アメリカインド太平洋軍

アメリカインド太平洋軍
アメリカインド太平洋軍の記章
創設	1947年1月 (アメリカ太平洋軍)
再編成	2018年5月30日 (アメリカインド太平洋軍)
所属政体	アメリカ合衆国
所属組織	アメリカ軍
部隊編制単位	地域別統合軍 軍管区
所在地	ハワイ州 キャンプ・H・M・スミス
上級単位	アメリカ軍
特記事項	INDOPACOM
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アメリカインド太平洋軍^[1]（アメリカインドたいへいようぐん、英語：United States Indo-Pacific Command^[2]、略称：USINDOPACOM^[2]）は、アメリカ軍が有する9つの統合軍のうちの一つで、統合軍の中でも最も古くから存在している。ハワイ州・オアフ島の海兵隊キャンプ・H・M・スミス （英語版）に司令部を置く。旧名称はアメリカ太平洋軍（英語：United States Pacific Command、略称：USPACOM）であったが、「自由で開かれたインド太平洋」の概念も受け、2018年5月30日にハリス海軍大将からデービッドソン海軍大将に司令官が交代すると同時に、現名称に変更された^[3][1][2]。

インド太平洋軍の指揮は、インド太平洋軍司令官（略称:CDRUSINDOPACOM）がこれを行う。インド太平洋軍司令官には代々海軍大将が就任しており、インド太平洋軍の担当地域内で活動するアメリカ合衆国軍の各種部隊に対して最上位の軍事指揮権を持つ。インド太平洋軍司令官よりも上位の指揮権を持つのは、アメリカ軍の最高司令官である合衆国大統領、および統合参謀本部の助言を受けた国防長官の2人のみである。現任司令官はジョン・アキリーノ（英語版）海軍大将（2021年4月30日 - ）。

アメリカインド太平洋軍の主な戦力は太平洋陸軍、太平洋海兵隊、海軍太平洋艦隊、太平洋空軍およびインド太平洋宇宙軍であり、いずれの司令部もホノルルにある。また各構成部隊は担当区域内全域に駐留している。

担当エリアは、適時見直しが行われているが、概ね太平洋・インド洋方面であり、オセアニア・東アジア・南アジアである。担当エリア内における同盟国（安全保障条約締結国）として、フィリピン（米比相互防衛条約　1952年締結）、オーストラリア及びニュージーランド（太平洋安全保障条約　1952年締結）、韓国（米韓相互防衛条約　1954年締結）、日本（日米安全保障条約　1960年締結）がある。インド太平洋軍に属していたアラスカ軍（ALCOM）は、2014年に北方軍隷下に変更された。

これに加えて、アメリカインド太平洋軍の担当地域には中華民国が含まれており、その防衛に関する事が台湾関係法により定められている。更に、東南アジア集団防衛条約（マニラ条約）に基づく東南アジア条約機構は1977年に解体されたものの、条約自体は今もなお廃止されておらず、アメリカ、フランス、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、およびフィリピンの間の同盟関係となっている^[4]。

アメリカの貿易総額の35％がアメリカインド太平洋軍の担当地域内に属しており、1998年の時点で5,480億ドル以上にのぼる。またアメリカインド太平洋軍は、その担当区域内にある中国、インド、ロシア、北朝鮮といった世界有数の軍事力を保有する国家を監視している。

アメリカインド太平洋軍は陸軍、海軍、空軍、、海兵隊および宇宙軍に属する約30万人の軍人を擁する統合軍である（これはアメリカ合衆国の全軍の現役兵力の約20％に相当する）。これらの軍は前進配備（約10万人）、前進基地、そして米国本土基地の3種類に分かれている。

紋章	部隊名	略称	司令官	創設	司令部	隷下部隊
	太平洋陸軍 統合軍陸上構成部隊	USARPAC	チャールズ・A・フリン陸軍大将	000000002000-10-01-00002000年10月1日	フォート・シャフター(ハワイ)	第8軍 第2歩兵師団 第１９遠征維持コマンド 第1軍団 第7歩兵師団 第25歩兵師団 在日米陸軍 第11空挺師団 第593遠征維持コマンド 第94陸軍防空・ミサイル防衛コマンド 第8戦域維持コマンド 第8憲兵旅団 第130工兵旅団 第311通信コマンド (戦域) 第1通信旅団 第516通信旅団 第18衛生コマンド 第9任務支援コマンド 第196歩兵旅団 第500軍事情報旅団 第5戦場調整分遣隊
	太平洋海兵隊	MARFORPAC	ウィリアム・ジャーニー海兵隊中将	000000001992-07-27-00001992年7月27日	キャンプH.M.スミス(ハワイ)	第1海兵遠征軍 第3海兵遠征軍 海兵隊基地キャンプ・ブレイズ 海兵隊ローテーション部隊 - ダーウィン
	太平洋艦隊 統合軍海上構成部隊	USPACFLT	サミュエル・パパロ海軍大将	000000001907-07-22-00001907年7月22日	パールハーバー・ヒッカム統合基地(ハワイ)	第3艦隊 第7艦隊 太平洋海軍航空部隊 太平洋海軍水上部隊 在日米海軍 在韓米海軍 マリアナ諸島統合海軍区 西太平洋輸送群 ハワイ海軍区
	太平洋空軍 統合軍航空構成部隊	PACAF	ケネス・S・ウィルスバッハ空軍大将	000000001944-08-03-00001944年8月3日	パールハーバー・ヒッカム統合基地(ハワイ)	第5空軍 第7空軍 第11空軍
	インド太平洋宇宙軍 統合軍宇宙構成部隊	SPACEFORINDOPAC	アンソニー・マスタリール宇宙軍准将	000000002022-11-22-00002022年11月22日	パールハーバー・ヒッカム統合基地(ハワイ)	在韓米宇宙軍 (暫定)

紋章	部隊名	略称	司令官	創設	司令部	隷下部隊
	在日米軍	USFJ	リッキー・ルップ空軍中将	000000001957-07-01-00001957年7月1日	横田飛行場(日本・東京都)	在日米陸軍 第5空軍 在日米海軍 第3海兵遠征軍
	在韓米軍	USFK	ポール・ラカメーラ陸軍大将	000000001957-07-01-00001957年7月1日	ハンフリーズ基地(大韓民国・平沢市)	第8軍 第7空軍 在韓米海軍 在韓米海兵隊 在韓米宇宙軍 (暫定) 在韓特殊作戦軍
	太平洋特殊作戦軍	SOCPAC	ジェロミー・B・ウィリアムズ海軍少将	000000001965-11-01-00001965年11月1日	キャンプH.M.スミス(ハワイ)

紋章	部隊名	略称	司令官	創設	司令部	隷下部隊
	太平洋統合情報センター	JIOC	マシュー・G・ラウ大佐	000000001983-01-01-00001983年1月1日	パールハーバー・ヒッカム統合基地(ハワイ)
	災害管理・人道支援センター	CFE-DM	ジョセフ・D・マーティン	1994年	パールハーバー・ヒッカム統合基地(ハワイ)

紋章	部隊名	略称	司令官	創設	司令部	隷下部隊
	西部統合捜査任務部隊	JIATF West	ロバート・P・ヘイズ沿岸警備隊少将	000000001989-02-10-00001989年2月10日	キャンプH.M.スミス(ハワイ)
	レッド・ヒル統合任務部隊	JTF-RH	ジョン・F・G・ウェイド海軍少将	000000002022-09-30-00002022年9月30日	レッド・ヒル地下燃料貯蔵施設(ハワイ)

• インド太平洋
• 自由で開かれたインド太平洋構想
• 安倍晋三^[3]
• アメリカ極東軍

1. ^ ^{a b} “米太平洋軍、「インド太平洋軍」に名称変更　新司令官就任” (日本語). 産経新聞. (2018年5月31日). オリジナルの2018年6月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180601025933/https://www.sankei.com/world/news/180531/wor1805310006-n1.html 2018年6月1日閲覧。 
2. ^ ^{a b c} “U.S. Indo-Pacific Command Holds Change of Command Ceremony” (英語). アメリカインド太平洋軍. (2018年5月30日). オリジナルの2018年6月1日時点におけるアーカイブ。. http://www.pacom.mil/Media/News/News-Article-View/Article/1535776/us-indo-pacific-command-holds-change-of-command-ceremony/ 2018年6月1日閲覧。 
3. ^ ^{a b} 日本放送協会. “自由で開かれたインド太平洋 誕生秘話”. NHK政治マガジン. トランプ政権で採用された日本発の外交構想は、着実に浸透していった。 象徴的だったのは、2018年5月30日。 当時のマティス国防長官が、ハワイで行われた「太平洋軍」の司令官の交代式で、名称を「インド太平洋軍」に変更すると明らかにし、インド洋の周辺国との関係を強化していく方針を示した。. 2022年7月17日閲覧。
4. ^ the U.S. State Department. “U.S. Collective Defense Arrangements”. 2016年7月20日閲覧。

• U.S. Indo-Pacific Command（公式サイト）

表 話 編 歴 アメリカインド太平洋軍 USINDOPACOM
太平洋陸軍	第25歩兵師団 第8継戦コマンド 第311通信コマンド 第94防空MDコマンド 第500軍事情報旅団
太平洋艦隊	第3艦隊 CTF-30 CTF-31 CTF-32 CTF-33 CTF-34 CTF-35 CTF-36 CTF-39 第7艦隊 CTF-70 CTF-71 CTF-72 CTF-73 CTF-74 CTF-76 CTF-79
太平洋空軍	第15空輸航空団 第36航空団
太平洋海兵隊	第1海兵遠征軍 第1海兵師団 第3海兵航空団 第1海兵兵站群（英語版） 第1海兵遠征旅団（英語版） 第11海兵遠征部隊（英語版） 第13海兵遠征部隊（英語版） 第15海兵遠征部隊（英語版） 第3海兵遠征軍 第3海兵師団 第1海兵航空団 第3海兵兵站群（英語版） 第3海兵遠征旅団（英語版） 第31海兵遠征部隊
インド太平洋宇宙軍	在韓米宇宙軍 (暫定)
在日米軍	在日米陸軍 第1軍団 前方司令部 在日米海軍 第7艦隊 日本派遣部隊 在日米空軍 第5空軍 第35戦闘航空団 第18航空団 第374空輸航空団
在韓米軍	第8軍 第2歩兵師団 第19戦域支援集団 第7空軍 第51戦闘航空団 第8戦闘航空団 在韓米海軍 在韓米海兵隊

表 話 編 歴 アメリカ軍の統合軍
地域別	アフリカ軍 北方軍 中央軍 欧州軍 インド太平洋軍 南方軍 宇宙コマンド
機能別	特殊作戦軍 戦略軍 輸送軍- サイバー軍
廃止	打撃軍 大西洋軍 即応軍 統合戦力軍 極東軍
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