イスラーム運動
イスラーム運動(イスラム運動)という用語は、一般的にイスラム主義またはイスラム教、あるいはいくつかの宗教的または政治的組織のいずれかを指すことができる。
解説
[編集]その一つは、民族の違いを乗りこえてイスラーム教徒であることをよりどころにして新しい国家を目指す運動であり、宗教運動の面が強い運動。
それに対して、アラブ人の文化の復興を通じて民族的な自覚を取り戻し、アラブ人国家の自立を目指していくアラブ文化復興運動(アラブの覚醒)であり、アラブ主義ともいわれる潮流があった。
また、同じアラブ人でも、国家の枠組みを重視して、民族や宗教という理念よりも、西欧国際社会に範を採った議会制を実現しようという、国民主義の潮流もあった。
近代以降のイスラーム世界は、この三つの潮流が複雑に絡み合いながら、互いに影響し合い、現在まで続いているということができる。それらの潮流の中から、現在の世界で最も強いインパクトの一つとなっているイスラーム原理主義が生まれてくることになる。