グレイビーソース

グレイビーソース
グレイビーソースがかかった料理

グレイビーソース: gravy)は、調理された食肉から出る肉汁(jus de viande)を元に作られるソースである。

gravyとは第一義的には肉汁そのもののことである[1][2]gravy sauceという表現は英語圏でも見られる[3]が、gravy自体に「肉汁(gravy)から作るソース」という意味もある[1]

製法

[編集]

18世紀イギリス料理に関するテキストではグレイビーを基本的なソースとして紹介しているが、「多少の肉とタマネギスパイス類を茶色くなるまで炒めて小麦粉を加えて煮込む」という今日のブラウンソースのようなものだった[4]

今日グレイビーソースとして一般的なのは、ローストソテーなどを作った後、残った肉汁を一旦取り出し、焦げの付いたフライパンワインビールストックを加えデグラッセする。そこに軽く炒めた小麦粉ルー)や片栗粉と肉汁を徐々に戻し、滑らかになるようにゆっくりと、かつしっかりと混ぜる。より滑らかにするために牛乳生クリーム、それに野菜ジュースを足す場合もある。また小さく刻んだ調理済みの肉を戻し、ソースの風味を増すように仕上げることもある。グレイビーソースは食べる直前に作るソースのため、あまり長時間は煮込まない[5]

日本洋食においては、ステーキハンバーグローストビーフなどのドリップにトマトケチャップウスターソースなどを合わせたものをソースとして用いる例がしばしばみられるが、これらはグレイビーソースではなくドミグラスソースの簡易版として認識されることが多い。

使用される料理

[編集]
プーティン

マッシュポテトにグレイビーソースをかけたものは、アメリカ料理の定番である。ステーキミートローフにも良く使われる。また、アメリカ風ビスケットヨークシャープディングローストチキンシチメンチョウの詰め物、ロコモコにもかけて食べられる。

カナダ料理では、フライドポテトチーズカードとグレイビーソースを掛けたプーティンが有名。

通常、鶏肉料理には白いホワイトグレイビー、赤身の肉料理には茶色のブラウングレイビーが用いられる。野菜のみを使用した出来合のベジタリアン向けグレイビーソースも売られている。

脚注

[編集]

参考文献

[編集]
  • Harold McGee 著、香西みどり 訳『マギー キッチンサイエンス』共立出版、2008年。ISBN 9784320061606 

関連項目

[編集]