シャドウ・DN12
カテゴリー | F1 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コンストラクター | シャドウ | ||||||||||
先代 | シャドウ・DN11 | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
トレッド | 前:1,575 mm (62.0 in) 後:1,600 mm (63 in) | ||||||||||
ホイールベース | 2578 mm | ||||||||||
エンジン | コスワースDFV 3.0リッター V型8気筒 NA | ||||||||||
トランスミッション | ヒューランド FGA 400 5速 マニュアル | ||||||||||
燃料 | バルボリン | ||||||||||
タイヤ | グッドイヤー | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
ドライバー | ジェフ・リース デヴィッド・ケネディ | ||||||||||
コンストラクターズタイトル | 0 | ||||||||||
ドライバーズタイトル | 0 | ||||||||||
通算獲得ポイント | 0 | ||||||||||
初戦 | 1980年ベルギーグランプリ | ||||||||||
最終戦 | 1980年フランスグランプリ | ||||||||||
|
シャドウ・DN12 (Shadow DN12) は、シャドウ・レーシング・カーズが1980年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。同チームにとって最後のマシンとなった。DN12は5戦に参加したが、その内の2戦は非選手権のレースであった。DN12は1981年シーズン、セオドールによって再使用された。
背景
[編集]1980年シーズン、チームは新型のDN11を投入したが、開幕から予選落ちを繰り返し、第3戦でジェフ・リースが唯一予選を通過、決勝では13位とマシンの戦闘力不足が明らかになった。そのため改良型のマシンを開発し投入する必要性に迫られたが、スタッフも資金も不足していたチームは十分な開発を行うことはできなかった[1][2]。第5戦で新型のDN12を一台投入したが、これはDN11の小改良型にすぎなかった。ドン・ニコルズは5月にイギリス人実業家のテディ・イップにチームを売却する。イップは6月にシャドウ・チームに加わり、チームはその名をセオドール・シャドウに変更した。第7戦フランスGPでドライバー両名にDN12が与えられたが、2台とも予選落ちし、このグランプリを持ってシャドウの活動は停止した。
開発
[編集]シャドウ・DN12はヴィック・モリスとチャック・グレーミンガーによって開発された。いくつかの文献に同車の技術的な詳細が記述されているが、それらにはしばしば「魅力的ではない」と記載されている[3]。DN12のホイールベースは2578mmで、1980年に登場したF1マシンの中で最短のホイールベースであった[4]。コクピットマウントとエンジンカバーは水平に走り、後方で一つにまとまっていた。リアウィングは低い位置に取り付けられ、それらに連なるラインを形成した。エアスクープは存在しなかった。サイドポントゥーンは翼型であったが、風洞テストは行われなかった。エンジンはDN11と同じくコスワース8気筒を搭載した。
DN12は2台が製作された[5]。
レース戦績
[編集]DN12は第5戦ベルギーGPで1台が投入され、ジェフ・リースがドライブした。これは事前のテストも行われずに投入された[3]。
リースがDN12をドライブする一方、ディヴ・ケネディは旧型のDN11をドライブした。リースはケネディよりも0.3秒早かった、両者共に予選落ちした。続くモナコGPでも両者共に予選落ちした。
2週間後に開催されたスペインGPは、1980年シーズンの第7戦として開催される予定であった。このスペインGPでチームはケネディにもDN12を与えた。リースは20位、ケネディは22位で予選を通過したが、このGPはFISAとFOCAが対立し、FISA系のアルファロメオ、エンサイン、フェラーリ、ルノー、RAMが撤退したため、通常よりも8台少ないままで行われた。決勝ではケネディが2周目にドライブミスでリタイア、リースは42周目にサスペンショントラブルでリタイアした。レース後、FISAとFOCAの政治的対立のためこのGPは無効とされ、ノンタイトル戦となった。
次戦のフランスGPでは全てのチームが出場した。このGPでもシャドウは2台のDN12を走らせたが、2台とも予選落ちした。
セオドールとして
[編集]テディ・イップは1981年シーズン、セオドール・レーシングとしてF1に復帰した。開幕戦となるはずであった南アフリカGPにチームはセオドール・TR2と改名したDN12を投入したが、11周目にリタイアした。この南アフリカGPはその後ノンタイトル戦となった。
F1における全成績
[編集]年 | チーム | タイヤ | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ARG | BRA | RSA | USW | BEL | MON | FRA | GBR | GER | AUT | NED | ITA | CAN | USA | 0 | - | |||||
1980年 | シャドウ | G | ||||||||||||||||||
17 | リース | DNQ | DNQ | DNQ | ||||||||||||||||
18 | ケネディ | DNQ |
参考文献
[編集]- Adriano Cimarosti: Das Jahrhundert des Rennsports. Autos, Strecken und Piloten. Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1997, ISBN 3-613-01848-9.(ドイツ語)
- David Hodges: A - Z of Grand Prix Cars. Crowood Press, Marlborough 2001, ISBN 1-86126-339-2.(英語)
- David Hodges: Rennwagen von A - Z nach 1945. Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1994, ISBN 3-613-01477-7.(ドイツ語)
- Pierre Menard u. a.: La Grande Encyclopedie de la Formule 1. 2. Auflage. Chronosports Editeur, St. Sulpice 2000, ISBN 2-940125-45-7.(フランス語)