テクスト (批評)
文学批評におけるテクストは、文字列として印刷などされた形態の作品を指す[1][2]。一つのテクストはしばしば互いに対立する多数の解釈をもちうる[3]。
ロラン・バルトは『作品からテクストへ』(1971)で作者に関連づけられた「作品」という用語に対して中立な用語として「テクスト」を位置付けた[1]。以後、ポスト構造主義でこの概念が広く使われた[2]。
ジャック・デリダの著作「グラマトロジーについて」De la grammatologie (1967) の有名な語句「テクストの外というものは存在しない」(il n'ya pas de hors texte)[4]は言語論的転回の考え方を示したものとされる[5]。
「テクスト (英語 text)」はラテン語で「織る」を意味する単語に由来する[1]。
出典
[編集]- ^ a b c 川口喬一・岡本靖正『最新文学批評用語辞典』「テクスト (text)」p.3
- ^ a b 『コロンビア大学現代文学・文化批評用語辞典』「TEXT テクスト」p.399
- ^ 成相肇 解釈 | 現代美術用語辞典ver.2.0
- ^ John Phillips, "Derrida and Deconstruction"
- ^ 岡本裕一朗 21世紀、これからの哲学はどこに向かうのか 2016