カート・シオドマク
カート・シオドマク(Curt Siodmak、1902年8月10日 – 2000年9月2日)は、アメリカ合衆国のSF作家、脚本家。本名、ボーン・カート・シオドマク(Born Kurt Siodmak)。シオドマーク、シオドマックの表記もある。
経歴
[編集]ドイツのドレスデンに生まれた。両親はユダヤ系。兄は映画監督のロバート・シオドマク。
ナチスの迫害から逃れるためにロンドンに渡り、脚本家として生計を立て、1937年にアメリカに移住した。1941年、脚本を書いたユニバーサル映画の「狼男」がヒット。
日本ではSF小説『ドノヴァンの脳髄』(Donovan's Brain)、『ハウザーの記憶』(Hauser's Memory)の作者として知られる。
原作・脚本などを担当した映画
[編集]- 「F・P1号 応答なし」 F.P.1 Antwortet Nicht (1932)
- 「夜の悪魔」 Son of Dracula (1943)
- 原作。ユニバーサル映画による「吸血鬼」映画。
- 主演ロン・チェイニー・ジュニア、監督ロバート・シオドマク
- 「新モンテ・クリスト」 The Return of Monte Cristo (1946)
- 「ドノヴァンの脳髄」 Donovan's Brain (1953)
- 「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す」 Earth vs. The Flying Saucers (1956)
- 「二重スパイ・国際謀略作戦」 Hauser's Memory(1970)
- 原作。自著『ハウザーの記憶』の映画化。
- 主演デヴィッド・マッカラム、監督ボリス・セイガル
- 「狼男」 The Wolf Man (1941)
- 脚本。ユニバーサル映画による「狼男」映画の第1作。
- 主演ロン・チェイニー・ジュニア、監督ジョージ・ワグナー
- 「透明スパイ」 Invisible Agent (1942)
- 「フランケンシュタインと狼男」 Frankenstein Meets The Wolfman (1943)
- 脚本。ユニバーサル映画による「フランケンシュタインの怪物」と「狼男」の共演映画。
- 主演ベラ・ルゴシ、ロン・チェイニー・ジュニア、監督ロイ・ウィリアム・ニール
- 「ブードゥリアン / 生と死の間 / 私はゾンビと歩いた!」 I Walked with a Zombie (1943)
- 「五本指の野獣」 The Beast with 5 Fingers (1946)
- 脚本。原作はウィリアム・フライヤー・ハーヴィーの短編怪奇小説「五本指のけだもの」。
- 主演ロバート・アルダ、監督:ロバート・フローリー
- 「宇宙への挑戦」 Riders to the Stars (1954)
- 脚本。
- 主演ウィリアム・ランディガン、監督リチャード・カールソン
- 「死神の使者」 The Devil's Messenger(1961)
- 脚本。3編からなるオムニバスホラー。
- 主演ロン・チェイニー・ジュニア、監督ハーバート・L・ストロック
- 「ジャングルの恋」 Her Jungle Love (1938)
- 原案。冒険ロマンスもの。
- 主演ドロシー・ラムーア、監督ジョージ・アーチェンボード
- 「フランケンシュタインの館」 House of Frankenstein (1944)
- 原案。ユニバーサル映画による「フランケンシュタインの怪物」映画。
- 主演ロン・チェイニー・ジュニア、ボリス・カーロフ、監督アール・C・ケントン
- 「ベルリン特急」 Berlin Express (1948)
- 「ターザン魔法の泉」 Tarzan's Magic Fountain (1949)
翻訳された著書
[編集]- 『ドノヴァンの脳髄』 (中田耕治訳、早川書房、ハヤカワ・ファンタジイ) 1957年
- 『ノバ爆発の恐怖』 (「深淵」または「超能力部隊」、ロバート・A.ハインライン、原題 Gulf)との合本
関連項目
[編集]- 『ドウエル教授の首』 Glova Professora Douelya(1925):アレクサンドル・ベリャーエフのSF小説。「ドノヴァンの脳髄」(1943)に先立つこと18年前に書かれたもの。死者の頭部のみを生命維持装置に繋いで生存させることを目論む内容の作品。こちらも1984年に映画化されている。