カスリハタ
カスリハタ | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Epinephelus tukula Morgans, 1959 | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Potato grouper potato cod | |||||||||||||||||||||||||||
分布域 |
カスリハタ(学名:Epinephelus tukula)はハタ科に分類される魚類の一種。インド太平洋に分布する。1959年にザンジバルの研究機関により新種と発表され、タイプ産地はマフィア島であった[2]。
分布
[編集]インド太平洋に広く分布するが、ほとんどの地域では珍しい。紅海から南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州までの東アフリカ、マダガスカル、セーシェル諸島、モーリシャス、レユニオン島にかけてのインド洋に多い。インド西部とスリランカ沖から東はソロモン諸島、南はオーストラリア、北は南日本まで分布する。ペルシャ湾では記録されていない[1]。日本では南日本の太平洋岸に広く分布し、琉球列島では珍しい。オーストラリアでは西オーストラリア州のシャーク湾からクイーンズランド州のモートン湾までの北部に分布する[3]。グレートバリアリーフでも見られる[4]。
形態
[編集]体長は体高の2.9 - 3.5倍。目の間にわずかに凸面の領域があり、頭部背側の輪郭は直線的。頭高は低く、吻が尖って見える。前鰓蓋は丸いか角に近い形で、角にわずかに鋸歯があり、鰓蓋の上縁は直線的[5]。背鰭は11棘と14 - 15軟条から、臀鰭は3棘と8軟条から成る[6]。背鰭棘間の鰭膜には切れ込みがある。尾鰭は丸い[5]。体色は淡い茶色がかった灰色で、大きな黒い斑点が入る。目から黒い線が放射状に伸び、鰭には小さな黒い斑点が散らばる[3]。最大で全長200 cm、体重110 kgに達する[6]。英名は体にある黒い斑点をジャガイモに見立てたことによる[5]。
生態
[編集]沿岸のサンゴ礁や、潮流の強い岩礁に生息する[6]。幼魚は浅瀬を好み、サンゴ礁の潮だまりでよく見られるが、成魚は水深 10 - 150 mで見られる。単独で行動し、通常一定の行動範囲をもつ。待ち伏せ型の捕食者で、小さなエイ、カニ、魚、イカ、タコ、イセエビなどを捕食する。サンゴの陰に隠れ、獲物が近づくと突進して丸呑みする[7]。縄張りに近づく者には攻撃的だが、その範囲は狭い。約12歳、体長90 - 99 cm、体重16 - 18 kgで性成熟する。幼魚の群れが観察されているが、成魚の集団産卵は観察されていない。飼育下で雌から雄に性転換することが観察されたため、他のハタ類と同様に雌性先熟の雌雄同体である可能性がある[1]。
人との関わり
[編集]分布域全体で漁獲されており、香港や中国では食用として販売されるが、現地では人気が無い。乱獲に対して脆弱であると考えられているが、現在は危機的状況ではないということで、国際自然保護連合 (IUCN)は低危険種に指定している[1]。南アフリカ共和国[5]とオーストラリアで保護されている[8]。日本では主に沖縄県と鹿児島県にて食用として流通するが、高価である。
脚注
[編集]- ^ a b c d Pollard, D.A.; Samoilys, M.; Fennessy, S. (2018). “Epinephelus tukula”. IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T132773A100561780. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T132773A100561780.en 26 April 2024閲覧。.
- ^ Morgans, J. F. C. (1959). “Three confusing species of serranid fish, one described as new, from East Africa”. Annals and Magazine of Natural History. Series 13 1 (10): 642–656. doi:10.1080/00222935808650993.
- ^ a b Dianne J. Bray. “Epinephelus tukula”. Fishes of Australia. Museums Victoria. 26 April 2024閲覧。
- ^ “Potato Rockcod, Epinephelus tukula (Morgans, 1959)”. Australian Museum. 26 April 2024閲覧。
- ^ a b c d Heemstra, P.C. & J.E. Randall (1993). FAO Species Catalogue. Vol. 16. Groupers of the world (family Serranidae, subfamily Epinephelinae). An annotated and illustrated catalogue of the grouper, rockcod, hind, coral grouper and lyretail species known to date. FAO Fish. Synopsis. 125. FAO, Rome. pp. 248–249. ISBN 92-5-103125-8
- ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Epinephelus tukula" in FishBase. April 2024 version.
- ^ “Potato cod”. Government of Western Australia. 26 April 2024閲覧。
- ^ “COD, POTATO”. Fish-On!. 26 April 2024閲覧。