フェルミ液体論(またはランダウ-フェルミ液体論)とは、 相互作用するフェルミ粒子の理論的モデルであり、多くの金属における十分に低温での標準状態を記述する。 ここで多体系の粒子間の相互作用は小さい必要はない。 フェルミ液体の現象論は1956年にソビエトの物理学者レフ・ランダウによって導入され、後にアレ...
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フェルミに関連するメディアがあります。 フェルミ統計 フェルミ分布関数 フェルミエネルギー フェルミ準位 フェルミ面 フェルミ縮退 フェルミ流体 フェルミ液体論 フェルミ気体 フェルミ粒子 フェルミ凝縮 フェルミの黄金律 フェルミ共鳴(英語版) フェルミ接触相互作用 エンリコ・フェルミ炉 フェルミウム...
18 KB (2,026 words) - 08:32, 16 June 2024
フェルミ気体として説明できる。この場合、電子は相互作用しないフェルミ粒子とみなされ、f電子とf電子との相互作用は無視できる。ちなみに、f電子間相互作用が磁気モーメントの局在性などの要因となる。 低温における重い電子系物質の特性は、レフ・ランダウのフェルミ液体論で説明することができる。フェルミ液体論...
7 KB (1,042 words) - 18:38, 22 September 2024
フェルミ気体 (英: Fermi gas) とは、数多くのフェルミ粒子(名前はエンリコ・フェルミに由来)の集まった相のこと。 フェルミ粒子はフェルミ=ディラック統計に従う粒子である。 これらの統計は熱平衡状態のフェルミ気体におけるフェルミ粒子のエネルギー分布を決め、その数密度、温度、可能なエネルギー状態の組によって特徴づけられる。...
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レフ・ランダウ (category ヨッフェ物理学技術研究所の人物)
ノーベル物理学賞を授賞対象となった絶対零度近くでのヘリウムの理論的研究の他、業績は多岐にわたり、液体ヘリウムや金属中の電子系にも応用されることとなるフェルミ液体(フェルミ流体、Fermi liquid)の提唱、二次相転移の現象論(ランダウ理論)、プラズマ振動の理論(ランダウ減衰)などがある。ランダウ理論の超伝導...
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場の量子論 (section 相対論的共変・繰り込み)
ストーン:「量子場の物理」、シュプリンガー・フェアラーク東京、ISBN 4-431-70940-1 (2002年2月2日). 新井朝雄:「多体系と量子場」、岩波書店、ISBN 4-00-011113-2 (2002年2月15日). 山田耕作:「凝縮系における場の理論:フェルミ液体から超伝導へ」、岩波書店、ISBN...
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より1982年にノーベル物理学賞を受賞した。その後、Nozieres、山田耕作らによって局所フェルミ液体として近藤効果を捉えられることが示された。また、低温度に近づくにつれ、エネルギーギャップが生じ、フェルミ面がギャップ中に埋もれてしまうことに起因し、電気的特性の温度依存性が半導体(あるいは絶縁体)...
15 KB (2,276 words) - 05:52, 14 October 2023
準粒子のアイデアはレフ・ランダウによる論文のフェルミ液体が起源である。これは元は液体ヘリウム3の研究のため発明された。この系での準粒子と場の量子論における衣を着た粒子の概念の間には強い類似性が存在する。ランダウ理論の力学は平均場型の運動論的方程式によって定義される。これに類似する方程式とし...
12 KB (1,792 words) - 15:05, 20 July 2022
る。また、ボース粒子のエネルギー分布はボース・アインシュタイン分布、フェルミ粒子のエネルギー分布はフェルミ・ディラック分布となる。フェルミ粒子においてはパウリの排他原理により、絶対零度においても古典論では数万 Kにも相当するような大きなエネルギーを持つ粒子が存在するが、これは、エネルギーを上式のk...
25 KB (3,891 words) - 13:29, 14 September 2024
定点として利用されている。国際温度目盛1990年改訂 (ITS-90) ではスズ、アルミニウム、金、銀などの凝固点が採用されている。融点から沸点の間で液体状になった金属、または狭義では室温付近で液体状になる金属を液体金属という。 金属は一般には硬いものとしてイメージされ、ひっかき硬さなどの意味に置い...
47 KB (6,670 words) - 18:11, 5 December 2024
のりお、1958年1月21日 - )は、日本の物理学者。京都大学理学部名誉教授。工学博士(大阪大学、1986年)。岡山県美星町生まれ。 専門は凝縮系物性理論。特に、フェルミ液体論を適用できない低次元電子系の理論。 素粒子物理学者の梁成吉と共に、従来の朝永・ラッティンジャー模型では扱えなかった強相関1次元電子系に共形場理...
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超流動 (section 液体ヘリウム4の超流動)
Tiszaによって提案された超流動の二流体モデルの理論的基礎を与えた。ニコライ・ボゴリューボフは1947年に相互作用のあるボース気体について論じている。オリバー・ペンローズは非対角長距離秩序という概念を1951年に導入した。 ^ 液体ヘリウムの超流動 東京大学 低温科学研究センター ^ 超流動ヘリウム4 大阪市立大学 大学院理学研究科...
10 KB (1,337 words) - 07:23, 18 July 2024
また、量子力学は物性物理学の理論的な道具を提供した。凝縮系物理学では誘電体、半導体、金属、超伝導、超流動、磁性体といった現象、物質群を含む固体と液体の物理的振る舞いを研究する。凝縮系物理学の先駆者であるフェリックス・ブロッホは、結晶構造中の電子の振る舞いの量子力学的記述を1928年に生み出した。...
23 KB (3,183 words) - 12:04, 18 February 2024
代では唯物論寄りのものと見なされることが多いが、その一方で彼らは物質的存在の内に生命力を見出していた。 デモクリトスは原子論を、プラトンは有機体論を、アリストテレスは質料形相論を提示した。これら、紀元前400年から紀元前300年ころにかけて提示された競合的な理論は、この時代にしてすでに、その後の時...
29 KB (4,438 words) - 04:29, 19 July 2024
宇宙人 (section フェルミのパラドックス)
2002年)では、地球は何度か異星人に征服されており、生きている巨大宇宙船なども登場する。 「はたしてこの宇宙に知的生命は存在するか」という疑問をめぐっては、物理学者エンリコ・フェルミによる「フェルミのパラドックス」がよく知られている。つまり、ドレイクの方程式のパラメータをある程度科学的に合理的なもので仮定すると、地球人と接触可能な地球...
32 KB (5,033 words) - 13:28, 4 January 2025
フェルミ粒子に分けられる。このうちのボース粒子はボース統計にしたがい、同種粒子は位置以外の区別がなく、複数の粒子が同じエネルギー状態をとりうる。ボース気体でボース=アインシュタイン凝縮(BEC)が生じる機構は次のように説明される。室温ではマクスウェル...
41 KB (5,977 words) - 07:12, 19 November 2024
フェルミ気体と呼ばれる統計的振る舞いを示す。詳しくはボース=アインシュタイン凝縮を参照。 気体は液体とともに流体であるが、分子の熱運動が分子間力を上回っており、液体の状態と比べ、原子または分子がより自由に動ける。通常では固体や液体...
46 KB (6,394 words) - 04:32, 19 July 2024
フェリシアン化カリウム - フェリ磁性 - フェルキン-アーンのモデル - フェルプスドッジ - フェルミウム - フェルミエネルギー - フェルミ準位† - フェルミ速度† - フェルミ面 - フェルミレベル† - フェレドキシン - フェロアロイ - フェロイン† - フェロクロム - フェロ磁性†...
202 KB (16,266 words) - 01:20, 2 November 2024
超伝導は、日常では扱わない低温でしか発生しない現象で、その冷却には高価な液体ヘリウムが必要なことから、社会での利用は特殊な用途に限られていた。 20世紀末にようやく上限温度(転移温度)が比較的高く安価な液体窒素で冷却できる高温超伝導体が相次いで発見されてから一般への認知も大きく進んだ。今...
28 KB (3,938 words) - 09:46, 3 November 2024
電気伝導度の低い気体元素で<10–18 S•cm–1、最も高いグラファイトで3 × 103の伝導度を示す。 ^ ゴールドハマー・ハーツフェルド基準とは、固体もしくは液体の元素において、ある位置に置かれた個々の原子の価電子を保持している力と、その同一の電子に対して作用している原子間の相互作用によって生...
145 KB (16,617 words) - 04:11, 13 November 2024
ジョン・フォン・ノイマン (category エンリコ・フェルミ賞受賞者)
フェルミだが、ある時二人は流体力学に関してちょっと変わった競争形式の議論を行っていて、それはめいめいが問題となっている事柄を一番速く解こうとするものであった。しかしフォン・ノイマンの稲妻のような分析能力に太刀打ちできる者はやはりなく、彼が常に勝ちを収め、かの天才フェルミであってもそれは例外ではなかった。...
57 KB (7,782 words) - 23:05, 6 December 2024
量子統計力学 (section ボース粒子・フェルミ粒子)
液体4Heのように粒子数が保存されるボース粒子の集団の場合、極低温ではボース・アインシュタイン凝縮が起こることも量子統計力学の特徴のひとつである。 多粒子系や格子振動などの問題で、古典統計力学ならばマクスウェル・ボルツマン分布が登場するところをすべて、フェルミ粒子系の場合(電子や3He)はフェルミ...
15 KB (2,153 words) - 20:18, 22 September 2024
ゼロ音波(ゼロおんぱ、英: zero sound)とは、相互作用のあるフェルミ粒子系に特有の量子力学的な音波のこと。1957年にレフ・ランダウの提唱したフェルミ液体論から導かれる。 相互作用するフェルミ粒子系での通常の音波(第一音波)は、高温では準粒子間の衝突が頻繁に起き、常に局所的な熱平衡状態が成...
2 KB (274 words) - 09:42, 30 January 2018
レオ・シラード (category アメリカ物理学会フェロー)
フェルミの頭にもひらめいていた。シラードはイジドール・ラビとともにフェルミに連鎖反応の実験を促したものの、フェルミは実現の可能性は 10 %程だとし、気乗りしてはいなかった。ラビは「それで死ぬかもしれないのなら、10 %は僅かな可能性ではない」としてフェルミ...
110 KB (15,938 words) - 03:56, 2 December 2024
ファンデルワールス力 フィッツジェラルド=ローレンツ収縮 フェリ磁性 フェロ磁性 フェルマーの原理 フェルミ フェルミエネルギー フェルミ縮退 フェルミ=ディラック統計 フェルミ分布関数 フェルミ面 (フェルミ速度) フェルミ粒子 (フェルミオン) フォトン (光子) フォノン フォノンバンド 不確定性原理...
32 KB (3,211 words) - 14:33, 2 May 2024
を気体分子運動論の立場から演繹することを目的としてルートヴィッヒ・ボルツマン、ジェームズ・クラーク・マクスウェル、ウィラード・ギブズらによって始められた。理想気体だけでなく、実在気体や、液体、固体やそれらの状態間の相転移、磁性体、ゴム弾性などの巨視的対象が広く扱われる。 統計力学では、膨大な数(典型的にはアボガドロ数...
14 KB (2,109 words) - 16:40, 9 December 2024
- サティエンドラ・ボースがアインシュタインにより翻訳された論文でボース分布関数を導入する。 1926年 - エンリコ・フェルミとポール・ディラックがフェルミオンに対してフェルミ・ディラック分布を導入する。 1927年 - ジョン・フォン・ノイマンが密度行列表現を導入し、量子統計力学を確立する。 1928年...
19 KB (2,641 words) - 18:18, 24 November 2024
物性物理学(ぶっせいぶつりがく)は、物質のさまざまな巨視的性質を微視的な観点から研究する物理学の分野。量子力学や統計力学を理論的基盤とし、その理論部門を物性論(ぶっせいろん)と呼ぶことも多い。これらは日本の物理学界独特の名称であるが、しばしば凝縮系物理学に比定される。狭義には固体物理学を指し、広義には固体...
10 KB (1,321 words) - 19:49, 22 September 2024
とは、惑星がその表面に液体の水を持つ、恒星の周囲の理論上の空間である。液体の水は地球の全ての生態系にとり不可欠だとみなされており、エネルギー源の次に、生命の最も重要な要素だと考えられている。ただ、これは水に依存する種にたいする偏見であるかもしれず、もし水を必要としない生命が存在し得る(例えば、代わりに液体...
64 KB (10,183 words) - 16:14, 1 January 2025
オランダ (1900 - 1988) ---電子のスピンの発見 ヴェルナー・ハイゼンベルク - ドイツ (1901 - 1976) ---行列力学、不確定性原理 エンリコ・フェルミ - イタリア (1901 - 1954) ---フェルミ・ディラック統計、ベータ崩壊、原子炉 フランコ・ラゼッティ - イタリア...
29 KB (2,799 words) - 11:12, 19 April 2023
原子核ではすべてほぼ同じであるというものがあり、これは液体の滴に似ている。液滴模型では、原子核を非圧縮性の流体の液滴として扱い、核子は液体中の分子のように振る舞う。このモデルはジョージ・ガモフによって最初に提案され、その後ニールス・ボーア、ヴェルナー・ハイゼンベルク、カール・フリードリヒ・フォン・ヴ...
29 KB (4,010 words) - 06:15, 29 June 2024