• 数学におけるバナッハ空間バナッハくうかん、英: Banach space; バナハ空間)は、完備なノルム空間、即ちノルム付けられた線型空間であって、そのノルムが定める距離構造が完備であるものを言う。 解析学に現れる多くの無限次元函数空間、例えば連続函数の空間(コンパクトハウスドルフ空間上の連続写像の空間)、...
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  • 数学の、特に関数解析学の分野におけるバナッハ環(バナッハかん、英: Banach algebra; バナッハ代数、バナッハ多元環、バナッハ線型環)は、完備ノルム体(ふつうは実数体 R または 複素数体 C)上の結合多元環 A であって、バナッハ空間(ノルムが存在し、ノルムの誘導する位相(ドイツ語版)に関して完備)ともなる。バナッハ代数におけるノルムは乗法に関して...
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  • 数学におけるハーン–バナッハの定理(ハーン–バナッハのていり、英: Hahn–Banach theorem)は、関数解析学の分野における中心的な道具で、ベクトル空間の部分空間上で定義される有界線形汎関数が全空間へ拡張できることについて述べたものである。これにより、どのようなノルム線形空間...
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  • ステファン・バナッハ(ポーランド語: Stefan Banach [ˈstɛfan ˈbanax] ( 音声ファイル), 1892年3月30日 - 1945年8月31日)は、ポーランドの数学者。バナッハ空間論、実解析論、関数解析学、数学基礎論などで多大な業績をのこした。ワルシャワ学派、クラクフ学派...
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  • の上限(上限ノルム)として定義される。これにより双対空間 V′ はノルム空間となる。ノルム空間上の連続線型汎函数に関する重要な定理に、ハーン–バナッハの定理がある。 多くのノルム空間(特にバナッハ空間)の定義として、まずベクトル空間上に半ノルムを定義して、それから半ノルム 0 の元の成す部分空間による商空間としてノルム空間を作るという方法が見られる。例えば、Lp-空間は...
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  • の例である。双対概念である直積(英語版)と対照をなす。 この構成の最もよく知られた例はベクトル空間(体上の加群)やアーベル群(整数環 Z 上の加群)を考えるときに起こる。構成はバナッハ空間やヒルベルト空間をカバーするように拡張することもできる。 まずこれら二つについて、対象が二つだけの場合と仮定し...
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  • は連続であるものと仮定される。特に、(位相的)双対空間 V∗ は連続汎函数 V → R (or C) からなるものとする。基礎を成すハーン-バナッハの定理は、適当な位相線型空間を連続汎函数によって部分空間に分けることに関係するものである。 ステファン・バナフの導入したバナッハ空間とは、完備ノルム空間のことである。一つの例として、...
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  • によると初めて導入されたのは Riesz (1910) とされている。Lp 空間は関数解析学におけるバナッハ空間や、線型位相空間の重要なクラスを形成する。物理学や統計学、金融、工学など様々な分野で応用されている。 n-次元実数ベクトル空間 Rn 内のベクトル x ≔ (x1, x2, …, xn) の長さは、通常、次のユークリッドノルム...
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  • 上の汎関数へと写す。ハーン-バナッハの定理に従い、J はノルム保存(すなわち、||J(x)|| = ||x||)であるため、単射である。J が全単射であるとき、空間 X は回帰的であると言われる(これはすなわち、回帰的なノルム空間バナッハ空間であることを意味する。なぜならば X は完備空間 X ′′ と等長であるからである)。空間...
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  • 完備なノルム空間であるという点で、定義によりヒルベルト空間バナッハ空間でもある。これらは位相線型空間であり、開集合や閉集合といった位相的概念を定めることができる。特に重要になるのが、ヒルベルト空間の閉部分空間の概念である。完備距離空間の閉部分集合は(そこへ距離を制限すれば)それ自身完備距離空間...
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  • フレシェ空間の位相構造は、バナッハ空間のと比べてノルムがない分だけより複雑なものではあるけれども、ハーン・バナッハの定理や開写像定理、バナッハ・シュタインハウスの定理などの関数解析学における重要な結果の多くが、フレシェ空間においてもやはり成り立つ。 無限階微分可能な関数の成す空間などは、フレシェ空間の典型例である。...
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  • 位相ベクトル空間(topological vector space) 係数体 K 自身は K 上 1 次元の線型位相空間を与えている。実・複素線型位相空間のより非自明な例としてルベーグ p-乗可積分関数の空間 Lp(R) (1 ≤ p ≤ ∞) などのバナッハ空間、とくにヒルベルト空間である自乗可積分な関数の空間...
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  • ハーン-バナッハの定理 ソボレフ不等式 ポアンカレ不等式 フリードリヒの不等式 ベッセルの不等式 バナッハの不動点定理 ブラウワーの不動点定理 無限次元空間における不動点定理 バナッハ空間 バナッハ空間の一覧 ヒルベルト空間 ソボレフ空間 ハーディ空間 コンパクト作用素 ヒルベルト空間上のコンパクト作用素...
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  • 任意の可分距離空間は、単位閉区間 [0, 1] 上の実数値連続函数全体が上限ノルムに関して成す可分バナッハ空間 C([0, 1]; R) の部分空間に等長である。これはステファン・バナフが示した (Heinonen 2003)。 任意の可分距離空間はウリゾーン普遍空間(ある種の等質性を持つ完備可分空間)の部分集合に等長である。...
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  • の次元)の和に等しいことを言うものである。 線型作用素 T: V → W の余核は商空間 W/im(T) として定義される。 X がバナッハ空間で M が X の閉部分空間ならば商空間 X/M は再びバナッハ空間をなす。商空間がベクトル空間の構造を持つことは既に見た。X/M のノルムは ‖ [ x ] ‖ X /...
    8 KB (1,288 words) - 06:08, 18 September 2021
  • A がそれぞれ行空間、列空間および零空間を表すとき、 (Row A)⊥ = Null A (Col A)⊥ = Null tA が成立する。 一般のバナッハ空間においても直交補空間と呼べる概念を自然に考えることができる。V∗ を V の双対空間とするとき、この場合の W の直交補空間は、上と同様に零化域...
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  • AP)が一般のバナッハ空間においても正しいかどうかということは長年未解決の問題であったが、エンフロによって反例が与えられ否定的に解決された。 コンパクト作用素の理論の始まりは、積分方程式の理論の中にあり、そこでは積分作用素がそのような作用素の具体的な例を与える。典型的なフレドホルム方程式は函数空間上のコンパクト作用素...
    10 KB (1,465 words) - 03:42, 24 October 2020
  • ジャン・ブルガン (category イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の教員)
    年までフランス高等科学研究所、1985年から2006年までイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で教鞭をとり、現在はニュージャージー州のプリンストン高等研究所で研究を行っている。 彼の研究は解析学の様々な分野に及び、バナッハ空間の幾何学から調和解析、解析的整数論、組合せ数学、エルゴード理論、偏微分方程式までを手がけた。業績にFourier...
    4 KB (210 words) - 13:16, 9 November 2023
  • 明らかに任意のバナッハ空間およびフレシェ空間は F-空間である。特に、バナッハ空間は d(αx, 0) = |α|⋅d(x, 0) なる余計な条件までも満たす F-空間となる。 Lp-空間は、任意の p ≥ 0 に対して F-空間であり、p ≥ 1 ならば局所凸、したがってフレシェ空間であり、実際バナッハ空間ですらある。...
    4 KB (568 words) - 21:42, 17 August 2017
  • その空間はノルム空間である。 V がバナッハ空間であるなら、B(U,V) もまたバナッハ空間となる。 上の性質より、双対空間バナッハ空間となる。 B(U,V) に含まれる任意の A の核は、U の閉線形部分空間である。 B(U,V) がバナッハ空間で U が非自明な空間なら、V はバナッハ空間となる。...
    10 KB (1,756 words) - 13:53, 16 February 2024
  • バナッハ代数と呼ばれる。このような代数の上にもスペクトル論は一般化することが可能である。バナッハ代数にさらに追加の構造を入れたC∗-環は量子力学において重要な役割を果たす。 バナッハ空間空間上の有界線型作用素の全体は標準作用素ノルムに関してバナッハ代数を成す。バナッハ代数の理論は、固有空間...
    13 KB (1,984 words) - 00:04, 12 February 2024
  • Mathematics)。専門は関数解析学(特にバナッハ空間論)と組み合わせ論。 業績として、組み合わせ論を関数解析学に応用し、多くの問題を解決した。特にバナッハ空間に関する等質問題の解決。シュレーダー・バーンシュタイン問題の解決。超平面問題の解決など。バナッハ空間における業績では類を見ないほどの業績を上げている。...
    4 KB (215 words) - 14:56, 11 December 2024
  • 空間、射影空間、可分空間、位相空間論、コルモゴロフ空間、ハウスドルフ空間、密着空間、商空間、双対ベクトル空間、ノルム線型空間、一様空間、線型位相空間、計量ベクトル空間、確率空間、コンパクト空間、線型部分空間バナッハ空間、連結空間、関数空間空間充填、情報幾何学、位相幾何学 空間...
    41 KB (6,185 words) - 13:37, 13 August 2024
  • フレシェ空間は、距離化可能かつその距離に関して完備であるような局所凸空間である。それらは、ノルムに関する完備ベクトル空間であるようなバナッハ空間の一般化である。 V を、複素数の部分体 K(通常は C 自身か、実数体 R)上のベクトル空間とする。局所凸空間は、凸集合あるいは半ノルムに関して定義される。...
    24 KB (3,507 words) - 17:31, 17 May 2022
  • ボホナー積分 (category 位相線型空間論)
    Bochner integral)は、サロモン・ボホナーに名を因む、(単函数の積分の極限としての)ルベーグ積分のバナッハ空間に値をとる函数への拡張である。 (X, Σ, μ) を測度空間、B をバナッハ空間とする。ボホナー積分はルベーグ積分とほとんど同じ方法で定義される。X 上の B-値単函数 s は、完全加法族...
    7 KB (1,122 words) - 12:24, 30 August 2022
  • 数学の分野におけるボホナー空間(ボホナーくうかん、英: Bochner space)とは、必ずしも実数の空間 R あるいは複素数の空間 C とは限らないバナッハ空間に値を取る関数への、Lp空間の概念の一般化である。 ボホナー空間 Lp(X) は、バナッハ空間 X に値を取るボホナー可測関数 f で、そのノルム...
    5 KB (767 words) - 12:24, 30 August 2022
  • 有限次元ベクトル空間はすべて核型である (有限次元ベクトル空間上の作用素はすべて核作用素なので). 核型となるバナッハ空間は, 有限次元のものを除いて存在しない.実際にはこれのある種の逆がしばしば成り立つ:もし「自然に現れる」位相ベクトル空間バナッハ空間でなければ, それが核型となる可能性が大いにある...
    15 KB (2,337 words) - 23:07, 18 July 2022
  • 空間ではない。 フレシェ空間、特にバナッハ空間は、樽型である。しかし一般にノルム線型空間は樽型とは限らない。 モンテル空間は樽型である。したがって、モンテル空間の強双対は(それらもモンテル空間であるため)樽型である。 ベール空間であるような局所凸空間は、樽型である。 連続双対...
    5 KB (680 words) - 20:35, 28 July 2017
  • バナッハ空間における定義はアレクサンドル・グロタンディークによって与えられた。この記事では、一般的なバナッハ空間上の核作用素について扱う。より重要な、ヒルベルト空間上の核作用素(すなわち、トレースクラス作用素)については、トレースクラス作用素の記事を参照されたい。 ヒルベルト空間 H {\displaystyle...
    6 KB (935 words) - 23:44, 11 October 2021
  • フレシェ微分 (category バナッハ空間)
    バナッハ空間上で定義される微分法の一種である。フレシェ微分は、実一変数の実数値函数の導函数を、実多変数のベクトル値函数の場合へ一般化するのに広く用いられ、また変分法で広範に用いられる汎函数微分を定義するのにもつかわれる。 一般に、これは実一変数実数値函数の微分の概念をバナッハ空間...
    14 KB (2,550 words) - 20:33, 28 July 2023
  • マズールの補題 (category バナッハ空間)
    lemma)はバナッハ空間の理論における結果の一つであり、バナッハ空間で弱収束する任意の列に対して、列の要素の凸結合から作られる列であって同じ極限に強収束するようなものがとれることを主張する。この補題を使ってトネリの定理(英語版)を証明することができる。 (X, || ||) をバナッハ空間とし、 (un)n∈N...
    2 KB (332 words) - 15:02, 14 September 2021