Щ

キリル文字
А Б В Г Ґ Д Ѓ
Ђ Е Ё Ѐ Є Ж З
Ѕ И І Ї Й Ѝ Ј
К Ќ Л Љ М Н Њ
О П Р С Т Ћ У
Ў Ф Х Ц Ч Џ Ш
Щ Ъ Ы Ь Э Ю Я
非スラヴ系文字
Ӑ Ӓ Ә Ӛ Ӕ Ғ Ӷ
Ҕ Ӗ Ӂ Җ Ӝ Ҙ Ӟ
Ӡ Ӣ Ӥ Ҋ Ҡ Қ Ҟ
Ӄ Ҝ Ӆ Ӎ Ң Ӊ Ӈ
Ҥ Ө Ӧ Ӫ Ҧ Ҏ Ҫ
Ҭ Ҵ Ӳ Ӯ Ү Ұ Ӱ
Ҳ Ӿ Һ Ҷ Ӌ Ҹ Ӵ
Ҩ Ҽ Ҿ Ӹ Ҍ Ӭ Ӏ
初期キリル文字
Ҁ Ѹ Ѡ Ѿ Ѻ Ѣ
Ѥ Ѧ Ѫ Ѩ Ѭ Ѯ Ѱ
Ѳ Ѵ Ѷ Ԁ
キリル文字一覧

Щ, щ は、キリル文字のひとつ。音価は言語によって異なる。

名称

[編集]

発音についての詳細は#音声参照。

音声

[編集]
  • ロシア語では古くは /ɕtɕ/サンクトペテルブルク風発音とされる)、現代では /ɕ/モスクワ風発音とされ現代の標準的な発音。シ・シではなく長く鋭いシの発音)。
  • ウクライナ語では /ʃtʃ/ш+ч に相当)。
  • ブルガリア語では /ʃt/ш+т に相当)を表す。

アルファベット上の位置

[編集]

ロシア語の第27字母、ウクライナ語の第30字母、ブルガリア語の第26字母である。

日本語への転写

[編集]

ボルシチ (борщ)、フルシチョ (Хрущёв) などは、ロシア語の上記古い発音(サンクトペテルブルク発音)による音写とされる。このように、日本語では通常古い発音に沿った表記が用いられ「シシ」で表記されることはほとんどない。

ロシア語の転写としては「シチ」で表記するのが主流で、例外は少ない。近年になって「シシ」や「シ」での表記例が数例確認されているだけである。これらの例も、誤解や一個人の方針で決定されている場合が多く、今後主流になるという兆しはない。

ウクライナ語、ブルガリア語の呼称としてしばしば「シチャー」「シター」と書かれる。

Щ に関わる諸事項

[編集]
  • ベラルーシ語では用いられない。
  • ロシア語はあまり方言差がないことで知られるが、その中では方言差が顕著に現れる文字である。ウクライナ訛りのロシア語、ベラルーシ訛りのロシア語では「シュチャー」で発音されることが少なくない。
  • ウクライナ語では、方言差によって /ʃʲʃʲ/(ロシア語のモスクワ発音と同じ)や /ʃʃ/ш+ш に相当)と発音されることもある。
  • ロシア語では、сч でも同じ発音を表すことになる(例:счастливый の発音は щастливый に等しい)。
  • ウクライナ語ではロシア語で сч で表される部分を щ で表す場合が多い(例:ロシア語の счастливый に相当するウクライナ語の単語は щасливий である)。

符号位置

[編集]
大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Щ U+0429 1-7-27 Щ
Щ
щ U+0449 1-7-75 щ
щ