スーパーマリン シーオッター
スーパーマリン シーオッター
スーパーマリン シーオッター(Supermarine Sea Otter)は、イギリス海軍の水陸両用飛行艇。製造はスーパーマリン社。スーパーマリン ウォーラスの後継機として開発され1944年から運用が開始され、海上救難機や連絡機、哨戒機として1950年代まで使用された。イギリス海軍航空隊最後の複葉機で、シーオッターとはラッコの意味から。
概要
[編集]スーパーマリン社最後の複葉飛行艇であるシーオッターは、スーパーマリン ウォーラスの後継となる海上救難、連絡機の仕様に従い開発された。既に新型機は単葉機が当たり前となっていたが、基本的な機体配置はウォーラス同様複葉型の飛行艇形式になった。しかし、エンジンの配置は牽引式になり、機体の形状や構造も再設計された。その結果、速度、航続距離、水上での取り扱いにおいて、大きな性能向上が見られた。
試作機は1938年9月に初飛行し、量産はサンダース・ロー社で行われたが、生産の遅れにより部隊配備されたのは1943年半ばになってしまった。それでも、1944年11月に護衛空母に搭載されたのを皮切りに、巡洋艦やインド洋方面に配備された。配備時期が遅かったためウォーラス程の活躍は出来なかったが、1950年代まで連絡及び海上救難用に重宝された。
シーオッターの生産は1946年7月まで続き、合計292機生産された。
スペック
[編集]- 全長: 12.01 m
- 全幅: 14.03 m
- 全高: 4.93 m
- 全備重量: 4,536kg
- エンジン:ブリストル・マーキュリー30 空冷9気筒 855hp×1
- 最大速度: 241km/h
- 実用上限高度:4,880 m
- 航続距離: 1,200 km
- 武装
- 7.7mm機銃×2~3
- 乗員 3~4名