ディリクレの関数(ディリクレの-かんすう)とは、実数全体の成す集合 ℝ 上で定義される次のような関数のことである。 f ( x ) = { 1 ( x ∈ Q ) 0 ( x ∈ R ∖ Q ) {\displaystyle f(x)={\begin{cases}1&(x\in \mathbb {Q}...
5 KB (725 words) - 12:53, 21 January 2024
ディリクレのL-関数(ディリクレのエルかんすう、Dirichlet L-function)は、リーマンゼータ関数を一般化したものである。算術級数中の素数の分布の研究に基本的な関数である。実際ディリクレは、初項と公差が互いに素であるような等差数列には無限に素数が含まれること(算術級数定理)を証明するた...
3 KB (480 words) - 17:47, 7 May 2023
ヨハン・ペーター・グスタフ・ルジューヌ・ディリクレ(Johann Peter Gustav Lejeune Dirichlet, 1805年2月13日 - 1859年5月5日)は、ドイツの数学者。現代的形式の関数の定義を与えたことで知られている。 ディリクレ家はベルギーのリシュレ (Richelet) 出身で、ディリクレの...
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)\end{cases}}} この関数のグラフは、2本の平行な直線に「見える」であろう。しかし、それぞれの直線には無数に穴が空いているのであり、これを正確に描画することは不可能である。 本節では、簡単のため、R から R への関数のみを考え、関数の性質とグラフの特徴の関係について述べる。 関数の定義より、任意の実数 x に対して...
9 KB (1,382 words) - 01:11, 12 March 2023
ゼータ関数およびその類似物であるL関数:これらの関数と素数の間に深い関係があることは、リーマン予想で示唆されている。リーマン予想を仮定すると 素数の個数(与えられた数以下の素数 の個数。しばしば π(x) と記す)も精度の高い式が得られることが知られている。ディリクレ級数のひとつでもある。 固有の...
9 KB (1,252 words) - 04:08, 11 November 2022
関数を実関数 (real function) といい、定義域も終域も複素数の集合であるような関数を複素関数 (complex function) という。 ディリクレは、x と f (x) の対応関係に対して一定の法則性を持たせる必要はないとした。つまり、個々の独立変数と従属変数の...
58 KB (8,872 words) - 15:38, 30 June 2024
で表される級数のことをいう。一般ディリクレ級数と区別するため、通常ディリクレ級数 (ordinary Dirichlet series)ともいう。 1839年、ディリクレが算術級数定理を証明する際に考察されたことに因み、彼の名が付けられている。 リーマンゼータ関数やディリクレのL関数はディリクレ級数のなかで、よく知られているものの1つである。...
17 KB (3,442 words) - 22:53, 28 February 2023
DG(a_{n};s)=\prod _{p}f_{p}(p^{-s})\,} an がディリクレ指標なら、そのディリクレ級数母関数をディリクレのL関数と呼ぶ。 母関数の概念を他の数学的対象の列に対しても拡張することができる。例えば、二項型の多項式列の母関数は e x f ( t ) = ∑ n = 0 ∞ p n ( x...
15 KB (2,761 words) - 02:53, 15 February 2023
算術級数定理 (redirect from ディリクレの算術級数定理)
術級数(等差数列)には無限に素数が存在する、という定理である。ペーター・グスタフ・ディリクレが1837年にディリクレのL関数を用いて初めて証明した。そのため、定理はしばしばディリクレの算術級数定理と呼ばれる。 定理の言い換えとして、 gcd ( a , b ) = 1 {\displaystyle...
13 KB (3,207 words) - 22:57, 28 February 2023
解析学 (category 日本語版記事がリダイレクトの仮リンクを含む記事)
例えばある関数の変数を少しだけずらした場合、その関数の値がどのようにどのぐらい変化するかを調べる問題は解析学として扱われる。 解析学の最も基本的な部分は、微分積分学、または微積分学と呼ばれる。また微分積分学を学ぶために必要な数学はprecalculus(calculusは微積分の...
26 KB (3,867 words) - 04:19, 20 March 2024
ディリクレ分布(ディリクレぶんぷ、英: Dirichlet distribution)は、連続型の確率分布である。ベータ分布を多変量に拡張して一般化した形をしており、そのため多変量ベータ分布とも呼ばれる。ディリクレ分布の確率密度関数は、同時に発生することのない K {\displaystyle K}...
6 KB (729 words) - 03:18, 1 December 2022
数学において、ディリクレの判定法(ディリクレのはんていほう、英: Dirichlet's test)は、級数の収束判定法の一つである。名称はこれを記述したペーター・グスタフ・ディリクレにちなんでいるが、発表されたのは彼の死後、1862年の "Journal de Mathématiques Pures...
4 KB (773 words) - 22:42, 2 August 2024
による表記にちなみ、リーマンゼータ関数またはリーマンのゼータ関数とも呼ばれる。リーマンゼータ関数は、数学の分野のひとつである解析的整数論において素数分布の研究をはじめとした重要な研究対象であり、数論や力学系の研究をはじめ数学や物理学などの様々な分野で用いられているゼータ関数と呼ばれる一連の関数の中でも、最も歴史的に古いものである。...
34 KB (7,108 words) - 18:02, 6 October 2024
1、無理数なら 0 の値をとる関数 d(x) をディリクレの関数と呼ぶ。これは R 上の全ての点で不連続である。単純だが極端な不連続関数の例として積分論などの議論で重宝される。 関数 f を、x が無理数の場合は f(x) = 0 と定義し、有理数の場合は x = p/q(p は整数、q は正の整数でこれらは互いに素)と表し、この...
11 KB (1,547 words) - 11:49, 24 March 2024
ディリクレ指標(でぃりくれしひょう)とは、ディリクレがL関数を定義する際に導入した整数から複素数への関数である。 整数から複素数への関数 χ {\displaystyle \chi } で、ある自然数 N に対し a ≡ b ( mod N ) {\displaystyle a\equiv b{\pmod...
2 KB (224 words) - 09:39, 30 August 2022
_{n=1}^{\infty }{\frac {F_{n}}{n^{s}}}\ \ \ \ (F_{n}\in \mathbb {Z} )} と、ディリクレ級数の形で表すことが出来る。 デデキントゼータ関数は、 Re s > 1 {\displaystyle \scriptstyle \operatorname {Re}...
10 KB (1,816 words) - 11:58, 4 July 2024
ディリクレの原理(ディリクレのげんり、英: Dirichlet's Principle)とは、調和関数に関するディリクレ問題の解を、あるクラスの関数の中でディリクレ積分を最小にするものとして調和関数を発見する方法である。ディリクレ問題の解決方法でもっとも重要な一般的方法がディリクレの原理である。 ディリクレの原理は...
2 KB (331 words) - 11:44, 29 August 2022
解析的整数論 (category 言葉を濁した記述のある記事 (いつ)/2022年5月-6月)
の問題を解くために解析学の手法を用いる、数論の一分野である。解析数論の始まりはペーター・グスタフ・ディリクレがディリクレの算術級数定理の最初の証明を与えるためにディリクレの L-関数を導入したときであるとしばしば言及されている。(素数定理やリーマンのゼータ関数...
30 KB (4,564 words) - 01:05, 14 March 2024
数学における調和関数(ちょうわかんすう、英: harmonic function)は、ラプラス方程式を満足する二回連続的微分可能な関数のことをいう。 調和関数に関する重要な問題はディリクレ問題である。ディリクレ問題の解決方法にはいくつかあるが、その中でも重要な一般的方法はディリクレの原理である。...
20 KB (2,972 words) - 20:53, 1 December 2023
代数的整数論 (category 検証が求められている記述のある記事/2022年1月-6月)
のアーベル拡大のとき、デデキントゼータ関数はディリクレのL関数の積であり、各ディリクレ指標に対して1つの因子がある。自明指標はリーマンゼータ関数に対応する。K がガロワ拡大のとき、デデキントエータ関数は K のガロワ群の正則表現のアルティンのL関数であり、ガロワ群の既約アルティン指標(英語版)のことばでの分解を持つ。...
41 KB (6,370 words) - 04:27, 11 November 2024
のようなことが成り立つ。この関数 f のグラフは鋸歯状波になる。 三角関数の正弦および余弦関数は、ともに周期 2π を持つ、共通周期関数である。フーリエ級数の主題は、「勝手な」周期関数を周期を調整した三角関数の和として表すという考えについて研究するものである。 上記の定義に従えば、例えばディリクレ関数のような、ある種の際立った...
10 KB (1,383 words) - 20:37, 1 December 2023
ベルンハルト・リーマン (category 19世紀の数学者)
ディリクレ、カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビ、フェルディナント・ゴットホルト・マックス・アイゼンシュタインから楕円関数論や偏微分方程式論を学んだ。1849年にゲッティンゲン大学に戻り、1851年にガウスのもとで論文「1複素変数関数の一般理論の...
19 KB (2,295 words) - 15:18, 25 December 2023
f をディリクレの関数とすると、ほとんど至るところで f(x) = 0 である。このことを f(x) = 0 a.e. などと表す。その一方、f(x) ≠ 0 なる x も無数に存在する。 単調関数 I → R(I は実数の区間) は、ほとんど至るところで有限の微分係数を持つ。 有界な関数 f :...
5 KB (758 words) - 00:06, 24 September 2023
ベルヌーイ数 (category 整数の類)
一般ベルヌーイ数は代数的数で、ベルヌーイ数がリーマンゼータ函数の特殊値に関連する方法と同じ方法で、ディリクレの L-関数の特殊値に関連して定義される。 χ を mod f のディリクレ指標とすると、一般ベルヌーイ数 Bk,χ は、 ∑ a = 1 f χ ( a ) t e...
13 KB (2,219 words) - 19:34, 29 September 2024
ルベーグ積分 (category 数学のエポニム)
数学において、一変数の非負値関数の積分は、最も単純な場合には、その関数のグラフと x 軸の間の面積と見なすことができる。ルベーグ積分(ルベーグせきぶん、英: Lebesgue integral)は、積分をより多くの関数へ拡張したものである。ルベーグ積分においては、被積分関数...
30 KB (4,974 words) - 07:03, 22 July 2024
は数論的関数となる。従って、数論的関数全体集合は多元環となる。 乗法的関数 f ( n ) , g ( n ) {\displaystyle \scriptstyle f(n),\ g(n)} に対して、ディリクレ積 f ∗ g {\displaystyle f*g} で得られた数論的関数は乗法的関数となる。...
10 KB (2,048 words) - 13:39, 20 January 2023
リーマン予想 (category ゼータ関数とL関数)
に零点を持たない。ζ(s) が臨界線上に1位の零点しか持たないことはその導関数が臨界線上に零点を持たないことと同値である。 いくつかの応用は ディリクレの L 級数や数体のゼータ関数のためにただのリーマン予想ではなく一般リーマン予想を用いる。リーマンゼータ関数の多くの基本的な性質はすべてのディレクレ L...
93 KB (12,520 words) - 12:51, 24 October 2024
という条件で解となる調和関数 φ = φ(x1, x2, ..., xn) を求める問題である。第一境界値問題とも呼ばれる。解法には、グリーン関数、ディリクレの原理、交代法、ポアンカレの掃散法、ペロン法などがある。 ペーター・グスタフ・ディリクレ グリーン関数 ディリクレの原理 調和関数 表示 編集...
944 bytes (87 words) - 09:40, 30 August 2022
二次体 (section ディリクレの類数公式)
\scriptstyle \chi (n)=\left({\frac {n}{D}}\right)} で与えられるディリクレ指標のことを、クロネッカーの指標という。 ^ L関数を用いない式に対して、ディリクレの類数公式ということもある。 河田, 敬義『数論 -古典数論から類体論へ-』岩波書店、東京、1992年。 ...
12 KB (1,903 words) - 06:17, 11 October 2024
テイラー展開 ディラックのデルタ関数 ディリクレの原理 ディリクレ境界条件 ディンキン図形 デーン手術 デカルト座標 デザルグの定理 デデキント切断 デデキント無限 テューキーの補題 ドウカーの表示法 ド・モアブルの定理 ド・モルガンの法則 ド・ラームコホモロジー ドリーニュの定理 トレミーの定理 永田の定理...
10 KB (930 words) - 16:34, 19 September 2024
数論 (category 言葉を濁した記述のある記事/2013年)
微積分や複素関数論等の解析学的手法を用いて問題に取り組む。この分野は初めて解析的な手法を系統的に数論に応用したディリクレに始まるとされる。その弟子であるベルンハルト・リーマンによってすでにこの分野の(ひいては数論)の最大の未解決問題であるリーマン予想(1859年)が提示されたのは興味深い。素数定理の...
25 KB (3,615 words) - 15:02, 24 October 2024