はたらく一家
『はたらく一家』(はたらくいっか)は、1938年に発表された徳永直の小説及び1939年の映画化作品である。
概要
[編集]初出は、雑誌『自由』の1937年8月号。その後短編集『はたらく一家』(吉田貫三郎装幀、三和書房、1938年11月)に収録される。映画化の後、収録作品をいくつか入れ替え、桜井書店版(柳瀬正夢装幀、1941年4月)が刊行されている。この桜井書店版は、1946年に再版された。1948年には収録作品をいくつか差し替えて、新潮文庫として刊行されている。
評価
[編集]中島健蔵は、1937年7月の『報知新聞』の文芸時評でこの作品をとりあげ、「どうにもならない生活苦に対する少年の反抗と、その反抗が容易に通らない経緯が、例の通り極めて着実な書き方でびしびしと盛られている。私は、この小説を今月第一の作として推す」と評した。
坂口安吾は、桜井書店版の再版を読んで、1947年発表の「通俗と変貌と」と題するエッセイで、「これも、やつぱり、読物だ」「読まれることは当然なのだがそれを文学だと思つてはいけない。」と評した[1]
映画
[編集]はたらく一家 | |
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監督 | 成瀬巳喜男 |
脚本 | 成瀬巳喜男 |
原作 | 徳永直 |
出演者 | 徳川夢声 本間敦子 生方明 伊東薫 |
音楽 | 太田忠 |
撮影 | 鈴木博 |
編集 | 岩下広一 |
製作会社 | 東宝映画 |
配給 | 東宝映画 |
公開 | 1939年3月11日 |
上映時間 | 65分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
1939年3月11日に日本劇場で公開された日本映画。製作は東宝映画。モノクロ。上映時間は65分。
スタッフ
[編集]- 原作:徳永直
- 音楽:太田忠
- 演奏:P.C.L.管弦楽団
- 撮影:鈴木博
- 美術:松山崇
- 録音:下永尚
- 照明:岸田九一郎
- 編集:岩下広一
- 製作担当者:大岩弘明
- プロデューサー:武山政信
- 脚本、監督:成瀬巳喜男
キャスト
[編集]- 石村(職工):徳川夢声
- 石村ツエ(女房):本間敦子
- 石村希一(長男):生方明
- 石村源二(次男):伊東薫
- 石村昇(三男):南青吉
- 石村栄作(四男):平田武
- 石村幸吉(五男):阪東精一郎
- 石村ヒデ(長女):若葉喜世子
- 小川先生:大日方伝
- 光子(喫茶店の娘):椿澄枝
- 工場の組長:真木順
- 職工:藤輪欣司
出典
[編集]- ^ 『書評』(第2巻第1号、1947年1月1日)