オットー・モーダーゾーン
オットー・モーダーゾーン Otto Modersohn | |
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ハインリヒ・フォーゲラーによるモーダーゾン一家、奥で立っているのが オットー・モーダーゾーン | |
生誕 | 1865年2月22日 プロイセン王国、ゾースト |
死没 | 1943年5月10日 ドイツ国、ローテンブルク |
オットー・モーダーゾーン(Otto Modersohn、1865年2月22日 - 1943年5月10日)はドイツの画家。妻は同じく画家のパウラ・モーダーゾーン=ベッカー。
人物
[編集]モーダーゾーンは、1865年に、ゾーストで生まれたドイツの画家です。1943年にフィッシャーフーデ近くのローテンブルク (ヴュンメ)で、亡くなりました。彼は、ドイツで一番有名な芸術家村であるヴォルプスヴェーデの創設者の一人でもありました。彼は、若い頃から、卓越した描写力を誇り、全生涯を画家として貫きました。彼は、多くの風景画に、その才能を表し、彼の作品は、19世紀にドイツで 描かれた最も美しい風景画のひとつと言われています。彼の作品も年を追うにつれて 変化してきていますが、初期のものは、印象派風で、後期のものには、表現派の影響が、見受けられます。ただ、彼自身は、そういった区分には、とらわれずに、ひたすら、絵を描き続けました。1930年代に数枚の花束の絵を描いた以外は、風景画、もしくは、風景の中の人物画を 多く残しました。彼は、自由でとらわれのない生き方をしました。20世紀初頭の国粋主義的な風潮の中で、外国人画家である、ゴッホの「けし畑」の絵をブレーメン美術館が、購入することを支持しました。この「ゴッホ事件」は、彼の芸術に対する真摯な思いと勇気を示しています。1907年に、オットー・モーダーゾーンの妻だったパウラ・モーダーゾーン=ベッカーがヴォルプスヴェーデで亡くなりました。彼は、1908年に、フィッシャーフーデに引越しました。
オットー・モーダーゾーンの履歴
[編集]1865 | ヴエストフアーレンゾーストで誕生。 |
1874 | ミュンスターに引越し。 |
1884 | デュッセルドルフ美術アカデミーで勉学。 |
1887 | 美術アカデミーの伝統主義からの離反。 |
1888 | ミュンヘンのガラス宮の第3回国際美術展を訪問。バルビゾン派の画家達、シャルル=フランソワ・ドービニー、ジュール・デュプレ、テオドール・ルソー、コロー、ミレー、等の影響を受ける。カールスルーエの美術学校でヘルマン・バイシュとグスタフ・シェーンレーバーの下で勉学。 |
1889 | フリッツ・マッケンゼンと共に7月にヴォルプスヴェーデへの最初の旅行。ミュンヘンから、ハンス・アム・エンデが、後に続く。オットー・モダゾーンが「ヴォルプスヴェーデ芸術家村」設立に関する決定的な言葉を述べる。 |
1893 | フリッツ・オーヴァーベックがヴォルプスウーデに来る。 |
1894 | オーヴァーベックの友人であるハインリヒ・フォーゲラーがヴォルプスヴェーデに加わる。 |
1895 | 春にブレーメン美術館で、最初のヴォルプスヴェーデの芸術家達の展覧会が開催される。秋には、ミュンヘンのガラス宮での 国際美術展で大成功を収める。 |
1896 | フリッツ・オーファーベックと共にフィッシャーフーデを見出す。ハインリヒ・ブレリング (1849-1914)との最初の 出会い。 |
1897 | ヘレーネ・シュレダー (1868-1900)と結婚。 |
1898 | 長女エルスッベット (1898-1984) の誕生。パウラ・ベッカーが(1876-1907)ヴォルプスウーデを来訪。 |
1899 | ヴォルプスヴェーデ芸術家協会から脱退。 |
1900 | パウラ・ベッカーとクララ・ヴェストホフのパリ滞在。万国博覧会開催をモーダーゾーンとオーバーベックがパリに訪問。妻ヘレーネがヴオルプスヴェーデで死亡。カール・ハウプトマンとの親交、ライナー・マリア・リルケとの意見交換。ハインリッヒ・フォーゲラーのバーケンホフで重要な時を過ごす。 |
1901 | 5月25日にパウラ・ベッカーと結婚。 |
1906 | 1903年と1905年以降、パウラは、オット・モーダーゾーンから離れる目的で、パリに留学。一時的な別れの後で、オットー・モーダーゾーンは、2・3ヵ月パリに滞在。 |
1907 | パウラと共にヴォルプスヴェーデに帰還。娘マチルデの誕生。11月20日にパウラ・モーダーゾーンーベッカー死亡。 |
1908 | フィッシャフーデに移転。 |
1909 | 4月14日にオラトリオ歌手のルイーズ・ブレリングと結婚。息子ウルリッヒ(1913-1943)、クリスティアン(1916-2009)の誕生。 |
1911 | オットー・モーダーゾーンは、カール・ビネンの論争を呼ぶ抗議書「ドイツ芸術家の抗議」に対してブレーメン美術館のゴッホの「ケシ畑」購入を「現代美術における最も刺激的な絵のひとつ」として擁護した。 |
1916 | フランケンでの最初の写生旅行。ヴェタイムを訪問。 |
1922 | 20年代の広大な芸術旅行をヴェタイムとウュツブルグでする。フリードリヒ・アーレス=ヘスターマン(Friedrich Ahlers-Hestermann)と親交。 |
1925 | アルゴイでの最初の夏の写生旅行。1926年、1927年、1929年にも滞在。 |
1930 | アルゴイのヒンデラング側のガイレンベアクに一軒の農家を取得。ここで彼は、1935年の夏まで絵を描く。彼の右目の病気の為、アルゴイでの滞在を余技なくされる。 |
1936 | オットー・モーダーゾーンは、もっぱら、アトリエ内で絵を描く。 |
1940 | ゲーテ賞の授与。 |
1942 | 名誉教授の称号を授与。オット・モーダーゾーンは、最後まで、フィッシャーフーデのアトリエで、絵を描く。 |
1943 | 3月10日に病気の為ローテンブルクの病院で死亡。 |
参考文献
[編集]- 伝記
- Kai Artinger: Otto Modersohns Langbehnsches Kunstideal, in: Strohmeyer/Artinger/Krogmann: Landschaft, Licht und niederdeutscher Mythos. Die Worpsweder Kunst und der Nationalsozialismus, VDG, Weimar 2000, ISBN 3-89739-126-0, Seite 117-130
- Bernd Küster: Modersohn, Otto. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 17, Duncker & Humblot, Berlin 1994, ISBN 3-428-00198-2, S. 598 f. (電子テキスト版).
- Marina Bohlmann-Modersohn: Otto Modersohn – Leben und Werk, Hrsg. von der Gesellschaft Otto Modersohn Museum. eV., Fischerhude 2005, ISBN 3-929250-05-5
- Christian Modersohn: Das Erbe meines Vaters – Zwei Leben für die Kunst. Otto Modersohn Museum (Hrsg.), Fischerhude 2005. (Hörbuch, Autobiografie und Biografie des Vaters Otto Modersohn.), ISBN 3-929250-06-3
- カタログ
- Im Kampf um die Kunst, Die Antwort auf den Protest deutscher Künstler, Otto Modersohn S. 62, München 1911
- Otto Modersohn - Zeichnungen 1880 - 1943, Hrsg. Dr.Ernst-Gerhard Güse, Verlag: Bruckmann München, 1988
- Otto Modersohn - Das Frühwerk 1884 - 1889, Hrsg. Otto Modersohn Museum, Verlag: Bruckmann München, 1989
- Otto Modersohn - In und um Münster 1884-1889, Hrsg. Gesellschaft Otto Modersohn Museum e.V., Fischerhude, Münster 1992, ISBN 3-929250-00-4
- Otto Modersohn - Fischerhude 1908-1943 Hrsg. Gesellschaft Otto Modersohn Museum e.V., Fischerhude, 1993, ISBN 3-929250-01-2
- Otto Modersohn und Louise Modersohn-Breling, Die Reisen nach Franken 1916-1927, Hrsg. Gesellschaft Otto Modersohn Museum e.V., Fischerhude 2001
- Van Gogh - Felder, Das Mohnfeld und der Künstlerstreit, Hrsg. von Wulf Herzogenrath und Dorothee Hansen, Kunsthalle Bremen, Ostfildern-Ruit : Hatje Cantz, 2002
- Paula Modersohn-Becker und Otto Modersohn: Ein Künstlerpaar um 1900, Hrsg. Heide Grape-Albers, Anke Spötter, Deutscher Kunstverlag Berlin/München 2007
- Otto Modersohn und seine Zeit, Hrsg. Galerie Neher, Essen 2010
ドキュメンタリー映画
[編集]- So weit und groß. Die Natur des Otto Modersohn, 監督:Carlo Modersohn, 脚本: Marina Bohlmann-Modersohn, 語り: Hanns Zischler, 製作: Otto Modersohn Museum, 76分, 2010年