サム・ストーン
「サム・ストーン」 | ||||||||
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ジョン・プラインの楽曲 | ||||||||
収録アルバム | 『John Prine』 | |||||||
リリース | 1971年10月[1] | |||||||
録音 | テネシー州メンフィス、アメリカン・サウンド・スタジオ | |||||||
ジャンル | フォーク | |||||||
時間 | 4分14秒 | |||||||
レーベル | アトランティック・レコード | |||||||
作詞者 | ジョン・プライン | |||||||
作曲者 | ジョン・プライン | |||||||
プロデュース | アリフ・マーディン | |||||||
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「サム・ストーン」(Sam Stone)は、ジョン・プラインが作詞作曲し、1971年に発表した楽曲。退役軍人が薬物中毒に侵されていく過程と、オーバードーズによる死が描かれている[2]。
概要
[編集]ジョン・プラインは1946年10月10日、イリノイ州メイウッドに生まれ育ち、14歳からギターを弾き始めた。地元の高校を卒業後、郵便公社に勤め、5年目に陸軍に徴兵された。ベトナム戦争のさなかであったが、西ドイツで兵役に服した[3][4][5]。帰国後、シカゴのフォーク・ミュージック・リバイバルの中心的人物となる[6]。クリス・クリストファーソンに見出され、1971年にアトランティック・レコードと契約した。
「サム・ストーン」の元々のタイトルは「Great Society Conflict Veteran's Blues」といった[7]。ベトナム戦争には直接言及されていないものの、「サム・ストーンは海の向こうの戦争で兵役を務めたあと/妻と家族のもとへ帰って来た/しかしそのとき彼の神経はずたずたにされていて/銃弾の破片がまだ膝に残っていた」という歌い出しから、当時社会問題となっていたベトナム帰還兵の薬物中毒をテーマにしたものと一般的に解釈されている。
メンフィスのアメリカン・サウンド・スタジオにレジー・ヤング(ギター)、レオ・レブランク(ペダル・スチール・ギター)、ジョン・クリストファー(ギター)、ボビー・エモンズ(オルガン)、ボビー・ウッド(ピアノ)、マイク・リーチ(ベース)、ジーン・クリスマン(ドラムズ)ら、腕利きのミュージシャンが集められ、アルバムのレコーディングが行われた。プロデューサーはアリフ・マーディン。1曲のみニューヨークのA&Rスタジオでレコーディングは行われた。
1971年10月、デビューアルバム『John Prine』が発売[1]。A面4曲目に収録された。
カバー・バージョン
[編集]- ボブ・ギブソン - 1971年6月発売のアルバム『Bob Gibson』に収録[8]。発表の時期としてはプラインのバージョンよりもギブソンのバージョンの方が数か月早い。
- アル・クーパー - 1972年9月のシングル[9]。同年のアルバム『赤心の歌』に収録された。2016年配信の『Live - The Record Plant, 23 Oct '74』にピアノの弾き語りバージョンが収録されている[10]。
- スワンプ・ドッグ - 1972年のアルバム『Cuffed, Collared and Tagged』に収録。
- ローラ・カントレル - 2004年のコンピレーション・アルバム『Future Soundtrack for America』に収録。
- ジョニー・キャッシュ - 2005年のアルバム『Live from Austin TX』に収録。
備考
[編集]- ピンク・フロイドの1983年のアルバム『ファイナル・カット』に収録された「The Post War Dream」の最初の部分のメロディは「サム・ストーン」からとられている[11]。
- 南北戦争での出来事から派生したトラディショナル・ソング「Soldier's Joy」も「サム・ストーン」と同様、兵士たちのモルヒネやアヘンの依存症に触れている。「25セントあればウィスキー/15セントあればビール/25セントあればモルヒネ/俺をここから出しとくれ」と歌われる。
- 米国で新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がった2020年3月、プラインは妻とともに罹患[12][13]。妻は回復したが、プラインは同年4月7日に感染が原因で息を引き取った(73歳没)[14]。
脚注
[編集]- ^ a b “Sam Stone by John Prine”. SecondHandSongs. 2022年3月24日閲覧。
- ^ Beviglia, Jim. “Behind The Song: John Prine, “Sam Stone””. American Songwriter. 2022年3月25日閲覧。
- ^ Barry, Dan (April 6, 2016). “John Prine Endures, With a Half-Smile and a Song” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. オリジナルのMarch 30, 2020時点におけるアーカイブ。 March 30, 2020閲覧。
- ^ Huffman, Eddie (March 15, 2015). John Prine: In Spite of Himself. University of Texas Press. p. 76. ISBN 9780292748224
- ^ “John Prine, Grammy-winning singer-songwriter, dead at 73 from coronavirus complications”. New York Post. (April 7, 2020). オリジナルのApril 8, 2020時点におけるアーカイブ。 April 8, 2020閲覧。
- ^ “John Prine obituary”. The Guardian (April 8, 2020). April 8, 2020閲覧。
- ^ Laurin Penland (November 18, 2011). “John Prine: A Look Back At One Man's War”. NPR Music June 4, 2014閲覧。
- ^ “Sam Stone by Bob Gibson”. SecondHandSongs. 2022年3月24日閲覧。
- ^ 45cat - Al Kooper - Sam Stone / (Be Yourself) Be Real - Columbia - USA - 4-45691
- ^ Al Kooper - Topic (2020年4月26日). “Sam Stone”. YouTube. 2022年3月25日閲覧。
- ^ Huffman, Eddie (March 15, 2015). John Prine: In Spite of Himself. University of Texas Press. ISBN 9780292748224 'Petty sang Prine's praises in Rolling Stone. "It goes beyond just craft," he told wild...'
- ^ “John Prine in Critical Condition After Hospitalization for Coronavirus”. MSN (March 30, 2020). March 30, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。March 29, 2020閲覧。
- ^ “John Prine Hospitalized with COVID-19 Symptoms: 'His Situation Is Critical'”. Rolling Stone (March 29, 2020). March 29, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。March 29, 2020閲覧。
- ^ Grimes, William (April 7, 2020). “John Prine, Who Chronicled the Human Condition in Song, Dies at 73”. The New York Times. オリジナルのApril 8, 2020時点におけるアーカイブ。 April 8, 2020閲覧。