スターダスト (探査機)

スターダスト
Stardust
彗星にランデブーする
スターダスト(想像図)
所属 アメリカ航空宇宙局 (NASA)
ジェット推進研究所 (JPL)
主製造業者 ロッキード・マーティン
公式ページ stardust.jpl.nasa.gov/home/
国際標識番号 1999-003A
カタログ番号 1999-003A
目的 ヴィルト第2彗星の観測、
及びサンプルリターン
計画の期間 7年
打上げ機 デルタII
打上げ日時 1999年2月7日21:04:15 (UTC)
最接近日 2002年11月2日アンネフランク
2004年1月2日ヴィルト第2彗星
2011年2月14日テンペル第1彗星
運用終了日 2011年3月25日[1]
質量 300 kg
発生電力 330 W
周回対象 太陽
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彗星および星間物質のサンプルを積んだスターダストのカプセル。2006年1月15日10:10 (UTC)にユタ州ボンネビル・ソルトフラッツにあるアメリカ空軍のユタ試験訓練場に着陸した。
エアロゲルによるスターダストの宇宙塵捕捉装置 (NASA)

スターダスト (Stardust) はアメリカ航空宇宙局 (NASA) のディスカバリー計画による宇宙探査機の1つである。ヴィルト第2彗星とそのコマの探査を目的として1999年2月7日に打上げられ、約50億kmを旅して2006年1月15日に地球へ試料を持ち帰った[2]。宇宙塵を地球に持ち帰った最初のサンプルリターン・ミッションである。その後、延長ミッションとしてテンペル第1彗星を探査し、2011年3月に運用終了した。

最初のミッション

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スターダストの軌道。1周目の公転周期は約2年、2周目と3周目は約2.5年。

NASAは1996年にスターダスト製造を開始した。1999年2月7日に打上げられ、地球の軌道を越える(しかし交差する)最初の軌道へ投入された。デルタIIロケットヴィルト第2彗星へ直接到達するために十分なエネルギーを持っていなかったので、2001年1月に地球によるスイングバイで加速した。

2004年1月2日に彗星の尾の中へ入り、コマからの試料を採取して写真を撮影した[3]

スターダストはそれ以外にもいくつかの目標を達成した。2002年11月2日には小惑星アンネフランクに3,300 kmまで接近した[4]。また、2000年3 - 5月と2002年7 - 12月にかけて、スターダストが太陽系の外に起源を持つと思われる塵の粒子の流れとほぼ同じ方向に飛ぶのを利用してエアロゲル収集器で星間物質を集めた。この時は収集器裏側の面を使用した。

試料物質カプセルは、2006年1月15日にユタ州グレートソルトレーク砂漠にあるダグウェイ性能試験場 (Dugway Proving Ground) の近く、北緯40度21.90分 西経113度31.25分 / 北緯40.36500度 西経113.52083度 / 40.36500; -113.52083[5]に着陸した。風によって数マイル流されたが、目標地域内であった。カプセルは秒速12.9 kmという、人類が作った物体としては史上最速で地球の大気圏に再突入した。NASAはその速度をソルトレイクシティからニューヨークまで6分以下で行ける程と表現した。大きな火球と衝撃波が、ユタ州西部とネバダ州東部で観測された。カプセルは、収集器およびヴィルト第2彗星の発見者パウル・ヴィルト教授が1997年に書いた手紙と共に無事回収された。回収された宇宙塵は2009年現在も分析が進められており、これまでにカンラン石グリシンなどが発見されている。2014年8月14日には、NASAが分析結果を報告、太陽系外からの物の可能性がある宇宙塵が7個見つかったと発表した[6]

スターダスト本体は地球との衝突を避けるためのマニューバを行った。残りの燃料は20kgを切った。1月29日、次に地球の近くへ戻って来る2009年1月14日まで太陽電池と受信機のみ作動させる待機モードに入った[7]

延長ミッション (NExT)

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2006年3月19日、スターダスト計画の科学者達は、2005年にディープ・インパクトがインパクターを衝突させたテンペル第1彗星に探査機を送り込む2次ミッションの可能性について検討していることを発表した。ディープ・インパクトは衝突によって発生した塵の影響で、彗星表面に形成されたクレーターの鮮明な画像を捉えることが出来なかったため、この可能性は重要なものである。

2007年7月3日、New Exploration of Tempel 1 (NExT) と名付けられた延長ミッションが承認された。これによって、彗星核が太陽に接近した後の変化を最初に観測することとなる。NExT ではまた、既に大部分がマッピングされたテンペル第1彗星の核の残りの部分のマッピングを行う。このマッピングで、表面の物質が液体か粉粒体のように流動している可能性がある場所の画像を捉えることによって、彗星核の“地質学”における主要な問題への手掛かりとなるであろうとされた。

NExT では2011年2月14日にテンペル第1彗星をフライバイし、インパクターを衝突させた箇所を含む地点の画像を撮影することに成功した。その結果、テンペル第一彗星には直径150mのクレーターがインパクターによって出来ていることなどが明らかになった。web.archive.org/web/20110219002633/http://mainichi.jp/select/science/news/20110216mog00m040006000c.htmlNASAでは1000%の成功と表現している。 web.archive.org/web/20110219132633/http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021601000158.html

2011年3月、スターダストは最後のミッションとして残存する推進剤を全て噴射する実験を行った。これにより姿勢制御が不可能となったため、3月24日に最後の通信を行い、運用終了した。最後の実験の成果は、推進剤の消費量を正しく見積もる技術を開発することに役立てられる[1]

探査機の構成

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脚注

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  1. ^ a b “彗星探査機「スターダスト」、運用終了”. AstroArts. (2011年3月25日). https://www.astroarts.co.jp/news/2011/03/25stardust/index-j.shtml 2011年3月26日閲覧。 
  2. ^ NASA Spacecraft Returns With Comet Samples After 2.9 Bln Miles”. bloomberg.com. 2008年3月4日閲覧。
  3. ^ Spacecraft bringing comet dust back to Earth”. cnn.com. 2008年3月4日閲覧。
  4. ^ STARDUST”. extrasolar-planets.com. 2008年3月4日閲覧。
  5. ^ NASA's Comet Tale Draws to a Successful Close in Utah Desert”. nasa.gov. 2008年3月4日閲覧。
  6. ^ “太陽系外由来の宇宙塵、探査機サンプル中に7個特定か”. AFPBB News. (2014年8月15日). https://www.afpbb.com/articles/-/3023134?ctm_campaign=next 2014年8月15日閲覧。 
  7. ^ Stardust Put In Hibernation Mode”. space.com. 2006年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月4日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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