オリフィスとは、薄い壁に開けた流体を流す小さな穴のことで、そのような穴をつけた薄板をオリフィス板 (英語 : orifice plate )と呼び、流量を板の位置で調節し、また測定にも使われる。一般には、流体を流す円管の中に置き、円盤や円筒の形をした絞りになっているが、測定に使う精密なものでは、形状や計測方法を JIS Z 8762 で定めている。高い圧力損失 を利用して、ショックアブソーバー などにも使われている。流体を流す穴の長さが、穴の断面積に対して比較的長いものはチョークと呼ばれ、オリフィスとは区別される。
直径 D {\displaystyle D} の円管よりも小さい 直径 d {\displaystyle d} のオリフィス板を入れると、ベルヌーイの定理 により下流側では圧力が下がる。この前後の圧力 差から流量 を求める。同じ原理を使用して流速を測るものにピトー管 がある。
流量Q [m3 /s] はオリフィス板前後の差圧 Δp [Pa] から次式で求められる:
Q = α ϵ A 2 Δ p ρ {\displaystyle Q=\alpha \epsilon A{\sqrt {\frac {2\Delta p}{\rho }}}} ただし、α(に含まれる流出係数 C )を求める式にはレイノルズ数 Re D が含まれ、Re D を求めるためには流量Q を知る必要があるため、この式の右辺は直接計算することができない。そのため、流量Q を求めるためにはイタレーション が必要となる。
ここで、
α = C 1 − β 4 {\displaystyle \alpha ={\frac {C}{\sqrt {1-\beta ^{4}}}}} ϵ = 1 − ( 0.41 + 0.35 β 4 ) κ ⋅ Δ p p 1 {\displaystyle \epsilon =1-{\frac {(0.41+0.35\beta ^{4})}{\kappa }}\cdot {\frac {\Delta p}{p_{1}}}} :膨張補正係数 A = π 4 d 2 {\displaystyle A={\frac {\pi }{4}}d^{2}} :絞り 断面、m2 ρ : 流体の密度 、kg/m3 C は流出係数 と呼ばれ(河川学における同名の「流出係数」とは違う意味である)、下記の式により求める。 L 1 < 0.4333 のとき C = 0.5959 + 0.0312 β 2.1 − 0.1840 β 8 + 0.0029 β 2.5 ( 10 6 R e D ) 0.75 + 0.0900 L 1 β 4 1 − β 4 − 0.0337 L 2 β 3 {\displaystyle C=0.5959\,+\,0.0312\beta ^{2.1}\,-\,0.1840\beta ^{8}\,+\,0.0029\beta ^{2.5}\left({\frac {10^{6}}{Re_{\mathrm {D} }}}\right)^{0.75}\,+\,0.0900L_{1}{\frac {\beta ^{4}}{1-\beta ^{4}}}\,-\,0.0337L_{2}\beta ^{3}} L 1 ≧ 0.4333 のとき C = 0.5959 + 0.0312 β 2.1 − 0.1840 β 8 + 0.0029 β 2.5 ( 10 6 R e D ) 0.75 + 0.0390 β 4 1 − β 4 − 0.0337 L 2 β 3 {\displaystyle C=0.5959\,+\,0.0312\beta ^{2.1}\,-\,0.1840\beta ^{8}\,+\,0.0029\beta ^{2.5}\left({\frac {10^{6}}{Re_{\mathrm {D} }}}\right)^{0.75}\,+\,0.0390{\frac {\beta ^{4}}{1-\beta ^{4}}}\,-\,0.0337L_{2}\beta ^{3}} β = d / D {\displaystyle \beta =d/D} :絞り直径比 κ :アイゼントロピック指数 (理想気体 では比熱比 に等しく5/3) p 1 :オリフィス上流側の圧力取出口の圧力、Pa d :絞り直径, m D :円管の直径, m
L 1 :オリフィス板上流面から上流側圧力取出し口までの距離をD で割った値 L 2 :オリフィス板下流面から下流側圧力取出し口までの距離をD で割った値 R e D = U D / ν {\displaystyle Re_{\mathrm {D} }=UD/\nu } :円管直径D を代表長とするレイノルズ数
U = Q / ( π 4 D 2 ) {\displaystyle U=Q/\left({\frac {\pi }{4}}D^{2}\right)} :管路内の平均流速、m/s ν :流体の動粘性係数 、m2 /s