• ズィンミー(アラビア語: ذمّي‎、Dhimmī)とは、イスラーム政権下における庇護民のこと。具体的には、ムスリム支配者の統治下に一定の保護を与えられたキリスト教徒やユダヤ教徒をはじめとする非ムスリムを指す。 イスラーム草創期に預言者ムハンマドがアラビア半島の異教徒に庇護(ズィンマ ذمّة...
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  • される人頭税、ハラージュを地租・土地税とする用語法上の区別が定着するようになった。つまり、イスラーム政権が「ズィンマの民(ahl al-Dhimma)=ズィンミー」に対して下す「庇護(ズィンマ)の賦課」として租税という性格が明確化されるようになった。ウマイヤ朝では、首都ダマスカスのあるシリア近辺に...
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  • 被征服民でイスラーム政権を認めた人びとは、イスラーム政権からの庇護(ズィンマ)を受けた。ズィンマを受けた非ムスリムの人々のことを「ズィンマの民」( اهل الذمّة ahl al-dhimma)と呼び、同じ意味で単にズィンミーとも言う。これは預言者ムハンマドの時代に、アラビア半島内の非ムスリム...
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  • などがあげられる。 そのほかにも、ズィンミーはジズヤと呼ばれる特別の税金を支払わなければならず、時代・地域によっては衣服などに特別のしるしをつけさせられたり、馬への騎乗が禁止される場合もあった。またズィンミーの生命権も、ムスリムの生命権より軽く見られることが多く、ハナフィー学派を除き、ズィンミーを殺したムスリムに死刑は科されない。...
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  • 、ムアーウィヤの後裔のひとりアブド・アッラフマーン1世がイベリア半島に逃れ、後ウマイヤ朝を建てる。 非ムスリムだけでなく非アラブ人のムスリムにもズィンミー(庇護民)として人頭税(ジズヤ)と地租(ハラージュ)の納税義務を負わせる一方、ムスリムのアラブ人には免税となるアラブ至上主義を敷いた。また、ディ...
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  • ム教徒によってなされた他宗教の信者、無神論者、無宗教者などへの迫害について記述する。イスラームの支配領域において行われた異教徒への保護についてはズィンミーの項目を、イスラームの名の下に行われた戦いについてはジハードの項目も参照のこと。 イスラームの開祖であるムハンマド・イブン=アブドゥッラーフは寛容で慈悲深い人間であった。[要検証...
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  • ズィンミーとして処遇すると記されており、ジズヤを払う場合その信仰を保護しなければならないとされている。後にイスラム法学者の中には多神教徒に対してもズィンミーとしての権利を保障するべきだという意見が広まり、現実の政治に活用された。 ズィンミーとムスリムの婚姻に関しては、ムスリム男性はズィンミー...
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  • 民と呼ぶと考えてよい。啓典の民は通常の税金のほかに「ジズヤ」と呼ばれる人頭税の支払いの義務が生じるが、それを履行する限り「保護(ズィンマ)」が与えられ「被保護民(ズィンミー)」として、厳しい制限付きではあったが信教の自由や民族的慣習の保持が許された。 一般に一神教とは解釈されていない仏教も一部のムス...
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  • された。また、イラン・イラク戦争時には、イランの掲げるシーア派の利益が実際にはイランの国益ではなかったのかとの疑念も持たれた。 プロジェクト イスラーム ズィンミー ズィンミテュード シャリーア イスラム共和制 中田考 政教一致 国教 ディストピア ユートピア 神の国 神国 選民 イスラムファシズム...
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  • 日に受肉した神であるハーキムの代理人、カーイムとして再臨するハムザが、スンナ派やイスマーイール派を含めたドゥルーズ派以外のすべての人間を二等市民ズィンミーにして、特定の衣服を強制して、人頭税を徴収し、ドゥルーズ派の男性は彼らの女性や子供を獲得し、彼らの財産も土地も獲得するとされる。...
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  • 在するが、インドのカースト制における不可触民やカーストシステムそのものから排除された形で共同体を形成する部族民、日本の被差別部落民、イスラームのズィンミー等がある。 現代社会においては、被差別民が存在することの不合理性を糾弾する声が多数を占め、たいていの国家の政府がその根絶をうたっているが、人間が...
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  • ズィンミー、エフリ・ズィンマという言葉がしばしば使われている。これらはイスラーム法とも訳されるシャーリア」の中で確立したズィンミー制度に関わる言葉であり、オスマン帝国におけるギリシャ系正教徒らはシャーリア上のズィンミー制度で扱われていたと見る説もある。...
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  • ズィンミーとムスリムの殺害に対する刑罰における平等性を主張したことに対して、非ムスリムのためにムスリムを殺すのは間違っているとしてそれを拒んでいる。 またディヤの額に対しても、ハナフィー学派はズィンミーの男はムスリムの男と、ズィンミー...
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  • これらミッレト制はシャーリア上のズィンミー制に基づいていたと考えられており、過去には唯一神を奉じて啓示の書をもつキリスト教徒やユダヤ教徒などいわゆる「啓典の民」らはズィンマ(保護)を与えられたズィンミー(被保護民)としてシャーリアを破らない限りはその信仰、生活を保つ...
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  • 峰幸代、ソフトボール選手 1月27日 - ケルロン・モウラ・ソウザ、サッカー選手 1月28日 - A.J.グリフィン、メジャーリーガー 1月31日 - シドニー・サム、サッカー選手 2月1日 - アラン・デサンミゲル、マイナーリーガー 2月1日 - 東出昌大、ファッションモデル、俳優 2月2日 - マックス・パールマン、野球選手...
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  • ズィンミテュード(dhimmitude)は、アラビア語で字義通りには“保護された”という意味を持つ形容詞“ズィンミー”(dhimmi)から派生し、フランス語を通じて英語に借用された新語である。“dhimmitude”という語は、“dhimmi”に生産的な接辞である“-tude”を(“attitude”...
    7 KB (998 words) - 12:39, 26 December 2018
  • われていると主張している。また、日本の研究者の多くは鈴木董のオスマン帝国におけるズィンミー制度の研究成果と見解を引用し、ズィンミー制度に高すぎる評価を下しているとしている。イスラーム教徒の一部に今なお残存するズィンミー制度適用への願望と、その優越性を主張する論理に対しては、「前近代の極端に宗教的に...
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  • ズィンミーとして、特に北東シチリアでは栄えていた。これは大きくは、共存を許したジズヤのシステムの結果であった。この被征服者との共存関係は1160年代のシチリア島の再征服の後、特に1189年のノルマンの王グリエルモ2世(ウィレルムス2世)の死の後、崩壊した。 シチリアのアミー...
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  • イスラームに媚びへつらう奴等」という意味で使われるようになった用法である。 [脚注の使い方] ^ 池内恵は親イスラーム主義を『イスラームに対する盲目的賛美』とし、日本のイスラーム研究の客観性が脅かされていると警告している 反イスラーム主義 イスラームの寛容性 ズィンミテュード ズィンミー 表示 編集...
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  • musta‘rib)」(アラブ化(英語版)した:言語や風俗・文化においてアラビア文化の影響を受けた)の転訛したものが語の由来である。 キリスト教徒は、ムスリム政権においては、ズィンミー、すなわちイスラーム世界における公認された異教徒として扱われた。キリスト教徒とユダヤ教徒は「啓典の民」として、ジズヤを支払えば定住が許された。モ...
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  • この勅令は、スルタンの「御意志」が前面に出ているため、必ずしも立憲思想にもとづくものとはいえないが、ムスリム・非ムスリム(ズィンミー)にかかわらず、全ての帝国臣民には法の下の平等があたえられること、また、帝国は全臣民の生命・名誉・財産を保障することなどを繰り返し述べているとこ...
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  • とが出来た」という意見が主張されることも多い。しかし、前近代のイスラーム世界に於いて、ユダヤ人は同じ啓典の民でありつつも庇護民を意味する二級市民ズィンミーとして処遇された。クルアーンではユダヤ人は教えを守れば天国におくられるものの、その中の少なくない人々が教えを裏切るとしつつ、これを許して見逃すよ...
    26 KB (3,261 words) - 00:12, 20 April 2024
  • ア東部は、帝政ロシア領に編入されていった。 当時、アルメニア人の多くはオスマン帝国等のイスラム教徒支配の下に服しており、キリスト教徒は隷属民たるズィンミーとされた。その結果、厳しい差別を受けたものの、近隣のイスラム教徒から物理的迫害を受けることはなく、それなりに平和な共存が実現していた。しかしなが...
    14 KB (1,820 words) - 07:52, 8 April 2024
  • Princeton University Press(Reprint), 1987. ISBN 0691008078 プロパガンダ コーランか剣か ズィンミー ズィンミテュード イスラームと反ユダヤ主義 イスラム教と他宗教との関係 イスラーム教徒による宗教的迫害 オスマン帝国の対プロテスタント政策...
    3 KB (327 words) - 01:01, 18 July 2021
  • 非ムスリムはムスリムが支配的な国では差別されて当然であり、ズィンミーとして生きられるだけでも満足するべきと公言していた。また後述するようにイランではバハイ教徒が厳しく迫害されているが、彼等の信仰を『有害であり受け入れがたい』として、ズィンミー相当の権利すら与えることを拒んだのもホメイニである。...
    5 KB (717 words) - 05:23, 8 October 2023
  • ムがイスラム共同体の支配下に入ったことを宣言するとともに、キリスト教のエルサレム総主教ソフロニオスと会談して、聖地におけるキリスト教徒を庇護民(ズィンミー)とし、彼等がイスラームの絶対的優越に屈服しジズヤを支払う限りに於いて一定程度の権利を保障することを約束した。(ウマル憲章)また、このときにユダ...
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  • は何度か反目や軋轢が生じたことさえあった。 ギリシャ人は本来の居住地においては東ローマ帝国の消滅後も、オスマン帝国の領内で人頭税を納める庇護民(ズィンミー)として正教会の信仰を維持することを認められ、コンスタンティノープル総主教を長とする正教徒の自治体(ミッレト)を形成した。ブルガリア人やセルビア...
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  • - 韓国で華城連続殺人事件の時効が成立。 4月7日 - イラク日本人人質事件発生。 4月17日 - イスラエル軍がハマース強硬派指導者アブドゥルアズィーズ・アッ=ランティースィーを殺害する。 4月22日 - 北朝鮮平安北道竜川駅爆発事件。 5月1日 - 欧州連合に新たに10か国が加盟、合計25か国になる。...
    37 KB (4,540 words) - 18:10, 12 August 2024
  • スト教徒の官吏を追放し、これまで無視されてきたズィンミーに対する権利制限を厳格に施行するなどズィンミーに対する抑圧を強化する政策を採った。 このような状況で、キリスト教社会の殉教者に対する意見は二分された。当初は処刑された人々への同情が強かったが、アミールとその政府がキリスト教に対する圧迫を強めると...
    16 KB (2,416 words) - 08:15, 6 April 2021
  • フロニオスと結んだ条約の名称である。条文はウィキソースのこちらを参照。 ウマル憲章にはエルサレムに於けるキリスト教徒がイスラームに屈服し、ジズヤを支払う限りに於いて、厳しい制限つきながらも一定の権利を保障すると書かれている。後のズィンミー制度を形成する根幹となった文書でもある。 ズィンミー ジズヤ...
    1 KB (108 words) - 06:05, 23 August 2022
  • 、特にイスラーム統治下に生きたキリスト教徒、ユダヤ教徒のズィンミーの歴史を専攻する。 バト・イェオールはこれまで『ユーラビア―ユーロ=アラブ枢軸』(Eurabia: The Euro-Arab Axis, 2005年)、『イスラームとズィンミテュード―文明の衝突するところ』(Islam and Dhimmitude:...
    35 KB (4,610 words) - 14:19, 13 July 2024