集合論及びその応用としての数学におけるクラスまたは類(るい、英: class)は、集合(または、しばしば別の数学的対象)の集まりで、それに属する全ての元が共通にもつ性質によって紛れなく定義されるものである。「クラス」の正確な定義は、議論の基礎となる文脈に依存する。例えば、ツェルメロ=フレンケル集合論...
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集合論(しゅうごうろん、英語: set theory)は、集合とよばれる数学的対象をあつかう数学理論である。 通常、「集合」はいろいろな数学的対象の集まりを表していると見なされる。これは日常的な意味でのものの集まりやその要素、特定のものが入っているかいないか、という概念を包摂している。現代数学の定...
11 KB (1,705 words) - 20:02, 11 August 2023
が含まれないようにしている。さらに、真のクラスは間接的にしか扱えない。具体的には、ツェルメロ=フレンケル集合論では、全体集合(すべての集合を含む集合)の存在も無制限の内包も許容しないため、ラッセルのパラドックスを回避できる。フォン・ノイマン=ベルナイス=ゲーデル集合論(NBG) は、ツェルメロ=フレンケル集合論...
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公理的集合論(こうりてきしゅうごうろん、axiomatic set theory)とは、公理化された集合論のことである。 現在一般的に使われている集合の公理系はZF (ツェルメロ=フレンケル) 公理系、またはZF公理系に下で述べる選択公理(Axiom of Choice)を加えた ZFC公理系(Zermelo-Fraenkel...
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元 (数学) (redirect from 帰属関係 (集合論))
において、文字 M が表すものは集合である。 素朴集合論においてよく知られた逆理が導かれるなどの理由により、元 x の属する対象 M は集合でなく類(クラス)と考えたほうが有効な場面がある。例えば圏論では圏に属する元(圏論の文脈ではこれを「対象」と呼ぶ)の全体は類と考える。 ZF(C)集合論...
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ロールプレイングゲームにおけるキャラクターの分類 クラス (コンピュータ) - コンピュータにおいてオブジェクト指向の概念のひとつ IPアドレスにおけるアドレス範囲の区分け(アドレスクラス)- クラスA, B, C, D, E。IPアドレス#アドレスクラスを参照 クラス (集合論) - 集合論におけるクラス クラス (哲学)(英語版)...
3 KB (405 words) - 10:00, 29 December 2022
素朴集合論(そぼくしゅうごうろん、英: Naive set theory)は、数学の基礎論で用いられる集合論の一つである。形式論理を用いて定義される公理的集合論とは異なり、素朴集合論は非形式的に自然言語で定義される。離散数学で馴染み深い数学的集合の側面(たとえば、...
38 KB (5,183 words) - 21:03, 9 November 2024
のに必要な道具を与える論理を研究する学問を数学基礎論という。 基礎付け 数学の基礎を明確にすること、あるいは数学そのものを研究することのために、集合論や数理論理学そしてモデル理論は発展してきた。フランスの数学者グループであるニコラ・ブルバキは、集合論による数学の基礎付けを行い、その巨大な体系を『数学...
28 KB (3,594 words) - 06:37, 24 December 2024
空集合(くうしゅうごう、英: empty set)は、要素を一切持たない集合のことである。公理的集合論において、空集合は公理として存在を仮定される場合と、他の公理から存在が導かれる場合がある。 空集合を表す記号として、∅ 、 ∅ {\displaystyle \emptyset } または {} がある。記号...
7 KB (855 words) - 10:08, 23 May 2024
数学基礎論において、フォン・ノイマン=ベルナイス=ゲーデル集合論 (NBG) とはツェルメロ=フレンケル集合論+選択公理 (ZFC)の保存拡大である公理的集合論である。NBGでは、量化子の範囲を集合に限定した論理式によって定義される集合の集まりとして、クラスの概念を導入する。NBGは、すべての集合...
108 KB (18,318 words) - 13:29, 22 October 2024
数理論理学 (category 数学基礎論)
しつつ、無矛盾性の証明に伴う問題点を明らかにした。集合論における仕事は殆ど全ての通常の数学を集合の言葉で形式化できることを示した。しかしながら、集合論に共通の公理からは証明することができない幾つかの命題が存在することも知られた。むしろ現代の数学基礎論では、全ての数学を展開できる公理系を見つけるよりも...
72 KB (7,671 words) - 03:14, 13 November 2024
{∅} は 空集合 ∅ ではない。また、例えば、{{1, 2, 3}} のような集合も、ただ一つの集合を元(その元自身は単集合ではない)として持つ単集合である。 単集合であることと、その集合の濃度が 1 であることは同値である。自然数の集合論的構成において、自然数の 1 とは単集合 {0} のことと定義される。...
5 KB (743 words) - 10:33, 2 April 2022
集合論(NBG)は、クラス内包公理図式に現れる論理式の束縛変数を集合の範囲に制限するが、モース-ケリー集合論は、ウィラード・ヴァン・オーマン・クワインが新基礎集合論について提案したように、これらの束縛変数が集合だけでなく適当なクラスを含むことが可能なように構成されている。 モース-ケリー集合論...
24 KB (3,734 words) - 10:16, 1 June 2024
集合論)からは独立であることが後になってわかった。 アンリ・ルベーグはルベーグ積分の理論によって積分論の構造化を達成する過程で「積分可能」な関数のクラスである可測関数の概念と、それらによって指定されるような実数の部分集合である可測集合の概念をえた。この可測集合は具体的に構成できるような実数の集合...
22 KB (3,494 words) - 01:11, 5 January 2024
b_{2}} がともに成り立つ。 このとき、帰納的に、束の任意の空でない有限集合に対して、その結び(上限)および交わり(下限)の存在が示せる。さらに仮定を増やせば、もっといろいろなことが言える場合もある。完備性 (順序集合論)(英語版)等を参照。そういった文脈では、上記の定義をもっと別の方法、例えば...
32 KB (4,967 words) - 11:56, 8 August 2022
濃度 (数学) (category 集合論)
数学、特に集合論において、濃度(のうど、英: cardinality カーディナリティ)とは、有限集合における「元の個数」を一般の集合に拡張したものである。集合の濃度は基数 (cardinal number) と呼ばれる数によって表される。歴史的には、カントールにより初めて無限集合のサイズが一つではないことが見出された。...
9 KB (1,082 words) - 03:02, 12 December 2024
位相空間の開集合全体の集合は包含関係により順序集合と見なせる。位相空間が「sober性」という弱い性質を満たす時はこの順序構造のみで位相空間の構造が特徴づけられることが知られている(ストーンの双対性定理)。したがってsober性を満たす空間に話を限定すれば、点集合論に頼らなくても順序構造のみで位相空間論を展開できる(ポイントレス位相空間論)。...
42 KB (5,944 words) - 22:08, 28 June 2024
基数 (category 集合論)
cardinal)とは、集合の濃度(cardinality、大きさ、サイズ)を測るために定義された自然数の一般化である。有限集合の濃度つまり有限集合の要素の個数は自然数で表される。無限集合の濃度が一つではないことはゲオルク・カントールによって示された。 基数は、集合論で活発に研究されている。また、組合せ論...
21 KB (2,796 words) - 06:50, 20 December 2024
数学、とりわけ集合論や数学基礎論における宇宙とは、特定の状況において考察される実体のすべてを元として含むような類のことである。このアイデアにはいくつものバージョンがあるため、項目を分けて説明する。 おそらく最も単純なバージョンは、研究対象が特定の集合で閉じている限り、任意の集合が宇宙であるというものである。...
15 KB (2,404 words) - 21:51, 29 November 2023
多くのオブジェクト指向言語は抽象クラスと具象クラス両方をサポートするだろう。 スーパークラスは集合論で言うところの上位集合 (superset) を語源として持つ。 クラス (コンピュータ) サブクラス (計算機科学) 継承 (プログラミング) 実装継承 継承セマンティックス 仮想継承 上位集合 表示 編集...
2 KB (188 words) - 16:37, 9 October 2017
集合論においては、自然数は物の個数を数える基数のうちで有限のものであると考えることもできるし、物の並べ方を示す順序数のうちで有限のものであると考えることもできる。 自然数を 1, 2, 3, … とする流儀と、0, 1, 2, 3, … とする流儀があり、前者は数論などでよく使われ、後者は集合論...
26 KB (3,814 words) - 08:13, 1 February 2024
ロヴストルップによって作られた造語として、それぞれ派生 (derived) クラス、基底 (base) クラスと呼ばれる。彼は伝統的命名法よりもより直感でこれらの造語を見いだした。 サブクラスは集合論でいうところの、部分集合 (subset) を語源に持つ。 ^ Stroustrup, Bjarne...
4 KB (431 words) - 07:26, 16 July 2022
順序対 (category 集合論)
この定義は現代的に定式化されたほとんどの集合論では許容されないが、たとえば集合の濃度を与えられた集合と等濃な集合全体の成すクラスとして定義する方法論と似て整然としたものである。 モース=ケリー集合論では真のクラスを自由に扱うことができる (Morse 1965)。モースは成分が集合のみならず真のクラスであるような順序対を定義した(クラ...
26 KB (3,750 words) - 09:09, 18 September 2024
ゲオルク・カントール (category ドイツの集合論研究者)
った。連続体仮説については、後にゲーデルとポール・コーエンの結果によって一応の解決をみている。自身の集合論の矛盾も発見しているが、カントール自身はこうしたパラドックスは集合論を発展させていく上でプラスになる存在であると考え、あまり問題視していなかった。 1845年にロシアのサンクトペテルブルクで生ま...
8 KB (918 words) - 03:44, 15 August 2024
クラインの壺や実射影平面はそうでない。 位相空間論(一般位相)は位相に関する集合論的定義と構成を扱う位相幾何学の分野である。位相空間論は微分位相幾何学、幾何学的位相幾何学および代数的位相幾何学を含む位相幾何学の他の分野の大部分の基礎となる。点集合位相とも呼ばれる。 点集合...
29 KB (3,857 words) - 11:34, 1 January 2025
圏の研究は、関連する様々なクラスの数学的構造に共通する性質を見出そうとする試みだといえる。 集合論的な数学理論の構成では集合やその元に対して写像や関係を導入し、それらが満たすべき公理を列挙する。その公理を満たすような「構造」を持った個々の集合が理論の具体的な実現を示していて、それら一...
16 KB (2,499 words) - 00:47, 11 September 2023
集合論の宇宙)を研究(分類)する数学の分野である。 モデル理論における研究対象は、形式言語の文に意味を与える構造(英語版)としてのモデルである。もし言語のモデルがある特定の文(英語版)または理論(英語版)(特定の条件を満足する文の集合)を満足するならば、それはその文または理論のモデルと呼ばれる。...
21 KB (2,520 words) - 20:58, 13 October 2023
数理論理学において記述集合論(英: descriptive set theory)はよい振る舞いを持つポーランド空間(例えば実数直線)の部分集合の研究である。集合論の主要な研究分野のひとつであるのと同様に、関数解析、エルゴード理論、作用素環、群作用、数理論理学など、他の分野への応用を持つ。 記述集合論...
11 KB (1,875 words) - 23:00, 26 August 2023
数学の位相空間論における開集合(かいしゅうごう、英: open set)は、実数直線における開区間の概念を一般化する概念である。もっとも簡単な例は距離空間における場合で、そこでは開集合の概念は、各点を中心とする球体を含むような部分集合と一致する。しかし、一般には開集合は非常に抽象的なもので、「開集合...
18 KB (2,776 words) - 20:05, 22 September 2023
カントールの定理 (category 集合論)
theorem)は、集合論における基本的な定理の一つで、冪集合の濃度について述べたものである。最初にこれを証明したドイツ人数学者ゲオルク・カントールにちなむ。 任意の集合 A に対して、A のすべての部分集合の集合( A の冪集合)は A 自身よりも真に大きい濃度を持つ。 有限集合に対して定理が成立するのは明らかである。n...
14 KB (2,037 words) - 20:43, 24 November 2023
ピッチクラス(英: pitch class、直訳:音高の集合)は、同じ音名を与えられている楽音の集合。 ピッチクラス集合論では、次のように定義される。 ある2つの音があって、その周波数が x , a {\displaystyle x,a} であるとする。このとき、 x = 2 n a {\displaystyle...
3 KB (407 words) - 18:03, 1 June 2022