ジェラルド・グローヴナー (第6代ウェストミンスター公爵)

1997年の第6代ウェストミンスター公爵ジェラルド・グローヴナー。

第6代ウェストミンスター公爵ジェラルド・キャヴェンディッシュ・グローヴナー: Gerald Cavendish Grosvenor, 6th Duke of Westminster, KG, CB, CVO, OBE, TD, DL, CD1951年12月22日 - 2016年8月9日)は、イギリスの貴族、大地主、陸軍軍人、政治家。

莫大な土地を所有し、不動産会社グローヴナー・グループのオーナーである。世界的大富豪の一人。陸軍軍人としてのキャリアも積んでおり、最終階級は少将である。

父が爵位を継承した1967年から自身が爵位を継承した1979年までグローヴナー伯爵(Earl Grosvenor)の儀礼称号を使用した。

経歴

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生い立ち

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1951年12月22日、後に第5代ウェストミンスター公爵となるロバート・グローブナー英語版とその妻ヴィオラ英語版(第9代コバム子爵ジョン・リトルトン英語版の娘)の長男として北アイルランドオマーに生まれる[1][2][3]

ハーロー校サニングデール・スクール英語版で学ぶ[2]

1979年2月19日に父の死によりウェストミンスター公爵以下5つの爵位を継承した[2]貴族院議員に列し、貴族院改革のあった1999年11月11日まで在職した[4][注釈 1]

2016年8月9日、イングランド西北部ランカシャーのロイヤル・プレストン病院にて逝去[6]。64歳没。

世界的な大地主・大富豪として

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1988年のウェストミンスター公

ウェストミンスター公爵は大地主の中の大地主であり、不動産会社グローヴナー・グループのオーナーである

2015年サンデー・タイムズ・リッチ・リスト英語版によれば総資産額は約85億6,000万ポンド(約1兆5,408億円)で英国内で経済活動する者(外国人含む)の中で第9位という資産家である[7]

陸軍軍人として

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1973年5月13日国防義勇予備軍として王立装甲軍団英語版の少尉に任官[8]1975年5月13日に中尉[9]1980年7月1日に大尉[10]1985年12月22日に少佐[11]1992年4月1日に中佐[12]1994年12月31日に大佐に昇進[13]

1995年11月30日士官訓練部隊英語版に名誉大佐として配属される[14][15]1996年1月1日陸軍航空軍団に配属される[15]

2000年1月17日准将英語版に昇進[16]。2001年5月14日のロイヤル・メルシャン及びランカスター・ヨーマンリー連隊英語版の名誉大佐となる[17]

2004年に少将に昇進し、また国防参謀総長副官英語版に就任し、2007年初頭まで務めた[18]

2011年5月には地上部隊司令官代理英語版に就任し[19]2012年まで務めた。

その他の活動

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2003年ガーター勲章を受けた[2]

2012年ロイヤル・ヴィクトリア勲章コマンダー(CVO)を受勲するとともにコーンウォール公領会議コーンウォール公チャールズ3世、当時皇太子)の議員に就任[20]

栄典

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2006年6月19日ガーター・セレモニーセント・ジョージ・チャペルまで行進するガーター騎士団員ウェストミンスター公

爵位/準男爵位

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1979年2月19日の父の死去により以下の爵位を継承した[3][2]

  • 第6代ウェストミンスター公爵 (6th Duke of Westminster)
    (1874年2月27日の勅許状による連合王国貴族爵位)
  • 第8代ウェストミンスター侯爵 (8th Marquess of Westminster)
    (1831年9月13日の勅許状による連合王国貴族爵位爵位)
  • 第9代グローヴナー伯爵 (9th Earl Grosvenor)
    (1784年7月5日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
  • 第9代ベルグレイヴ子爵 (9th Viscount Belgrave)
    (1784年7月5日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
  • チェスター州におけるイートンの第9代グローヴナー男爵 (9th Baron Grosvenor, of Eaton in the County of Chester)
    (1761年4月8日の勅許状によるグレートブリテン貴族爵位)
  • (イートンの)第15代準男爵 (15th Baronet, styled "of Eaton")
    (1622年2月23日の勅許状によるイングランド準男爵)

勲章

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その他

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家族

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1978年に陸軍軍人ハロルド・フィリップ中佐の娘ナタリア(1959-)と結婚し、彼女との間に以下の4子を儲けた[2]

  • 第1子(長女)タマラ・キャサリン・グローヴナー嬢(1979-) -2004年に銀行家のエドワード・ヴァン・クツェムと結婚[21]。3人の子どもがいる。
  • 第2子(次女)エドウィーナ・ルイーズ・グローヴナー嬢(1981-) -2010年にテレビ司会者のダン・スノー英語版と結婚[22]。3人の子どもがいる。
  • 第3子(長男)第7代ウェストミンスター公爵ヒュー・リチャード・ルイス・グローヴナー(1991-)
  • 第4子(三女)ヴァイオラ・ジョージナ・グローヴナー嬢(1992-)

脚注

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注釈

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  1. ^ トニー・ブレア政権による貴族院改革により、1999年11月11日に世襲貴族の議席は92議席を残して削除され、ウェストミンスター公を含む大半の世襲貴族が議席を失った。以降の貴族院は爵位を世襲できない一代貴族が議員の大半を占めている[5]

出典

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  1. ^ Lundy, Darryl. “Robert George Grosvenor, 5th Duke of Westminster” (英語). thepeerage.com. 2014年10月12日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k Lundy, Darryl. “Gerald Cavendish Grosvenor, 6th Duke of Westminster” (英語). thepeerage.com. 2014年10月12日閲覧。
  3. ^ a b Heraldic Media Limited. “Westminster, Duke of (UK, 1874)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年1月14日閲覧。
  4. ^ UK Parliament. “Mr Gerald Grosvenor” (英語). HANSARD 1803–2005. 2014年10月12日閲覧。
  5. ^ 田中(2009) p.229/241
  6. ^ 英ウェストミンスター公爵が死去 世界68位の大富豪で大地主 BBCニュース 2016年8月10日
  7. ^ 英エリザベス女王長者番付TOP300から転落__連続入り25年で終了(2015年12月3日閲覧)
  8. ^ The London Gazette, 25 June 1973”. London-gazette.co.uk (1973年6月25日). 2014年10月12日閲覧。
  9. ^ The London Gazette, 30 June 1975”. London-gazette.co.uk (1975年6月30日). 2014年10月12日閲覧。
  10. ^ The London Gazette, 13 October 1980”. London-gazette.co.uk (1980年10月13日). 2014年10月12日閲覧。
  11. ^ The London Gazette, 14 April 1986”. London-gazette.co.uk (1986年4月14日). 2014年10月12日閲覧。
  12. ^ The London Gazette, 1 April 1992”. London-gazette.co.uk (1992年4月6日). 2014年10月12日閲覧。
  13. ^ The London Gazette, 5 May 1995”. London-gazette.co.uk (1995年5月5日). 2014年10月12日閲覧。
  14. ^ The London Gazette, 19 February 1996”. London-gazette.co.uk (1996年2月19日). 2014年5月23日閲覧。
  15. ^ a b The London Gazette, 15 January 1996”. London-gazette.co.uk (1996年1月15日). 2014年10月12日閲覧。
  16. ^ The London Gazette, 8 August 2000”. London-gazette.co.uk (2000年8月8日). 2014年10月12日閲覧。
  17. ^ The London Gazette, 19 June 2001”. London-gazette.co.uk (2001年6月19日). 2014年10月11日閲覧。
  18. ^ Assistant Chief of the Defence Staff steps down, Daily Mail, Retrieved 2012-03-31.
  19. ^ Defence Viewpoints”. 2014年10月11日閲覧。
  20. ^ "No. 60173". The London Gazette (Supplement) (英語). 16 June 2012. p. 3.
  21. ^ Shaughnessy, Jessica (2004年11月6日). “Crowds line city streets for wedding of Lady Tamara Grosvenor and Edward van Cutsem” (英語). CheshireLive. 2022年1月9日閲覧。
  22. ^ Mullin, Gemma (2014年8月23日). “History presenter and heiress 'might give inheritance to charity'”. Mail Online. 2022年1月9日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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軍職
新設 国防参謀総長副官英語版
2004年 - 2007年
次代
サイモン・ララー英語版
新設 地上部隊司令官代理英語版
2011年 - 2012年
次代
ラナルド・ムンロー英語版
学職
新設 チェスター大学学長英語版
2005年 - 2016年
次代
ジャイルズ・ブランドレス英語版
イギリスの爵位
先代
ロバート・グローブナー英語版
第6代ウェストミンスター公爵
1979年 - 2016年
次代
ヒュー・グローヴナー