyle L_{ik}=L_{ki}} これをオンサーガーの相反定理という 早川尚男『臨時別冊数理科学 SGCライブラリ 54 「非平衡統計力学」 2007年 03月号』サイエンス社、2007年。 非平衡熱力学...
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32, 97 (1928). ^ H. Nyquist, Thermal Agitation of Electric Charge in Conductors, Phys. Rev. 32, 110 (1928). 統計力学 散逸 線形応答理論 オンサーガーの相反定理 ゆらぎ ゆらぎの定理 表示 編集...
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ゆらぎ (category すべてのスタブ記事)
ゆらぎの性質を分類する方法として、パワースペクトルがよく用いられる。 平衡ゆらぎについては、アインシュタインがブラウン運動から一般論を展開し、オンサーガーが相反定理という形でまとめあげた。 このゆらぎの一般論は、平衡から遠く離れた状態においても適応できるように拡張された。その典型例がゆらぎの定理...
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- ジョン・バートランド・ジョンソンが抵抗のジョンソン・ノイズ(熱雑音)を発見する。 1928年 - ハリー・ナイキストが抵抗のジョンソン・ノイズを説明する関係式である揺動散逸定理を導出する。 1929年 - ラルス・オンサーガーがオンサーガーの相反定理を導出する。 1938年 -...
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熱力学におけるカルノーの定理(カルノーのていり)とは、熱機関の最大効率に関する定理である。フランスの物理学者ニコラ・レオナール・サディ・カルノーの名にちなむ。カルノーの原理(カルノーのげんり)とも呼ばれる。 熱エネルギーを力学的な仕事へと変換するには、高温の熱源の他に低温の...
17 KB (2,691 words) - 08:00, 30 September 2024
temperature)とも呼ばれる。多くの場合、熱力学温度と絶対温度は同義であるが、「絶対温度」という言葉の用法はまちまちであり「カルノーの定理や理想気体の状態方程式から定義できる自然な温度」を指すこともあれば、「温度単位としてケルビンを選んだ場合の温度」ないし「絶対零度を基準点とする温度」のようなより限定された意味で用いられることもある。...
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熱力学第二法則 (redirect from エントロピー増大の原理)
の反例が生じてしまう。つまり対偶を示すことにより同値であることが示せる。 クラウジウスの不等式は、カルノーサイクルを連結し合成サイクルを作ることによって、トムソンの法則と、それより導かれるカルノーの定理を用いて示せる。また、クラウジウスの不等式において n = 1 としたものは、トムソンの法則そのものである。...
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圧力 (category 出典を必要とする節のある記事/2015年7月-8月)
圧力を加えることで物体の表面に電荷が生じたり(圧電効果)、電気抵抗が変化したりする。圧電素子はガスレンジの着火装置などに利用される。 磁化の変化 圧力によって磁化の強さが変化する。→ ビラリ現象 分子運動論では圧力Pはビリアルの定理から P = ⟨ 1 3 V ( ∑ i P i 2 m i − ∑ i r i ∂ ϕ ∂ r → i...
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クラウジウスの定理 (クラウジウスのていり, Clausius theorem) は、熱機関やヒートポンプのように外部の熱浴(英語版)と熱を交換する系が循環過程を経て系が最終的にもとの状態に戻る際に、 δ Q {\displaystyle \delta Q} を系が熱浴から吸収した熱量、 T s u...
11 KB (2,159 words) - 08:13, 30 August 2022
熱機関 (category 検証が求められている記述のある記事/2010年以前)
レシプロ蒸気、ガソリン、ディーゼル等)と呼ぶ。 ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。 熱機関 機関 (機械) 原動機 熱力学サイクル カルノーサイクル 逆カルノーサイクル 冷凍サイクル ヒートポンプ 冷凍機 熱効率 成績係数 熱力学 熱力学第一法則 熱力学第二法則 カルノーの定理 (熱力学)...
6 KB (399 words) - 03:20, 30 September 2024
熱力学の法則 > 熱力学第三法則 熱力学第三法則(ねつりきがくだいさんほうそく、英語: third law of thermodynamics)とは、完全結晶のエントロピーは絶対零度ではすべて等しくなる、という定理である。これはつまり、エントロピーの基準値を決めることができることを意味する。...
3 KB (396 words) - 15:30, 25 November 2024
---トランジスタの発明 パスクアル・ヨルダン - ドイツ (1902 - 1980) ---量子力学の研究 アーネスト・ウォルトン - アイルランド (1903 - 1995) ---原子核変換 ラルス・オンサーガー - ノルウェー / アメリカ (1903 - 1976) ---相反定理、2次元相転移の厳密解...
29 KB (2,799 words) - 11:12, 19 April 2023
ジェームズ・クラーク・マクスウェル (category スコットランドの物理学者)
の相反作用の定理に関係する論文も発表している。 1865年4月にマクスウェルは論文執筆などで多忙のため、キングスカレッジを退職した。同年秋に故郷のミドルビーに戻り、1867年の春から夏にかけては妻の転地療養も兼ねてイタリアを訪れている。1868年には論文の...
17 KB (2,013 words) - 16:04, 11 November 2024
熱効率 (category 英語版ウィキペディアからの翻訳を必要とする記事)
燃料消費率 燃費 エクセルギー アネルギー カルノー効率 発光効率 エネルギー効率 熱機関 熱力学サイクル カルノーサイクル 逆カルノーサイクル 冷凍サイクル ヒートポンプ 冷凍機 成績係数 熱力学 熱力学第一法則 熱力学第二法則 カルノーの定理 (熱力学) 熱効率を100%にできない理由 - 埼玉工業大学...
5 KB (728 words) - 03:17, 30 September 2024
熱 (section 日本の計量法における熱量の単位)
の運動エネルギーや位置エネルギーの変化と見なせる。統計力学において内部エネルギーは、その物質が取り得る微視的状態から定義される統計集団を用いて、(その統計集団における)エネルギーの期待値として与えられる。特に理想気体の場合、気体分子間の相互作用は無視でき、内部エネルギーは気体分子の運動エネルギーの...
21 KB (3,218 words) - 12:23, 30 July 2024
エントロピー (redirect from エントロピー増大の法則)
={\frac {W}{Q_{1}}}=1-{\frac {Q_{2}}{Q_{1}}}} で与えられる。 カルノーの定理によれば、熱機関の熱効率には二つの熱源の温度によって決まる上限の存在が導かれ、その上限は η ≤ η m a x = 1 − T 2 T 1 {\displaystyle \eta...
43 KB (6,514 words) - 12:59, 21 November 2024
の状態は分子間相互作用によって区別されている。すなわち、固体は分子間の相互配置が決まっており、液体では近接分子は接触しているが相互配置は決まっていないのに対し、気体では分子はかなり離れていて、分子間相互作用はそれぞれの運動にほとんど影響を及ぼしていない。また、プラズマは高度にイオン...
19 KB (2,985 words) - 06:48, 19 July 2024
可逆 (category 物理学の概念)
ーの間に摩擦が存在する状況下で気体を準静的に圧縮する過程は準静的だが可逆ではない。他の形のエネルギーが摩擦や抵抗により熱エネルギーに変わる現象は、常に非可逆となる。ただし文献によって用語の混乱があり、可逆過程と準静的過程を同義に使う文献もある。 熱力学第二法則によれば、任意のサイクルでクラウジウス積分...
5 KB (828 words) - 01:51, 17 October 2021
熱容量 (category すべてのスタブ記事)
^{2}{\frac {\partial ^{2}}{\partial \beta ^{2}}}\ln Z(\beta )} で表されており、エネルギーのゆらぎと関係付けられている。 C ( β ) = k β 2 ⟨ E ( ω ) 2 − ⟨ E ( ω ) ⟩ 2 ⟩ {\displaystyle...
5 KB (721 words) - 12:59, 19 June 2022
断熱過程 (section 気体の熱容量の温度依存性)
adiabatic process)とは、外部との熱のやりとり(熱接触)がない状況で、系をある状態から別の状態へと変化させる熱力学的な過程である。 エントロピーは断熱過程における不可逆性を特徴付ける状態量であり、系が断熱的に状態を遷移する前後でのエントロピーの変化は Δ ad S ≥ 0 {\displaystyle...
8 KB (1,353 words) - 14:46, 29 June 2024
は圧力、 V {\displaystyle V} は体積である。定義式の形からも分かるように、エンタルピーの概念は気体のみを対象とするものであり、液体や固体、水溶液などに対してエンタルピーを定義することはできない。 また、特に理想気体のエンタルピーについては、定義式に U = C v p V R {\displaystyle...
8 KB (1,285 words) - 10:50, 25 November 2024
の体積がどの程度変化するかを表す物性量である。 圧力 p の下での物体の体積が V であるとき、圧縮率は κ = − 1 V d V d p {\displaystyle \kappa =-{\frac {1}{V}}{\frac {dV}{dp}}} で定義される。 一般に圧縮率は圧力の関数であるが、圧力変化...
6 KB (902 words) - 04:39, 10 October 2024
定圧過程 (section 定積モル比熱と定圧モル比熱の関係)
T\end{aligned}}} 従って定圧モル比熱と定積モル比熱の間には次の関係が成立する。 C P = C V + R {\displaystyle {\begin{aligned}C_{P}=C_{V}+R\end{aligned}}} この関係をマイヤーの法則という。 ランキンサイクル - 復水器 定積過程 等温過程...
4 KB (858 words) - 20:09, 24 February 2023
自由エネルギー (redirect from ヘルムホルツの自由エネルギー)
W=Q-\Delta U\leq T_{\text{ex}}\Delta S-\Delta U} 等温条件下では変化の前後で系の温度は外界の温度と等しく T=Tex なので、ヘルムホルツエネルギーの定義から Δ F = Δ ( U − T ex S ) = Δ U − T ex Δ S {\displaystyle...
14 KB (2,278 words) - 03:31, 2 January 2025
等圧熱容量と等積熱容量の差が C p − C V = T V α 2 κ T = n R {\displaystyle C_{p}-C_{V}={\frac {TV\alpha ^{2}}{\kappa _{T}}}=nR} となる。(マイヤーの関係式) 状態方程式 ファンデルワールスの状態方程式 ビリアル展開...
4 KB (518 words) - 09:30, 12 September 2024