ウラジロノキ
ウラジロノキ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福島県会津地方 2012年5月 | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Micromeles japonica (Decne.) Koehne (1890)[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ウラジロノキ(裏白の木) |
ウラジロノキ(裏白の木[4]、学名: Aria japonica)はバラ科アズキナシ属の落葉高木。同科のナナカマド属に含められる場合もある。山地に生える。
分布と生育環境
[編集]北海道、本州、四国、九州に分布し[4]、山地から亜高山まで生育する。
特徴
[編集]樹高は20メートル (m) に達する。成木の樹皮は灰黒褐色で皮目が縦に連なり[4]、老木になると鱗片状にはがれる。若い枝は赤褐色、褐色または紅紫色で、はじめ葉裏や花序とともに白い綿毛が密生するが、のちにほぼ無毛となる[4]。短枝もよく発達する[4]。冬も小枝には白い毛が残る[4]。
葉は互生し、葉身は卵円形または広倒卵形で、長さ6 - 12センチメートル (cm) 、幅4 - 9 cm、先端は鈍頭または鋭頭、基部はくさび形から円形になり、縁は大型の重鋸歯がある。葉の裏面は白い綿毛が密生し、8 - 11対の側脈が目立ち、ほぼ直線的に斜上し縁に達する。葉柄は長さ1 - 2 cmあり、白い綿毛が密生する。
花期は5 - 6月[4]。枝先に複散房花序をだし、白色の花を多数つける。花の径は1 - 1.5 cm、小花柄は長さ5 - 7ミリメートル (mm) あり、白い綿毛が生える。萼片にも白い綿毛が密生し、長さ3 - 4 mm、花弁は円形で平開し、5枚、表面の基部に白い軟毛が生える。雄蕊は約20個、花柱は2個あり心皮は合着する。
果期は10 - 11月。果実はナシ状果で長さ9 - 14 mm、幅8 - 11 mmの倒卵状楕円形になり、皮目が目立ち、橙色に熟す。種子は4個あり、長さ5 - 8 mm、幅3 mmの卵状楕円形になる。果実は冬でも残ることがあり、また木の下に落ちていることもある[4]。
冬芽は芽鱗3 - 5枚に包まれた卵形で赤みがある[4]。枝の先につく頂芽は側芽よりも大きく、側芽は枝に互生する[4]。葉痕は突き出し、半円形や三日月形で基部が紅紫色をしており、維管束痕が3個つく[4]。
葉の裏が白いので、ウラジロノキ(裏白の木)という[4]。材は器具材、薪材などに利用される。
シノニム
[編集]- Sorbus japonica (Decne.) Hedl.
- Micromeles japonica (Decne.) Koehne
脚注
[編集]- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Micromeles japonica (Decne.) Koehne ウラジロノキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月6日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aria japonica Decne. ウラジロノキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月6日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Sorbus japonica (Decne.) Hedl. ウラジロノキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 163
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、163頁。ISBN 978-4-416-61438-9。