こわれもの
『こわれもの』 | ||||
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イエス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ロンドン、アドヴィジョン・スタジオ(1971年9月) | |||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | アトランティック・レコード | |||
プロデュース | イエス、エディ・オフォード | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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イエス アルバム 年表 | ||||
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ミュージックビデオ | ||||
「Roundabout」 - YouTube |
『こわれもの』(Fragile)は、イングランドのプログレッシブ・ロック・バンド、イエスが1971年に発表した4作目のアルバム。
解説
[編集]ストローブスのリック・ウェイクマンを迎えて、後に黄金期メンバーと呼ばれるラインナップが発表した最初の作品。バンドが演奏する4曲とメンバーのソロの5曲から構成されている。
ウェイクマンが作曲者に名を連ねていないのは、ストローブスのメンバーとしてA&Mレコードと結んだ契約がまだ残っていたからだった。彼は権利関係の問題が起きることを危惧して、メンバーの協力を得て録音した自作「ハンドル・ウィズ・ケア」をソロ作品として収録することを諦めざるを得ず、代わりにブラームスの交響曲第4番第3楽章をキーボードで多重録音した「キャンズ・アンド・ブラームス」を収録した[3][注釈 1]。
本作のレコーディングは、数日の休日を除いて毎日16時間の労働で4週間から5週間かけて行なわれた[4]。ウェイクマンの談によれば、アルバム名はレコーディング中のバンドの状態から名づけられた。
本作は、ロジャー・ディーンがジャケット・デザインを担当した最初のイエスのアルバムである。
収録曲
[編集]- A面
- ラウンドアバウト - "Roundabout" (アンダーソン、ハウ)
- シングルカットされ、全米13位を記録。
- ビデオゲーム「GTA5」のLos Santos Rock Radio,2012年日本のテレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマなどにも使用される。
- キャンズ・アンド・ブラームス (交響曲第4番ホ短調第3楽章) - "Cans and Brahms" (ブラームス)
- 天国への架け橋 - "We Have Heaven" (アンダーソン)
- ジョン・アンダーソンのボーカルの多重録音。
- 南の空 - "South Side of the Sky" (アンダーソン、スクワイア)
- B面
- 無益の5% - "5% for Nothing" (ブルーフォード)
- ビル・ブルーフォード作曲の32小節の小曲で、バンド演奏をしている。このタイトルは、前任のマネージャーに支払い続けなければならないロイヤリティについての皮肉。
- 遥かなる想い出 - "Long Distance Runaround" (アンダーソン)
- ザ・フィッシュ - "The Fish (Schindleria Praematurus)" (スクワイア)
- ムード・フォー・ア・デイ - "Mood for a Day" (ハウ)
- 前作での「クラップ」に続くスティーヴ・ハウのアコースティック・ギター・ソロ。
- 燃える朝やけ - "Heart of the Sunrise" (アンダーソン、スクワイア、ブルーフォード)
再発盤
[編集]リマスター盤
[編集]2003年にCDのリマスター盤が発売された。音質の向上が図られている他、「アメリカ」と「ラウンドアバウトのアーリー・ラフ・ミックス版」が追加収録されている。
ティム・ウェイドナーによる5.1ch.サラウンド盤
[編集]2002年にDVD-Audioでリリースされている[注釈 2]。『マグニフィケイション』でイエスと共同プロデュースを担当したティム・ウェイドナーのリミックスにより5.1chでマルチ・サラウンド化され、さらに96kHz/24bitでマスタリングされているためCDより高音質で聴く事が出来る。尚、ドルビーデジタルやdts音声も収録されているので、DVD-Audioに対応していないプレイヤーでも再生は可能。ボーナス・トラックとして「アメリカ」が収録されている。2011年には、DVD-Audioと同一のマスターをDSDに変換した音源が使用されたハイブリッドSACD(品番:WPCR-14167)がリリースされた。なお、1970年代のイエスのアルバムのマルチ・サラウンド盤は、この後2013年にリリースされた『危機』まで存在しなかった。
スティーヴン・ウィルソンによる5.1ch.サラウンド盤
[編集]2015年にブルーレイ・オーディオでリリースされている。ミックスはスティーヴン・ウィルソン。2015年にミックスされた24bit/96kHzのサラウンド及びステレオ・トラックの他、上記の2002年盤サラウンド、24ビット/192kHzに変換されたオリジナル・ステレオミックス、LPを再生して24/96に変換したニードルドロップ盤音声トラック等も同時収録されている。紙ジャケット仕様。オリジナルLPに付いていたフォト・ブックも縮小サイズで同封されている[注釈 3]。
レコーディング・メンバー
[編集]- ジョン・アンダーソン – ボーカル
- スティーヴ・ハウ – ギター、ボーカル
- クリス・スクワイア – ベース・ギター、ボーカル、ギター
- リック・ウェイクマン – ハモンドオルガン、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、ハープシコード、メロトロン、ミニモーグ
- ビル・ブルーフォード – ドラムス、パーカッション
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「ハンドル・ウィズ・ケア」には幾つかのパートが追加録音されて、ウェイクマンのソロ・アルバム『ヘンリー八世の六人の妻』の1曲目の収録曲「アラゴンのキャサリン」になった。
- ^ レーベルはRHINO。日本ではワーナー・ミュージック・ジャパンからリリースされた。品番はAMAY-10018。
- ^ レーベルはPANEGYRIC。品番はGYRBD50009。
出典
[編集]- ^ ChartArchive - Yes - Fragile
- ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成元年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.73
- ^ Morse (1996), p. 29.
- ^ Morse (1996), p. 27.
引用文献
[編集]- Morse, Tim (1996). Yesstories: Yes in Their Own Words. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-14453-9