スーパーニッカ
スーパーニッカ | |
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基本情報 | |
種類 | ウイスキー (ブレンデットウイスキー) |
度数 | 43%[注釈 1] |
主原料 | モルト、グレーン[注釈 2] ※原材料には一部、輸入原酒を使用[1] |
原産国 | 日本 |
製造元 | ニッカウヰスキー |
販売元 | アサヒビール |
詳細情報 |
スーパーニッカは、ニッカウヰスキーが製造し、アサヒビールが販売する国産ブレンデッドウイスキー(原酒の一部に海外産の原酒も使用されているため、日本洋酒酒造組合の定めるジャパニーズ・ウイスキーの表示基準に合致しないワールドブレンデッドウイスキー、またはジャパンメイドウイスキー扱いの商品となる[2][3])、および瓶入り水割りウイスキーの商標である。
概要
[編集]1962年(昭和37年)10月にニッカウヰスキーから販売された。竹鶴政孝が1961年(昭和36年)に死去した妻リタへ捧げるため、息子の威と共に余市蒸留所内の貯蔵庫と研究室に籠りきりになり開発したプレミアム・ブレンデッド・ウイスキー(発売当時)である。
当時の生産量は、年間1000本程度でなかなか店頭に並べられず「幻のスーパーニッカ」とも呼ばれたが[4]、1980年代後期に入って、量産体制が整ったことで、ニッカウヰスキーのブレンデッド・ウイスキーを代表するブランドになった。
2020年(令和2年)現在で販売されている物は、竹鶴政孝が当初作った物とはブレンドが大きく異なっており、余市のスモーキーかつ重厚で力強いピート感の漂う男性的なキャラクターを持ったモルト・宮城峡のやわらかさを伴った華やかな女性的なキャラクターを持ったモルト・そして宮城峡のカフェスチルで蒸溜したカフェグレーンの各種原酒をブレンドした物である[5]。
2015年(平成27年)3月22日から、数量限定で1962年に発売された当時のスーパーニッカの味を忠実に再現した[注釈 3]「初号スーパーニッカ復刻版」が販売された[6][注釈 4]。
歴史
[編集]- 1962年(昭和37年):当時大卒の初任給が約15,000円程度だったのに対し、3,000円という高額な金額設定で発売。これには各務クリスタル製作所(現・カガミクリスタル)の佐藤潤四郎がデザインしたセミクリスタル製手吹きボトルが採用されたことにも一因がある[7][8]。ボトルについては「ウイスキーが熟成するまで何年もかかる。これは娘が大きくなれば嫁になるのも一緒なのだから、立派な衣装を着せてやりたい」という竹鶴政孝の強い思いがあったとされる[9]。
- 1964年(昭和39年):東京オリンピック開催に伴い5色のリングの色をガラスで出した「スーパーニッカ五輪ボトル」を限定販売[4]。
- 1971年(昭和46年)6月1日:リニューアルを行い「新スーパーニッカ」として販売。更なる増産に対応させるべく、手吹きによる手作りのボトルから、機械吹きによる量産用に適したボトルに変更。新工場が相次いで竣工し、西宮工場のカフェグレーンをはじめとする使用可能な原酒が増えたことで生産量も増加した[5]。
- 1982年(昭和57年):作家のC.W.ニコルをCMキャラクターに起用し、CMソングには当時イエロー・マジック・オーケストラに在籍していた高橋幸宏を起用。
- 1986年(昭和61年):キャスリーン・バトルの「オンブラ・マイ・フ」をCMソングに起用[10]。
- 1989年(平成元年)4月1日:日本におけるウイスキーの等級制度が廃止され、当製品の等級表記が「ウイスキー特級」から「ウイスキー」に変更される。
- 2015年(平成27年)9月1日:リニューアルを実施。初号復刻版に使用されたボトルがそのまま流用され、ラベルにはニッカのエンブレムと「SINCE 1962」の文字が入る。ただし、味のブレンド自体は変更なし。
ラインナップ
[編集]- 現行品
- 新スーパーニッカ 700ml瓶
- 新スーパーニッカ 500ml瓶
- 新スーパーニッカ 50mlミニチュア瓶
- 新スーパーニッカ&ウォーター 300ml瓶
- 終売品
- スーパーニッカ (1962年-1970年5月) - 700ml瓶
- スーパーニッカ 五輪ボトル (1964年) - 700ml瓶
- 新スーパーニッカ (1971年6月- ?) - 760ml瓶
- 新スーパーニッカ (? -2009年) - 750ml瓶
- 新スーパーニッカ ガロンボトル - 3785ml瓶
- 新スーパーニッカ ハーフガロンボトル - 1890ml瓶
- スーパーニッカ やわらかブレンド (1994年5月 - 1998年12月)
- スーパーニッカ原酒 (1995年- ?) - モルトウイスキー
- スーパーニッカ 15年 (1996年6月 - 2008年)
- スーパーニッカ クリア (1999年8月 - 2003年3月)
- スーパーニッカ 和味(なごみ)(2003年4月 - 終売年不詳)
- 初号スーパーニッカ復刻版 700ml瓶 ※数量限定 (2015年3月24日 - 8月31日)
- 新スーパーニッカ&ウォーター 250ml缶
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 商品情報 | スーパーニッカ(アサヒビール)
- ^ 「ジャパニーズウイスキー」の定義 業界団体が作成 - 日本経済新聞 2021年2月16日(2021年3月2日閲覧)
- ^ ジャパニーズウイスキーの定義に関するQ&A - 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション 2021年3月5日閲覧
- ^ a b 松尾(2014) 194pp.
- ^ a b ニッカウヰスキー スーパーニッカとは
- ^ ““日本のウイスキーの父”竹鶴政孝が、最愛の妻・リタへの哀悼の想いを込めてつくった渾身のウイスキー「初号スーパーニッカ」の復刻版 『初号スーパーニッカ復刻版』数量限定発売~現存する発売当時の商品をブレンダーがテイスティングし、当時の香味を再現~”. アサヒビール株式会社、ニッカウヰスキー株式会社 (2015年3月11日). 2015年6月20日閲覧。
- ^ 松尾(2014) 193pp.
- ^ ニッカウヰスキー スーパーニッカボトルへの想い
- ^ a b 初号スーパーニッカ復刻版
- ^ a b c 松尾(2014) 196pp.
- ^ “日本のウイスキーの父”竹鶴政孝がつくったロングセラーブランドのラインアップを拡充「スーパーニッカ」瓶500ml新発売 発売当時を再現した「スーパーニッカクリスタルボトル」が当たるキャンペーンを実施 - アサヒビール 2018年4月5日
参考文献
[編集]- 松尾秀助『琥珀色の夢を見る 竹鶴政孝とリタ ニッカウヰスキー物語』 朝日新聞出版〈朝日文庫〉、2014年。ISBN 978-4022618085