• カイラル対称性カイラルたいしょうせい、英: chiral symmetry)とは、量子色力学 (QCD) において、クォークのフレーバーを右巻きスピン成分と左巻きスピン成分で独立に変換する近似的な対称性である(スピンの右巻き、左巻きについてはカイラリティを参照のこと)。QCDのダイナミクスにより...
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  • 左右のカイラリティが非対称な理論はカイラル理論と呼ばれ、パリティ対称な理論はベクトル理論と呼ばれることもある。カイラル理論はアノマリーキャンセレーション(英語版)の問題を持つため、標準模型のほとんどの理論は非カイラル理論である。量子色力学はベクトル理論の一例で...
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  • キラリティー (redirect from ラル)
    メタンは4個の水素原子が正四面体の頂点に位置し炭素原子はその中心に位置するテトラヘドラル対称(Td対称)な分子であり、アキラルである。この水素をひとつずつ別の原子で置き換えてゆくと少しずつ対称性が崩れ、4個の原子全てが異なるものになると、無対称でキラルな分子となる。このとき、元はTd対称の中心であった炭素原子を不斉中心 (asymmetric...
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  • 南部陽一郎 対称性 対称性の破れ 磁化 BCS理論 ヒッグス機構 標準模型 ワインバーグ・サラム理論 カイラル対称性 Spontaneous symmetry breaking in quantum systems (英語) - スカラーペディア百科事典「量子系における自発的対称性の破れ」の項目。...
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  • カイラル群SUL(Nf) × SUR(Nf)である。 もし全てのクォークが等しい質量を持つなら、その時このカイラル対称性は、クォークの両方のヘリシティへの同じ変換を適用する対角フレーバー群の"ベクトル対称性"について破れている。このような対称性の減少は明示的対称性...
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  • 対称性、あるいはより一般的にポアンカレ対称性)。 素粒子物理学では、多くの大域対称性(例:アイソスピンの対称性のSU(2))と、局所対称性(例:弱い相互作用のSU(2))がある。素粒子物理学の標準模型はヤン・ミルズ理論から構成される。 超重力理論の対称群は局所対称性であり、一方、超対称性は大域対称性である。...
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  • 摂動論は相互作用が弱い事を仮定した議論であり、結合定数の強い領域には上手く適用できない。特に量子色力学の低エネルギー領域においては、カイラル対称性の破れなどの物理について摂動論では議論する事ができない。そのため、以下に示すような非摂動論的な方法も、並行して用いられる。 1/N展開 格子ゲージ理論...
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  • 対称性を破る。これにより、超伝導状態のような電磁性質が生じる。 カイラル凝縮 (英: chiral condensate) は、カイラル対称性の破れを伴う質量のないフェルミ粒子の理論において現れるフェルミ凝縮の一種である。量子色力学 (QCD) において、カイラル...
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  • diffusion in certain random lattices," Phys. Rev. 109, 1492-1505 (1958) カイラル対称性の自発的破れ Y. Nambu and G. Jona-Lasinio, "Dynamical model of elementary particles...
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  • 相互作用に由来するものであるとされる。De Rujula-Georgi-Glashowによる記述に対する主な反論は、パイ中間子の質量の小ささをカイラル対称性の破れではなく、偶然のせいにしているところにある。 [a] ^ PDG reports the resonance width (Γ). Here...
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  • いが、覚えやすく、多くの物理学的議論に関連がある。シャンパン・ボトルの底の形は、例えば、ハドロンに質量を与える南部理論(カイラル対称性の自発的破れ)に現れる。また、カイラル対称性の自発的破れのアイディアは、南部が超伝導の理論であるBCS理論に触発されたものだが、BCS理論に出てくるポテンシャルもシャンパン・ボトルの形である。...
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  • クォーク凝縮相へのBCS-BECクロスオーバー、更に中性子星内部における中間子凝縮等が挙げられ、広い温度・密度領域における核物質の多様に関する研究を相転移(カイラル相転移、クォークの閉じ込め・非閉じ込め相転移)という概念の下、活発に行われている。 現代の原子核に関する実験には大雑把に言って原子核を...
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  • これら各物質相の内部はもとより、各相の間の相転移を理論的・実験的に解明しようとする研究もなされている。 ハドロン相とQGP相の間ではクォークの閉じ込めやカイラル対称性の破れなどが、ハドロン相とカラー超伝導相の間では中性子凝縮やダイクォーク凝縮などが議論されている。 ハドロン物理学において研究対象となるのは、...
    4 KB (654 words) - 14:16, 4 April 2020
  • カイラル相転移と閉じ込め相転移に大別される。 カイラル相転移における秩序変数は、クォークと反クォークの演算子積の真空期待値であるカイラル凝縮である。低温・低密度相においてはクォークと反クォークが真空中に凝縮することで秩序変数は有限の値を持ち、カイラル対称性...
    15 KB (2,486 words) - 22:02, 4 September 2023
  • 型破りな理論 CP対称性の自発的破れ 付加的なカイラル対称性 このうち第一の選択肢については説得力のあるモデルがないため、第二の選択肢についてはCP対称性をラグランジアンのレベルで破る小林・益川理論の成功のため、いずれも望みが薄いと Peccei は指摘している。第三の付加的なカイラル対称性については、さらに次のふたつの可能性がある。...
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  • アクシーノ (category 超対称性粒子)
    対称性が高い精度で成立していることをアクシオンと呼ばれるスカラー粒子を導入することで、説明しようとした。そのモデルに超対称性を組み入れると、アクシオンに対するフェルミ粒子の超対称性粒子であるアクシーノとボース粒子の超対称性粒子であるサクシオン(saxion)の存在が予測される。これらは全てカイラル超場(en:Chiral...
    2 KB (224 words) - 08:50, 11 October 2023
  • 右手型粒子は持たない。そのため、左手型粒子と右手型粒子ではゲージ相互作用の形が異なり、標準模型はゲージ相互作用に関してカイラルな理論となっている。また、この性質のために、電弱対称性がヒッグス機構によって破れないかぎり、全てのクォークとレプトンは質量を持つことができない。全てのクォークと荷電レプトン...
    32 KB (3,759 words) - 13:51, 25 May 2024
  • カイラル(非カイラル)な現象では恒等変換となる。 一般に、パリティ奇であるスカラーは擬スカラー、ベクトルは擬ベクトル(もしくは軸ベクトル)[疑問点 – ノート]と呼ばれる。 この他、偶数と奇数の足し算のような性質を持つ対称性変換の固有値にパリティの名を冠する場合がある。荷電共役変換...
    26 KB (3,859 words) - 16:09, 23 May 2024
  • ジ理論の繰り込み可能性は証明されていなかった。そして、南部はカイラル対称性やその自発的破れなどを提唱し、1970年代に入ると、非可換ゲージ理論の繰り込み可能性や漸近的自由がようやく証明され、QCDは脚光を浴びるようになる。 漸近的自由により、高エネルギーでは相互作用が弱くなり摂動論による計算が...
    11 KB (1,717 words) - 13:52, 25 May 2024
  • カイラル摂動論(chiral perturbation theory、ChPT) 量子色力学(QCD)の低エネルギー領域では、結合定数が大きくなるため摂動計算による解析が行えなくなり、クォーク・グルーオンの閉じ込めやカイラル対称性...
    11 KB (1,692 words) - 23:34, 28 November 2023
  • 量子力学における、古典論で説明のできない異常。量子異常 対称性の破れなど。 共形アノマリー,  古典論の共形対称性が覆される量子的現象。 カイラル量子アノマリー, カイラル対称性 の [U(1)]A anomaly 量子効果(QCDのダイナミクス)による軸異常 ゲージアノマリー, ゲージ対称性(古典論)に沿わない量子論的効果が見られる事象。...
    10 KB (1,359 words) - 15:24, 4 October 2022
  • 1972-03-20, NAID 110006467210doi:10.24532/soken.45.1_A42 「π゜→2γとpionの複合について(報告(6)カイラル対称性とハドロン力学,素粒子の模型と構造,研究会報告)」 Soryushiron Kenkyu 47(2), H38-H39, 1973-04-20...
    37 KB (4,789 words) - 19:37, 16 July 2024
  • ルーオンが励起する。十分低温においては、パイ中間子の間に働く相互作用が十分弱くなることがカイラル摂動論によって証明されている。一方、十分高温においては、クォークやグルーオンの運動量が十分大きいので、漸近的自由により結合定数は小さくなる。従って、十分低温・高温の場合に限っては、相互作用の無い自由な...
    13 KB (1,898 words) - 07:45, 3 July 2024
  • 分スピノル(ワイル・スピノル)の表記法。ツイスター理論や超対称性理論においては標準的な記法となっている。オランダの数学者ファン・デル・ヴェルデンに由来する。 以下ではカイラル表現(ワイル表現)により、ディラック・スピノル ψ は左右のカイラリティが上下の2成分で分かれているとする。すなわち ψ =...
    9 KB (1,143 words) - 06:48, 18 December 2023
  • 市が実施している。賞状・楯・賞金が贈呈される。 2023年 仏坂健太 : 中性子星合体に伴う電磁波対応天体の理論的研究 2022年 山本直希 : カイラル運動論の構築と応用 2021年 吉田紅 : 量子情報理論に基づくホログラフィック双対模型の構成 2020年 塩崎謙 : トポロジカル結晶絶縁体・超伝導体の分類理論...
    5 KB (733 words) - 04:36, 12 June 2024
  • {N}}=(2,0)} の超対称性をもつカイラル(スピンの右巻き成分と左巻き成分が非対称)な理論である。アノマリーは非自明に相殺されている。 1990年代に、理論の結合定数 g のタイプIIB超弦理論は 結合定数が 1/g の同じ理論と等価であることが示された。この等価はS双対と呼ばれる。...
    2 KB (394 words) - 09:21, 7 March 2023
  • の超対称性粒子はディラトンまたはサクシオン(en:Saxion)と呼ばれる。これらはすべてカイラル超場(en:Chiral superfield)に束ねられる。 アクシーノはこのような模型では最も軽い超対称性粒子(en:Lightest supersymmetric...
    85 KB (9,833 words) - 21:43, 27 July 2024
  • 格子上の並進対称性 カイラル対称性 エルミート フェルミオン場の双一次形式 相互作用の局所 逆に言うと、これらの仮定のどれかが満たされなければ、ダブリングが生じない格子フェルミオンの作用を設定することができる。例えば、ウィルソン・フェルミオンはナイーブな作用にカイラル対称性...
    5 KB (997 words) - 13:38, 10 December 2019
  • から O(3) への自発的対称性の破れを重要な典型例である。対称性のやぶれた 3つの軸生成子は、最も単純なカイラル対称性の破れ(英語版)(chiral symmetry breaking)の記述となっている。このときに、復活した対称性のやぶれていない O(3) はアイソスピンを表す。...
    2 KB (376 words) - 11:08, 28 December 2020
  • 対称性の場合は理論が定義できなくなる。 インスタントンの効果によって破られる、QCDの量子異常である。 弦理論のワイル対称性に対するゲージアノマリーである。このアノマリーが消えるという条件から、弦理論におけるtarget spaceの次元が定まる。 対称性の破れ...
    1 KB (189 words) - 10:45, 26 September 2023
  • ルソン・フェルミオンやその他の方法と比べて最も小さく、実際の計算では最初の適用例として採用されやすい。さらに、本来のカイラル対称性の名残としてU(1)対称性を持つため、カイラル対称性について議論する際に有効である。 スタッガード・フェルミオンによる定式化では、4次元空間においてダブラーとして現れる...
    7 KB (1,299 words) - 21:30, 19 February 2018