ひずみエネルギー
ひずみエネルギー (Strain energy) とは弾性体に外力が仕事をした場合、弾性体に蓄えられるエネルギー。単軸引張状態では、応力σ、ひずみεが生じている体積V の物体に蓄えられるひずみエネルギーU は、
となる。
棒材のひずみエネルギー
[編集]全長 の弾性体に作用する外力やモーメントを、軸力 、曲げモーメント 、せん断力 とすると、ヤング係数 、断面積 、断面二次モーメント 、せん断弾性係数 、形状係数 の部材に蓄えられるひずみエネルギー は、
で与えられる。
トラス
[編集]トラス構造では、主に作用するのは軸力なので、部材数 m の場合
梁
[編集]梁構造では、主に作用するのは曲げモーメントとせん断力であるから、
補足ひずみエネルギー
[編集]次式で定義されるUC を、補足ひずみエネルギーまたはコンプリメンタリひずみエネルギー(complementary strain energy)という。
上式の括弧の中は補足ひずみエネルギー密度関数と呼ばれる[1]。線形弾性体では UC = U であるが、高分子などの非線形弾性体では両者は異なる。
脚注
[編集]- ^ 野田直剛; 谷川義信; 須見尚文; 辻知章『基礎弾性力学』(8版)日新出版、1999年、39頁。ISBN 4-8173-0146-5。