スノーソックス

スノーソックス (snow socks) は、タイヤチェーンの代用品のひとつ。スノータイヤが十分ではない場合、スノーソックスを用いることで、雪道におけるグリップが向上する[1]

日本語では、「布製タイヤチェーン」、「布タイヤチェーン」[2]「布製タイヤ滑り止め」[3]と説明されることがあるほか、「オートソック[4]、「スノーキャップ[5]など商品名に由来する名称で呼ばれることもある。

スノーソックスの利点と難点

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スノーソックスは、布製のタイヤすべり止め装置の一種で、金属チェーンに比べて軽量かつ柔軟性が高く、取り付けや取り外しが簡単であることが特徴である。アンチロック・ブレーキ・システム (ABS) や横滑り防止装置 (ESC) などの車両安全機能に干渉しにくく、近年では女性ドライバーや高齢者を中心に普及が進んでいる。

使用される素材は主に高密度ポリエステルで、路面の水分を吸収することでグリップ力を向上させ、圧雪やシャーベット状の雪にも対応可能とされる。一般的に、時速50km程度までの走行が想定されており、都市部や短距離の緊急走行に適している。

代表的な製品としては、スペイン製の「イッセ・スノーソックス」やノルウェー製の「オートソック」などがあり、いずれも日本国内でのチェーン規制対応品として認可を受けている。

一方で、長距離走行や高速道路での継続使用には向いておらず、素材の特性上、長時間の使用や駐車中の凍結により損傷のリスクがある。また、金属チェーンと比べて、氷上での性能に関しては評価が分かれる場合もある。

種類

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スノーソックスには、繊維製モデルと、複合素材製モデルがある。

繊維製

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これは、タイヤを覆い、タイヤと雪が接触しないようにする繊維製のカバーである。このカバーを装着しても、アルミニウム製のリムには損傷を与えない。

最も重要な素材はポリエステルである。ポリエステル繊維は水を吸収し、グリップを改善する。装着した状態で、時速50km程度までの運転が可能とされる[6]

複合素材製

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2013年3月現在、複合素材製のモデルが1種類流通している。これはミシュランが開発したもので、イージーグリップ (Easy Grip) と呼ばれている[7]。内側に伸縮するバンドが付いており、装着を容易にしている。ネットを保護し、路面のグリップを高めるために、亜鉛メッキされた鋼鉄の輪150個が配置されている。

代表的なブランド

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イッセ・スノーソックス

・オートソック

脚注

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  1. ^ Snow socks or winter tyres? Are socks for tyres the latest winter must-have?”. Which? (2010年11月29日). 2015年11月27日閲覧。
  2. ^ 平成22年度 戦略的基盤技術高度化支援事業 「伸縮織物を用いた装着性が高く安全な布タイヤチェーンの開発」研究開発成果等報告書” (PDF). 九州経済産業局/財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 (2011年). 2015年11月27日閲覧。
  3. ^ 宮島小次郎 (2013年1月15日). “スタッドレスに迫るオートソックの雪道性能”. オールアバウト. 2015年11月27日閲覧。
  4. ^ 緊急用タイヤすべり止め「オートソック」”. 日産自動車. 2015年11月27日閲覧。
  5. ^ 【解説】新追加のグレード名は「ハイパー」! ダイハツ ムーヴがフルモデルチェンジ(画像No.169)”. オートックワン. 2015年11月27日閲覧。
  6. ^ How good are snow socks?”. rezulteo-tyres.co.uk. 2013年3月25日閲覧。
  7. ^ MICHELIN COLD WEATHER TYRES AND EASY GRIP®”. michelin.co.uk. 2013年3月25日閲覧。