ギフト・ンゴエペ
ピッツバーグ・パイレーツでの現役時代 (2016年3月11日) | |
基本情報 | |
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国籍 | 南アフリカ共和国 |
出身地 | リンポポ州ピーターズブルグ |
生年月日 | 1990年1月18日(34歳) |
身長 体重 | 5' 8" =約172.7 cm 195 lb =約88.5 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 二塁手、遊撃手 |
プロ入り | 2009年 アマチュアFA |
初出場 | 2017年4月26日 |
最終出場 | 2018年5月1日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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派遣歴 | |
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国際大会 | |
代表チーム | 南アフリカ |
WBC | 2009年、2013年、2017年、2023年 |
この表について |
ムポ・ギフト・ンゴエペ(Mpho' Gift Ngoepe, 1990年1月18日 - )は、南アフリカ共和国リンポポ州ピーターズブルグ出身の元プロ野球選手(内野手)、野球指導者。右投右打。
姓の「Ngoepe」はメディアによっては「ンゴペ」、「エンゴーペ」、「ヌゴーペ」などと表記される。また、「ンゴーペイ(発音:n-GO-pay)」と読むのがより近い[1]。
MLBが初めて契約を結んだ黒人の南アフリカ共和国出身選手であり[2]、史上初の南アフリカ共和国出身のメジャーリーガーにして、史上初のアフリカ大陸出身のメジャーリーガーである[3]。
弟のビクター・ンゴエペもパイレーツ傘下に所属していたプロ野球選手[2]。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]母親が働いていた南アフリカ共和国の野球チームであるランドブルク・メッツのクラブハウスで育った[4]。その後、2008年にイタリアのMLBアカデミーに所属し、当時はバリー・ラーキンから打撃指導を受けていた[3]。
プロ入りとパイレーツ時代
[編集]2008年9月にピッツバーグ・パイレーツと契約を結び、プロ入りを果たした[3]
2012年にA+級ブレイデントン・マローダーズでプレー時、所属するフロリダ・ステートリーグで最も守備のよい遊撃手に選出された[5]。
2015年11月5日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[6]。
2016年1月28日に第4回WBC予選の南アフリカ代表に選出された[7]。2月14日の決勝オーストラリア戦でトラビス・ブラックリーから一時先制となる先頭打者本塁打を記録したが、その後逆転され敗戦し、南アフリカは予選敗退となった[8]。シーズンではマイナー・AAA級インディアナポリス・インディアンスで遊撃をメインで起用され、102試合に出場。打率.217・8本塁打・27打点・5盗塁・130三振という成績で、特にミート面でまだまだ改善の余地がある事を示した。守備では99試合でショートを守り、7失策・守備率.984を記録。また、3試合でセカンドも守った。しかし、8月28日にオハイオ州トレドでドヴィダス・ネブラウスカス、ワーウィック・サーポルトと共にバーで乱闘を起こして逮捕され、30日に球団からシーズン残り試合の出場停止処分を科された[9]。
2017年の開幕はAAA級インディアナポリスで迎えた。4月25日に監督に呼び出され、「チームはヨーロピアン(ネブラウスカス)を送りつけ、今アフリカーナ(ンゴエペ)を欲している。」と言われ、メジャー昇格を知らされた[3]。翌26日にネブラウスカスに変わって、メジャーに昇格を果たし、同日のシカゴ・カブス戦で4回表から二塁の守備について途中出場してメジャーデビューを果たした[3]。これにより、南アフリカ共和国出身者としてはもちろん、アフリカ大陸出身選手として初のメジャーリーガーとなった[3]。その裏の初打席でジョン・レスターから初安打を記録した[3](この日の結果は3打席で2打数1安打1四球[10][11])。4月28日のマイアミ・マーリンズ戦に「8番・二塁手」として初めて先発出場し、三塁打を含む初の猛打賞と初の打点を記録した[12]。この年メジャーでは28試合に出場して打率.222・6打点の成績を残した。
ブルージェイズ時代
[編集]2017年11月20日に後日発表選手または金銭とのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍した[13]。
2018年5月3日にDFAとなり[14]、7日にマイナー契約で傘下のAAA級バッファロー・バイソンズへ配属された[15]。8月13日に解雇となる。冬季はオーストラリアン・ベースボールリーグのシドニー・ブルーソックスに参加。
ブルージェイズ退団後
[編集]2019年1月11日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結んだ[16]が、6月20日に解雇となる。6月29日にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結んだが、7月30日に解雇となる。8月6日に独立リーグ・アトランティックリーグのランカスター・バーンストーマーズと契約。冬季は2年連続でシドニー・ブルーソックスに参加した。
2020年冬季からオーストラリアン・ベースボールリーグのメルボルン・エイシズに参加したのち、2021年3月29日に独立リーグ・フロンティアリーグのケベック・キャピタルズと契約した[17]。シーズン終了後に退団した。
現役引退後
[編集]2022年3月に、オーストラリア・ビクトリア州メルボルン郊外のクラブチームであるニューポート・ラムズのコーチに就任した[18]。その一方で、現役選手として2022年9月に第5回WBC予選の南アフリカ代表に選出された[15][19]。
2023年より、アリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下ルーキー級ACLダイヤモンドバックスのコーチに就任した[20]。
プレースタイル
[編集]当初は、スイッチヒッターとしてプレーしていた[21]。
詳細情報
[編集]年度別打撃成績
[編集]年 度 | 球 団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 二 塁 打 | 三 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S |
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2017 | PIT | 28 | 63 | 54 | 10 | 12 | 2 | 1 | 0 | 16 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | 8 | 0 | 0 | 26 | 0 | .222 | .323 | .296 | .619 |
2018 | TOR | 13 | 19 | 18 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 12 | 0 | .056 | .105 | .056 | .161 |
MLB:2年 | 41 | 82 | 72 | 12 | 13 | 2 | 1 | 0 | 17 | 6 | 0 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0 | 0 | 38 | 0 | .181 | .272 | .236 | .508 |
- 2019年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 | 球 団 | 二塁(2B) | 三塁(3B) | 遊撃(SS) | |||||||||||||||
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試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2017 | PIT | 20 | 27 | 37 | 0 | 9 | 1.000 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | 6 | 6 | 6 | 0 | 1 | 1.000 |
MLB | 20 | 27 | 37 | 0 | 9 | 1.000 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | 6 | 6 | 6 | 0 | 1 | 1.000 |
- 2019年度シーズン終了時
背番号
[編集]- 61(2017年 - 2018年)
代表歴
[編集]- 2009 ワールド・ベースボール・クラシック南アフリカ代表
- 2013 ワールド・ベースボール・クラシック南アフリカ代表
- 2017 ワールド・ベースボール・クラシック南アフリカ代表
- 2023 ワールド・ベースボール・クラシック南アフリカ代表
脚注
[編集]- ^ “Gift Ngoepe Register Statistics & History”. Baseball Reference.com. 2016年8月23日閲覧。
- ^ a b Ngoepe brothers reunite on other side of world MLB.com (2016年3月25日) 2017年5月2日
- ^ a b c d e f g Bucs' Ngoepe MLB's 1st African player MLB.com (2017年4月27日) 2017年5月2日
- ^ Gift Ngoepe could be South Africa's bequest to baseballChicago Tribune (2009年3月15日,英語). 2016年2月16日閲覧。
- ^ Ngoepe Proves Great Gift For Pirates OrganizationBaseball America (2012年8月8日,英語). 2016年2月16日閲覧。
- ^ Bill Brink (2015年11月5日). “Pirates add Gift Ngoepe to 40-man roster”. Pittsburgh Post-Gazette. PG Publishing Co., Inc.. 2015年11月6日閲覧。
- ^ Managers, schedule, rosters set for Classic Sydney qualifier The official site of World Baseball Classic (2016年1月28日) 2017年5月2日閲覧
- ^ World Baseball Classic - Here we come Baseball Australia (2016年2月14日) 2017年5月2日閲覧
- ^ Ngoepe, Neverauskas, Saupold arrested MiLB.com (2016年8月30日) 2017年5月2日閲覧
- ^ Rogers, Phil (2017年4月27日). “Ngoepe's development a Gift for MLB”. MLB.com 2017年4月27日閲覧。
- ^ “MLBで初のアフリカ出身選手がデビュー 初打席初ヒットに本拠地は大歓声”. Full-count (2017年4月27日). 2017年4月27日閲覧。
- ^ Ngoepe has big offensive night in 1st start MLB.com (2017年4月29日) 2017年5月2日閲覧
- ^ Gregor Chisholm (2017年11月20日). “Blue Jays acquire Ngoepe from Bucs” (英語). MLB.com. 2017年11月27日閲覧。
- ^ “Blue Jays' Gift Ngoepe: DFA'd by Toronto” (英語). CBS Sports (2018年5月3日). 2018年5月4日閲覧。
- ^ a b MLB公式プロフィール参照。2022年11月12日閲覧。
- ^ “#Phillies have signed the following three players to minor league contracts with invitations to attend major league spring training as non-roster invitees”. Philadelphia Phillies (2019年1月11日). 2019年4月29日閲覧。
- ^ “LES CAPITALES S'OFFRENT UN ANCIEN DU BASEBALL MAJEUR !” (フランス語). Les Capitales de Québec (2021年3月29日). 2021年5月12日閲覧。
- ^ “Sean Arnott to continue as Club Coach and a big name recruit signs with the Rams”. Newport Baseball Club (2022年3月16日). 2022年11月12日閲覧。
- ^ “World Baseball Classic Rosters”. MLB.com. 2022年11月12日閲覧。
- ^ “D-backs announce 2023 player development staff”. MiLB.com (2023年1月21日). 2023年6月3日閲覧。
- ^ “Gift Ngoepe, Pittsburgh Pirates INF Prospect”. YouTube (2013年11月16日). 2017年4月29日閲覧。
関連項目
[編集]- メジャーリーグベースボールの選手一覧 N
- アフリカ出身のメジャーリーグベースボール選手一覧
- オーストラリアン・ベースボールリーグの選手一覧
- オーストラリアでプレーした経験があるメジャーリーグベースボール選手一覧
外部リンク
[編集]
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Gift Ngoepe stats MiLB.com
- Gift Ngoepe (@mgngoepe) - Instagram