スーパーセンテナリアン
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スーパーセンテナリアン(supercentenarian、super-centenarianとも)は、110歳以上の人物のこと。1,000人のセンテナリアンあたり約1人がスーパーセンテナリアンといわれる。2010年に行われた調査によると、生死に関わらず最も知られたスーパーセンテナリアンがいるのはアメリカ合衆国、日本、イギリス、フランスそしてイタリアという[1]。
アメリカの老年学研究団体「ジェロントロジー・リサーチ・グループ (GRG)」より、2025年2月15日時点で5,287名のスーパーセンテナリアン(内、19世紀以前に生まれた者は2,238名)が記録されている[2][3]。記録されたスーパーセンテナリアン数の上位10カ国の内7カ国はG7加盟国であり、加盟国だけで4,276名(内、日本は835名であり、アメリカに次いで世界で2番目に多い。)がスーパーセンテナリアンとして認定し記録されている[2]。
更に、2025年3月22日時点で世界中で存命が確認されているスーパーセンテナリアンは246人(女性:224人、男性:22人)であり、女性が約91.1%を占める。在住国別で見た場合、アメリカが最も多く75人と約30%を占め、次いで日本の57人(約23%)であり、この2カ国で約54%を占める[4]。
それ以上いる可能性もあるが、主張の大多数は確証を得るには至っていない。ただ、この状況は出生届が多くの国で一般化したこと、一部の国に至ってはスーパーセンテナリアンの年齢に達したことなどから、変化しつつある。
語源
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少なくとも1970年代以降とされ(ギネス世界記録の編集者であるノリス・マクワーターが、1976年にA・ロス・エックラー・ジュニアの年齢を調査中に使用)、その後1991年にウィリアム・シュトラウスとニール・ハウが共著『世代』を上梓し、一般にも広まった。日本では、数え年で111歳になると皇寿または川寿と呼んでお祝いする。
概要
[編集]歴史
[編集]長寿とされる人物は歴史上早い時期から主張されてはきたが、ギネス世界記録が認定する初のスーパーセンテナリアンは、オランダ人のヘアート・アドリアーンス・ブームハールトである。
1902年、マーガレット・アン・ネーヴが確証のある初の女性スーパーセンテナリアンとなった。1926年にはルイーザ・ティエールとデリーナ・フィルキンスの2名が、ニューヨーク州で111歳の誕生日を迎えたことが文書に残されている。
1959年、ギネス世界記録は初めて114歳を迎えた人物としてマーサ・グラハムを認定したが、記録に疑義が生じており、現在は取り消されている(ジェロントロジー・リサーチ・グループによる歴代の記録にグラハムの名前はない[5])。
1984年にはアメリカ合衆国社会保障局がマシュー・ビアードを同じく114歳になったと承認しているが、唯一確証があるのは1985年に114歳となったアウグスタ・ホルツである。ホルツは115歳を初めて迎えた人物にもなった。
ギネス世界記録は116歳となった人物としてキャリー・C・ホワイトを長らく認定してきたが、生年に疑義があったために取り消され、ジャンヌ・カルマンが初めて迎えた人物となった。その後カルマンは117歳から122歳まで初めて迎えた人物となり、1997年に122歳164日で死去。確証がある中では現在に至るまで史上最高齢とされる。
日本
[編集]スーパーセンテナリアン人口 | |||
---|---|---|---|
年 | 総数 | 男性 | 女性 |
2005年[6] | 22 | 2 | 20 |
2010年[7] | 78 | 3 | 75 |
2015年[8] | 146 | 9 | 137 |
2020年[9] | 141 | 1 | 140 |
スーパーセンテナリアン人口は、国勢調査によれば2005年以降は、右表のように推移している。
アメリカの老年学研究団体「ジェロントロジー・リサーチ・グループ (GRG)」によれば、日本初のスーパーセンテナリアンは、1966年(昭和41年)8月3日に110歳の誕生日を迎えた伊都ヨシギクであり、男性は1989年(平成元年)2月4日に110歳の誕生日を迎えた鶴英寿である[10]。
また、日本国内にいるスーパーセンテナリアンは2025年3月22日時点で57人(女性:52人、男性:5人)であり、全世界の存命中のスーパーセンテナリアン(246人)の約23.2%を占めており、日本の人口が世界人口の約1.5%[11]であり、人口に比してスーパーセンテナリアンが多い国である[4]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ The 2010 study of countries with most supercentenarians
- ^ a b ジェロントロジー・リサーチ・グループ (2025年2月15日). “Supercentenarians by country”. 2025年2月15日閲覧。
- ^ ジェロントロジー・リサーチ・グループ (2024年12月8日). “List of validated supercentenarians born before 1 January 1901 (listed chronologically by date of birth)” [生まれた日が1901年1月1日より前でスーパーセンテナリアンとして認定された者のリスト (生年月日順)]. 2025年2月15日閲覧。
- ^ a b ジェロントロジー・リサーチ・グループ (2025年3月22日). “World Supercentenarian Rankings List”. 2025年3月22日閲覧。
- ^ “GRG Table C(2012) World's Oldest Person Titleholders(since 1955)”. ジェロントロジー・リサーチ・グループ. 2013年1月6日閲覧。
- ^ 統計局, 統計調査部国勢統計課 (2005年10月). “平成17年国勢調査 男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態など(第1次基本集計) 表3 年齢(各歳),男女別人口,年齢別割合,平均年齢及び年齢中位数(総数及び日本人)-全国※,市部※,郡部※,都道府県,15大都市” (Excel). 政府統計の総合窓口(e-Stat). 統計局. 2023年5月20日閲覧。
- ^ 統計局, 統計調査部国勢統計課 (2010年10月). “平成22年国勢調査 人口等基本集計(男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態など) 表3-1 年齢(各歳),男女別人口,年齢別割合,平均年齢及び年齢中位数(総数及び日本人)-全国※,全国市部※,全国郡部※,都道府県,20大都市” (Excel). 政府統計の総合窓口(e-Stat). 統計局. 2023年5月20日閲覧。
- ^ 統計局, 統計調査部国勢統計課 (2015年10月). “平成27年国勢調査 人口等基本集計(男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態など) 表3-1 年齢(各歳),男女別人口,年齢別割合,平均年齢及び年齢中位数(総数及び日本人) - 全国※,全国市部・郡部,都道府県,21大都市,特別区,人口50万以上の市” (Excel). 政府統計の総合窓口(e-Stat). 統計局. 2023年5月20日閲覧。
- ^ 統計局, 統計調査部国勢統計課 (2020年10月). “令和2年国勢調査 人口等基本集計 (主な内容:男女・年齢・配偶関係,世帯の構成,住居の状態,母子・父子世帯,国籍など) 表2-1 男女,年齢(各歳),国籍総数か日本人別人口,平均年齢及び年齢中位数-全国,都道府県,21大都市,特別区,人口50万以上の市” (Excel). 政府統計の総合窓口(e-Stat). 統計局. 2023年5月13日閲覧。
- ^ ジェロントロジー・リサーチ・グループ (2025年2月3日). “List of validated supercentenarians in Japan” [日本で認定されたスーパーセンテナリアンのリスト]. 2025年2月24日閲覧。
- ^ 総務省統計局 (March 2024). 2024年版世界統計 第2章 人口 2-1 世界人口の推移(1950~2050年) (PDF) (Report). p. 14. 2025年2月11日閲覧。