デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団
ジャンル | RPG |
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対応機種 | PlayStation 2(PS2) |
開発元 | アトラス |
発売元 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM |
発売日 | ![]() ![]() ![]() ![]() アトラス ベストコレクション ![]() |
対象年齢 | ![]() ![]() |
コンテンツアイコン | CERO:暴力 ESRB:Blood Sexual Themes Violence |
デバイス | “PlayStation 2”専用メモリーカード(8MB)100KB以上 DUALSHOCK 2専用 |
売上本数 | 91,008本[1] |
その他 | 次作: デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王(2008年) |
『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』(デビルサマナー くずのはライドウ たい ちょうりきへいだん)は、2006年に発売されたPlayStation 2用ゲームソフト。
アトラスが手掛けるデビルサマナーシリーズの第3作目。本記事では、リメイク作品となる『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』についても説明する。
概要
[編集]本作品は、アトラスが手掛けるゲームシリーズ「女神転生」からの派生・デビルサマナーシリーズ第3作目にあたり、デビルサマナーシリーズとしては、PS2初の発売である。原案・メインキャラクターデザインの金子一馬ら、シリーズお馴染みのスタッフによって制作された。
物語上の舞台は、大正時代の日本における帝都・東京であり、時代設定も架空の大正20年である。これは、2006年の発売当時、女神転生シリーズ全体を通した既存作品が、1990年代以降の日本としていたことから、同シリーズの中でも異色の作品となった。
戦闘システムも、女神転生シリーズ全体を通して初のアクション戦闘を採用し、斬撃・銃撃を使い分けながら敵の弱点を狙う。既存作品がプレスターンバトル制で弱点を狙っていったこともあり、システム面でも大きく差別化された。
物語は、人里知れぬ「葛葉の里」に育つ主人公が、「封魔管」に封印した悪魔を仲魔として使役する悪魔召喚師(デビルサマナー)「14代目 葛葉ライドウ」を襲名することに始まる。超国家機関・ヤタガラスより、怪事件の頻発する帝都の守護を拝命されることで、探偵社で見習い修行をする書生の仮面を被りながら難事件に挑んでいく。物語展開上、人智を超えた悪魔との接点や軍事勢力への介入を余儀なくされることから、オーバーテクノロジーの登場も散見される。
なお、主人公が書生の設定であるものの、別の派生シリーズである「ペルソナ」のように、学校生活を通じたゲーム要素はない。
海外ゲームサイト「GameSpot」の2006年度「Game Of The Year」において「Most Long-Winded Game Title(もっとも長ったらしいタイトルで賞)」を受賞している。
2025年3月27日、超力兵団のHDリマスター版として、『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』(同年6月19日発売予定)が発表され、主要キャラクターの声優も含めてPR動画が公開された[2]。
ストーリー
[編集]大正20年。和の文化に刺激的な洋の文化が流入し急速に発展していた時代、「悪魔」と呼ばれる異形の者たちが帝都を脅かしつつあった。
悪魔召喚師・十四代目「葛葉ライドウ」を襲名した主人公は帝都守護の任を請け負い、表向きは探偵見習いの学生として暮らしつつ、裏の顔はデビルサマナーとして悪魔の関わる怪事件を解決していく。
ある日、帝都で探偵社を営む鳴海とその部下である葛葉ライドウの下に、一件の依頼が舞い込む。依頼主の少女、大道寺伽耶は二人に「私を殺して下さい」と告げる。そしてその真意を聞けぬまま、伽耶は鳴海とライドウの眼前で赤いマントの憲兵によっていずこかへと連れ去られてしまう。捜査の中で明らかになる伽耶の家に伝わる奇怪な伝承、事件の背後に潜む怪しげな影の存在。行く手を阻む数々の怪異を仲魔を駆使して切り抜け、ライドウは国家を揺るがすことになる事件の真相へと迫っていくのだった。
登場キャラクター
[編集]以下、プロフィールは「超公式ふぁんぶっく」を参照とする。また、2006年発売当初はフルボイスでなかったため、声優の表記は作品の発表年を併記し、それぞれ2008年をドラマCD版、2025年をHDリマスター版[3]とする。
メインキャラクター
[編集]- 主人公[4]
- 声 - 杉田智和(2025年)
- 生年:不明 / 年齢:10代後半 / 結婚:未婚 / 職業:デビルサマナー(兼探偵見習い) / 血液型:O型 / 身長:175cm / 体重:65kg / 好みのタイプ:任務があるので頓着しないようにしている / 好物:蜜がたっぷりの大学芋 / 住まい:矢来区鳴海探偵社に住み込み
- 本作の主人公。十四代目「葛葉 ライドウ(くずのは ライドウ)」の名を継いだデビルサマナーの少年。帝都守護の任を命じられている。「鳴海探偵社」で探偵見習いとして働いており、帝都各地の様々な情報を入手し、悪魔絡みの事件があればデビルサマナーとしてその解決に当たる。
- 女生徒達の話によれば、「絵草子からそのまま抜け出してきた王子様」のような極めて端正な容貌の持ち主であり、身に纏う外套の下には愛用の刀と銃、そして悪魔を収めるための管を装備する。
- 葛葉の里にて厳しい修行と命がけの試練を突破しており、驚異的な身体能力・戦闘能力を持つが、人間的な情緒には疎く寡黙無表情な傾向である。彼が人々との触れ合いを通じて経る成長も物語の見所と言える。
- 帝都にある「弓月の君高等師範学校」の生徒でもある。常に帽子をかぶっており、銭湯でも脱がない。
- ゴウト / 業斗 童子(ごうと どうじ)
- 声 - 中田譲治(2025年)
- 職業:デビルサマナーのお目付け役 / 体長:40cm(尻尾含めず) / 体重:3kg / 好みのタイプ:三毛猫……ではなく、上品な女性 / 好物:猫じゃらし……ではなく、鯖の煮込み / 興味関心:十四代目の成長具合
- 黒猫の姿だが高い知能を持つ。ゴウトの話す言葉はデビルサマナーにしか届かず、他の人には鳴き声にしか聞こえない。姿形は猫そのものなので「動物としての猫の本能」には逆らえない。口調はくだけた感じで、若輩のライドウを導く。
- ゴウトは葛葉一派の禁忌を犯した人間が戒めとして一定期間その姿にされる、一種の刑罰を受けた存在であり、各地のデビルサマナーの所へサポート兼従者として派遣されている。ライドウに付いているゴウトは葛葉一族でもかなり優れた能力を持つ1人だったらしく、デビルサマナーについてもかなり詳しい。
- ゴウトにされた経緯は不明だが、ライドウにとって非常に頼りになる存在となる。
- 鳴海(なるみ)
- 声 - 子安武人(2025年)
- 生年:1898年 / 年齢:32歳 / 結婚:未婚 / 職業:鳴海探偵社所長 / 血液型:B型 / 身長:180cm / 体重:68kg / 好みのタイプ:髪の長い女性 / 好物:珈琲とハヤシライス / 住まい:矢来区鳴海探偵社
- 帝都に建つ銀楼閣という名のビルヂングにて、オカルト事件を多く扱う「鳴海探偵社」を営む男でライドウの上司。
- 明るく飄々とした性格で、普段はなるべく楽に生きることをよしとしているため、しばしばライドウ一人に仕事を押し付けたり、報酬額で依頼を選り好みしたりとチャランポランな振る舞いを見せる。しかしその一方で困った人間は見過ごせず、また私利私欲で弱者を貶めるような輩には徹底的に立ち向かう熱い心の持ち主でもある。
- 過去の経歴には謎があり、軍部や政府筋にコネを持っている。ライドウがデビルサマナーであることも承知している。
- 海外版ではフルネームは「鳴海昌平」と紹介されているが、オリジナル版及びメディアミックス作品では一貫して「鳴海」表記であり下の名前には一切触れられていない。鳴海のモデルが松田優作ということもあって海外版の昌平の名は元ネタと混同した表記か裏設定と思われる。
- 朝倉 タヱ(あさくら タヱ)
- 声 - 森永理科(2025年)
- 生年:1908年 / 年齢:22歳 / 結婚:未婚 / 職業:帝都新報記者 / 血液型:A型 / 身長:160cm / 体重:秘密 / 好みのタイプ:物静かな男性 / 好物:珈琲とあんみつ、酒類全て / 興味関心:ジャーナリストとして有名になること
- 新聞記者として「帝都新報」に勤める女性。大正の世において、女性であることで差別されるのを嫌う勝気な性格で、女性の地位向上を目指している。
- 尊敬する平塚雷鳥にあやかって「葵鳥(きちょう)」という筆名を用いている(性別判断がつきにくい名前の方が取材に有利だという側面もある)。
- 自らの足で現場を取材し、それで記事を作成する現代的な方法を編み出したやり手だが、思い込みが激しくおっちょこちょいなため、周囲は親しみを込めて「タヱちゃん」と呼んでいる。新聞記者を務める一方、民俗学のノンフィクション作家を目指している。
- 都市における怪奇現象と民俗学的な関わりを追求しており、その調査の過程で鳴海探偵社に出入りするようになった。
- 大道寺 伽耶(だいどうじ かや)
- 声 - 鬼頭明里(2025年)
- 生年:1915年 / 年齢:15歳 / 結婚:未婚 / 職業:桜爛女学院一年 / 血液型:O型 / 身長:155cm / 体重:42kg / 好みのタイプ:自由奔放で活発な男性 / 好物:執事の中村がつくる特製プティング / 興味関心:自分自身の将来 / 住まい:矢来区大道寺邸(別館の自室)
- 古くから続く名家で、帝都でも有数の資産家である大道寺家の一人娘。「桜爛女学院」に通っており、えんじ色のセーラー服を着ている。物静かで穏やかな性格であるため、使用人や学友たちからも慕われている。
- 実は大道寺家の血筋には今回の事件の引き金となる重大な秘密が隠されており、彼女が誘拐される原因にもなっている。
サブキャラクター
[編集]- ヤタガラスの使者
- 職業:ヤタガラスの使者 / 血液型:不明 / 身長:158cm(下駄を含めると165cm) / 体重:不明 / 興味関心:国家の安泰 / 住まい:志乃田の名も無き神社に現れるが、住まいは不明
- 顔を覆面で隠した女性。天津神の系譜に連なり日本という国家を霊的に守護する組織、ヤタガラスのエージェントである。
- 帝都の守護を葛葉一族のライドウに依頼する。またライドウの活動をサポートし、異界開きの儀式や空間転移など、尋常ならざる能力を持っている。
- ライドウとは帝都郊外の名もなき神社で連絡を取り合う。なお、レベルアップに伴い変化するライドウの称号はこの人のネーミングセンスらしい。
- Dr.ヴィクトル
- 声 - 銀河万丈(2025年)
- 生年:1810年 / 年齢:推定120歳 / 結婚:未婚? / 職業:業魔殿の主 / 血液型:以前はB型 / 身長:191cm / 体重:95kg / 好みのタイプ:興味なし / 好物:食事はしない / 興味関心:新生命創造 / 住まい:矢来区筑土町金王屋地下業魔殿
- 生命創造に執念を燃やす天才科学者。「業魔殿」の主で悪魔合体や治療を行ってくれる。
- 各国を放浪した後、日本にたどり着いた。100歳を超えているという噂もある。
- 佐竹 健三(さたけ けんぞう)
- 生年:1887年 / 年齢:43歳 / 結婚:未婚だが愛人多数 / 職業:任侠 / 血液型:B型 / 身長:188cm / 体重:87kg / 好みのタイプ:勝気な女性 / 好物:湯上りに飲むサイダー / 興味関心:千寿区に降りかかる災厄は捨て置けない / 住まい:千寿区深川町の大國湯に入りっぱなしで不明
- 関東羽黒組の若頭。背中に大黒天の刺青を彫っている。弱きを助け強きをくじく、いい意味での任侠人で、配下や街の人々からの人望は篤い。
- 千寿区深川とそこの遊郭を縄張りとして統括し、銭湯・大國湯を愛用している。
- 大道寺 清(だいどうじ きよし)
- 生年:1888年 / 年齢:42歳 / 結婚:未婚 / 職業:実業家 / 血液型:AB型 / 身長:169cm / 体重:75kg / 好物:白身魚の天麩羅 / 興味関心:紡績工場の現状、姪の伽耶の鬼憑き
- 大道寺家当主、猛の弟で伽耶の叔父にあたる。病に倒れた猛に代わり大道寺家を支えようとしているが、力不足なのは否めない。
- 深川に紡績工場を持っていたが経営が破綻してしまい、金策に苦労している。工場の部下達や周囲への心配りには優れた気性の優しい人物のようだ。
- ラスプーチン
- 声 - 武内駿輔(2025年)
- 生年:不明 / 年齢:不明 / 結婚:未婚 / 職業:フリーのダークサマナー / 血液型:不明 / 身長:187cm / 体重:230kg / 好みのタイプ:美しい女性なら誰でも / 好物:ウォッカ / 興味関心:即物的な快楽
- 1916年に暗殺されたとされるロシアの怪僧。本作品の設定では実は死んではおらず、死を偽装して生き延びていた(史実でも“不死身”だと噂されていた)。
- 「魔トリョーシカ(マトリョーシカ)」というロシアの民芸品を模した封魔具から悪魔を召喚するダークサマナー。自己の欲望に忠実な人物で、金のためならどんな依頼でも引き受ける。現在はある雇い主の意向により、超力兵団計画をサポートすべく、日本の帝都に潜伏中である。
- 宗像(むなかた)
- 声 - 小山力也(2025年)
- 生年:1884年 / 年齢:46歳 / 結婚:既婚 / 職業:日本帝國陸軍少将 / 血液型:A型 / 身長:172cm / 体重:73kg / 好みのタイプ:古き良き時代の大和撫子 / 好物:妻の作った素朴な家庭料理 / 興味関心:将来のための国力増強 / 住まい:陸軍関連施設に寄宿
- 日本帝国陸軍少将にして超力兵団計画を発足させた人物。「超力戦艦」「超力戦車」「超力光線」といった超兵器の開発を提案し、それらを以って欧米列強の脅威に対抗すべきだとしていた。
- 当然議会や軍部首脳からは非現実的と却下されたが、彼は何らかの魔的な力と手を結び、計画を現実化すべく様々な活動を秘密裏に行っているようだ。
システム
[編集]- 封魔術
- 戦闘で出会った敵悪魔は弱点を突いて動きを止めた後、「封魔術」によりライドウの持つ管に封印することで仲魔(仲間の悪魔)にすることができる。ただし、自分のレベルより高い悪魔、悪魔が凶暴化する満月時は封魔できない。また封魔に条件がある種族、屍鬼ゾンビー・ボス悪魔など封魔できない種族もいる。
- 仲魔
- 封魔した仲魔は戦闘時に召喚することで、一緒に戦うことができる。約80種類の仲魔はそれぞれに能力に違いがあり、管属別に分けられる。また、『真・女神転生III』同様、仲魔も戦闘で経験を積むことでレベルアップする。
- 管属
-
- 紅蓮属 - 火を司る悪魔の総称。
- 銀氷属 - 水や氷を司る悪魔の総称。
- 雷電属 - 雷を司る悪魔の総称。
- 疾風属 - 風を司る悪魔の総称。
- 蛮力属 - 力を司る悪魔の総称。
- 外法属 - 邪を司る悪魔の総称。
- 技芸属 - 芸を司る悪魔の総称。他の管属とは逆に満月時でないと封魔できない。
- 悪魔合体
- 本作の悪魔合体システムは「バイナリー」「サクリファイス」「シュミット」の三種に分類される。悪魔合体は業魔殿で行える。
- バイナリー
- 二体の悪魔を合体させ一定の合体法則に基づいて新しい仲魔を作り出す。いわゆる二身合体。悪魔両者の忠誠度がMAXである必要がある。希に合体事故が発生し予期しない悪魔が生まれることもある。
- サクリファイス
- 一方の悪魔に他方の悪魔を吸収させてステータスアップを行う。吸収する側の個体はそのままで、能力値のみが吸収される側の成長度合いによって上昇する。忠誠度MAXでなくても合体できる。
- シュミット
- ライドウの持つ刀(赤光葛葉)に悪魔を吸収させてパワーアップさせる。いわゆる剣合体。悪魔の忠誠度がMAXである必要がある。吸収した悪魔の種族とレベルによって性能、そして剣銘が変化する。
- 合体技
- 仲魔は戦闘中、敵の弱点を突いたり、敵の攻撃を無効化することで、テンションが上がっていく。そして、テンションが最大値に達すると、ライドウと仲魔が協力する専用技を繰り出すことができる。仲魔の魔力をライドウの刀や銃にこめて攻撃したり、特定の攻撃を防ぐバリアを張るなど、仲魔ごとに多彩な技を持っている。
- 仲魔の特殊能力
- 仲魔は様々な特殊能力(捜査スキル)を持っており、能力を活かした捜査を行うことができる。どんな仲魔も管属に依存する捜査スキルを必ず一つ所持しており、仲魔によってはもう一つ捜査スキルを持つ。ちなみに捜査スキルの使用による消耗はない。
- 捜査スキル
-
- 発火
- 紅蓮属特有の能力。主に捜査対象の心を燃え上がらせるが、場合によっては物に火をつけることもできる。
- 冷却
- 銀氷属特有の能力。主に捜査対象の心を落ち着かせるが、場合によっては水を凍らせることもできる。
- 現場検証
- 雷電属特有の能力。隠された物を発光させる。
- 偵察
- 疾風属特有の能力。周囲の敵や宝物を探索する。アイテムを拾ってくることもある。
- 力まかせ
- 蛮力属特有の能力。捜査対象(重い物)を動かす。
- 読心術
- 外法属特有の能力。捜査対象の心を読む。
- 匠の技
- 技芸属特有の能力。移動中にたまに職人芸を披露しようとする。実行させると、仲魔の一人(ライドウ含む)に様々な効果を及ぼしたり、アイテムを変化させたりする。
- 侵入
- 狭い場所に入れる。主に体の小さな仲魔が所持する。
- 飛行
- 高い所にある物を取ったりする。主に空を飛べる仲魔が所持する。
- 色じかけ
- 魅惑の空気を放ち、捜査対象を魅了することができる。主に色気のありそうな仲魔が所持する。
- ゼニ・ガットメン
- 移動中、たまにお金を拾う。
- ヒロ右衛門
- 移動中、たまにアイテムを拾う。
- インネンオーラ
- 次の新月まで、敵に遭遇する確率を上げる。
- 高嶺の花
- 次の新月まで、敵に遭遇する確率を下げる。
- 単独捜査
- 操作キャラを仲魔に切り替えて、仲魔に捜査させることができる。ライドウでは進入できないような場所を捜査することができるが、単独捜査時に敵と遭遇した場合は仲魔のみで戦わないといけない。
舞台
[編集]舞台となるのは大正二十年の帝都・東京。文明開化より60余年を経たここでは多くの人が集ったためか、現実と「異界」の狭間があいまいになり、悪魔と呼ばれる存在が姿を現しては様々な怪事件を引き起こしている。悪魔は通常の人間には見ることや自分から触れることはできないが、霊感の高いデビルサマナーはそれら異形の存在を感じ、倒すこともできる。都民の足は主に電車で、帝都を縦横無尽に行き来している。
- 矢来区 筑土町(やらいく つくどちょう)
- 現在の新宿区神楽坂にあたる。東西は坂上と坂下、南北は神楽坂と軽子坂に挟まれた地域。富士子パーラー、老舗甘味屋「釘膳」、そば屋「伊坂屋」などの商店街、多聞天を奉った寺院などがある。
- 金王屋(こんのうや)
- 軽子川沿いにある由緒正しい古物商。店主曰く「帝都随一」とのことで銃弾、傷薬、護符、酒など様々な道具を販売している。道具の下取りも行っており、特に古美術品は高額で買い取っている。『真・女神転生デビルサマナー』に子孫が登場している。
- 業魔殿(ごうまでん)
- 金王屋の地下にあるDr.ヴィクトルの研究所。悪魔の情報を分解・再構築する生命情報攪拌装置があり、悪魔合体を行ってくれる。また、怪我や状態異常の治療も行っており、死んだ仲魔すら生き返らせると言われている。デビルカルテにはデビルサマナーの仲魔の情報が記載されており、登録された悪魔はお金を払うことで召喚することができる。
- 鳴海探偵社(なるみたんていしゃ)
- 銀楼閣の三階にある鳴海の探偵社。最先端の設備が揃えられており、2号自動式卓上電話やタイプライター、蓄音機や雀卓まである。行動の記録や捜査記録の閲覧ができる。ちなみに銀楼閣があるのは、現在で言えばアトラス本社がある辺りになる。
- 中条区 銀座町(ちゅうじょうく ぎんざちょう)
- 大きな建造物が並び、モダンガール、モダンボーイが行き交う帝都最大の繁華街。道も広く、路面電車が走っており、自動車の姿も見える。この地域で怪人「赤マント」が出没すると世間を騒がせている。
- 千寿区 深川町(せんじゅく ふかがわちょう)
- 江戸時代の佇まいを今なお残す下町。極道の関東羽黒組が幅を利かせている。
- 銭湯「大國湯」や見世物小屋、遊郭などがある。
- 港東区 晴海町(こうとうく はるみちょう)
- 海に面した景勝地で、赤レンガや石畳が目立つ異国情緒溢れるハイカラな港町。外国人住宅や帝国海軍の本拠海軍省があり、遠景には鉄塔のそびえる桜田山が見える。
- 志乃田(しのだ)
- 帝都の中心から遠く離れた地域。志乃田の山奥にひっそりと立っている名も無き神社があり、葛葉一族が利用している。デビルサマナーがある合図をすることでヤタガラスからの使者を呼び出すことが出来るという。
- 葛葉の里(くずのはのさと)
- 帝都より遠く離れた何処とも知れぬ場所にある葛葉一族の里。古より脈々と悪魔召喚の技を伝えてきた場所で、十四代目「葛葉 ライドウ」はここで厳しい修行を積み、誉ある「葛葉 ライドウ」を襲名した。
用語
[編集]超力戦艦
[編集]超力戦艦オオマガツ、ヤソマガツは、大日本帝国の「超力兵団計画」の一環で作られた軍艦である。この超力戦艦は、大正20年という架空の時代であっても不可能とされた兵器であり、悪魔や魔術、未来の科学技術の力を導入して完成された。通常の命名慣例によれば、戦艦には旧国名が与えられるが、宗像ら陸軍によって秘密裏に建造されたため、1番艦にオオマガツ、2番艦にヤソマガツと、日本神道の神の名前が付けられた。そもそも超力戦艦は正式に配備された艦ではなく、この艦名が正式なものかは作中において断定できない(禍津日神を参照)。
超力戦艦は超力兵団計画の集大成であり、単なる艦艇としてだけでなく上陸部隊や人工衛星などが一体となった運用システムを取っていた。そのため他の超力兵団の兵器も、本艦の装備と捉えることが出来る。
ヒルコ
[編集]ヒルコは作中に登場する悪魔の一種である。骨を持たない筋肉の塊のような悪魔で、空をゆっくりと浮遊する。自分だけでは大した力を持たない為に他の生物や物質に憑りついて働く性質を持つ。また人間が感じる脳内の不安物質を食らって成長するため人間に憑りつく。さらにある程度の成長段階を経て、宿主を包み込む「赤マント」と呼ばれる怪人の姿に変身し、憑依する宿主が不安に感じている元凶を攻撃したり、暴れだしたりする。最終的に宿主は、廃人になってしまいゾンビーになってしまう。
超力兵団計画におけるヒルコは、超力戦艦の筋肉の役割と超力超兵を作るために必要な悪魔であった。このために超力兵団事件が発生した。
超力超兵
[編集]正式名称は、「九一式不死身兵」である。帝都のあちこちで目撃され、赤い憲兵と呼ばれている。当初、宗像は、「強固なプロテクターに守られた不死身のごとき兵」として考案した。しかしスクナヒコナによりヒルコ因子によって人間を「ヨミクグツ」としたものを使用する。装備は、小銃、携帯可能な小型機関銃、軍刀など。また四十代目ライドウにより、状況や装備に合わせてパーツを付け替えられるパルスシステムの概念が加えられた。これらは将来世界の装備運用体系が反映されている。さらに艦内で揚陸艦のように待機せずとも、悪魔召喚によって呼び出すことで超力戦艦と共に戦闘できるようにもなった。
ヒルコに憑依された人間は赤マントと呼ばれる怪人になってしまうため、ヨミクグツは頭に信号を送る特殊プラグを打ち込んで特殊電波で操作する。またこのプラグによって怪人の状態を維持させることが出来る。
なお、ヨミクグツは、続編の「対アバドン王」にも登場した。
和電イ号基
[編集]帝都桜田山(モデルは愛宕山)にある、かつて海軍無線電信網調査委員会が視察した明治三十四年、米國紐育郊外のワーデンクリフに建てられた大無線伝送鉄塔ビヒモスタワーによく似た形の鉄塔である。
陸軍によって建造され、他にロ号基・ハ号基・ニ号基・ホ号基の計5基が帝都の各地に建っている。超力兵団計画により、5基の鉄塔からは特殊電波が送信されている。これは帝都中のヒルコ因子を活性化させ、ヒルコを通常の状況よりも大量に発生させ、かつ成長を促進させる目的がある。2つ目の役割は、ヨミクグツへの信号である。そして3つ目が衛星タイイツからエネルギーを受けて電線を用いず無線で電力を供給することである。
なおこれは将来技術ではなく、現実の当時の時代に米國のある異端な天才科学者により実現されていた技術である。
こちらも続編の「対アバドン王」にも登場した。
衛星タイイツ
[編集]宗像の超力兵団計画の根本的欠陥、エネルギー問題を一挙に解決した、まさに超力戦艦の根本とも言える動力部である。永久機関によって作り出したエネルギーを電気に変え、地上に送電する。この疑似的な永久機関の仕組みは、まずタイイツが地球を自転するエネルギーを「EL200(200番目の元素)」という物質によって回収し、タイイツプラグによって電気に変換するというものである。これにより、地球が止まらない限りエネルギーを回収し続けることが出来た。
この衛星外部に武装はなく外敵に備えることはできないが、この大正二十年の世界で宇宙に進出できる勢力は他にいないと考えられたためである。ただし内部には悪魔召喚プログラムがあり、侵入者を攻撃するように設計されている。また侵入者を感知すると余剰エネルギーを使用した3基のガードシステムが作動、タイイツプラグの周囲を防御結界で保護する。
タイイツのエネルギーは強大であり、和電イ号基などの地上施設が破壊されても直接超力戦艦に電力を送り続けることができる。
超力兵団事件
[編集]大正二十年の帝都に発生した「赤マント」「大道寺家令嬢失踪」「帝都大震災」の一連事件で超力戦艦が関わった戦闘である。
宗像、スクナヒコナ、四十代目ライドウと陸軍の不審な行動は、帝都で相次ぐ怪事件と結びつけられた。このため「超国家機関ヤタガラス」や海軍らの密偵が進められた。外部の密偵が続く内に超力兵団計画は、隠しきることが出来ない状況に追い込まれ、遂に超力戦艦の存在まで明らかになってしまう。このため宗像はクーデターを起こし、超力戦艦を含めた超力兵団は帝都で戦闘することになる。
超力戦艦の所属
[編集]作中でハッキリと言及されていないものの、超力戦艦は陸軍少将宗像が発案し、陸軍の地下造船所で秘密裏に建造された。このため超力戦艦は陸軍に属すると推察される。また海軍関係者が超力戦艦の存在を把握していないという描写や、逆に陸軍関係者が超力兵団計画を好意的に受け止めている描写がなされている。さらに他の超力兵団計画の兵器も陸軍が開発・建造している点からも、陸軍の所属と見做すことが出来る。加えて現実でも陸軍が艦船を装備していることもあり、超力戦艦が戦艦といっても海軍の所属ではないことが考えられる。
超力戦艦が陸海軍のどちらに正式に採用されていたのか不明だが、本級は一貫して四十代目ライドウの使役する悪魔として登場する。
事件後
[編集]赤い憲兵や悪魔、巨大な人型機動兵器が帝都を破壊したという事実は隠蔽され、被害の原因は帝都の南を震源とする大型地震によるものとなった。首謀者・四十代目ライドウも本当に未来人の介入だったのか、あるいは、大道寺伽耶本人の一時的な精神障害という可能性を匂わせつつ終息した[5]。
スタッフ
[編集]- エグゼクティブプロデューサー - 猪狩茂
- プロデューサー - 板垣耕三
- 原案・アートディレクター - 金子一馬
- ディレクター - 山井一千
- 脚本 - 小森成雄
- 脚本監修 - 礒貝正吾
- 音楽 - 目黒将司
- メインプログラマー - 大山智
- チーフデザイナー - 石田栄司
- 企画・構成
- 戦闘システム - 平田弥、渡邊勝、北山杉太郎、八木健夫
- 悪魔合体・サブシステム - 後藤健一、礒貝正吾
- イベント - 小森成雄、山本眞司、大場亜希
- システム監修 - 北野誠、新納一哉
- 背景 - 渡邊龍也、高屋王子、渡邊勝、平野聖二、富井雅志、坂本祐樹
- プログラム
- 戦闘プログラム - 肥後聖亨
- 戦闘エフェクト・演出・敵思考 - 小森祥弘
- 戦闘エフェクト補助 - 佐々木雅和
- イベント・悪魔合体・サブシステム - 池田高明
- 背景 - 大山智
- 背景補助・サブシステム - 宮下幸伸
- デザイン
- サウンド
- 音響 - 吉川健一、國島憲一、島田有子(トランザート)、土屋憲一
- 音響協力 - S-FORCE
HDリマスター版
[編集]![]() | この節は、発売前あるいは配信・稼働開始前のコンピュータゲームを扱っています。 情報が解禁されていくに従い、この項目の内容も大きく変化することがありますのでご注意ください。 |
『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』(ライドウ リマスター: ちょうりきへいだん きたん)は、2025年6月19日発売予定のマルチハード対応ゲームソフト。
前述「#概要」の通り、2006年版の「対 超力兵団」を元に制作されたHDリマスター版である。
2025年3月27日、ニンテンドーダイレクトにて、本作品「超力兵団奇譚」の発売決定が発表された[2]。メインストーリーの粗筋はそのままに、グラフィックや戦闘システムなどの向上、仲魔などの追加要素が謳われている[3](2025年3月現在)。ディレクター・プロデューサーは2006年版に引き続き、山井一千[2]、対応ハードはSwitch・Switch2・PS5・PS4・Xbox Series X/S・Steam[6]。
関連書籍
[編集]- デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団 超公式ふぁんぶっく(ISBN 4-7577-2847-6 2006年6月14日発売 エンターブレイン)
- 本作の設定資料集。他にも「真・女神転生シリーズ」の様々な設定が解説されている。
小説版
[編集]『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 死人驛使』(デビルサマナー くずのはライドウ たい しびとえきし)は、2006年10月30日に発売された小説。ISBN 4-7577-2914-6。PS2用RPG『デビルサマナー 葛葉ライドウ』のノベライズで、『超力兵団』のプレ・ストーリーにあたる。著者は蕪木統文、キャラクターデザインおよびイラストは金子一馬が担当。
ストーリー(小説)
[編集]大正二十年の帝都でささやかれる「東京驛で死人が歩く」という噂の謎を追う十四代目「葛葉ライドウ」の目の前に立ちはだかる不死の強敵。そして、謎のデビルサマナー「葛葉キョウジ」とは…。
登場人物(小説)
[編集]- 十三代目・葛葉 ライドウ
- 先代のライドウ。「孤陋の妖闘人(ころうのようとうにん)」と呼ばれ、ゴウトやヤタガラスの使者ともほとんど接触することなく、一人で数多くの悪魔を屠ったとされるデビルサマナー。
- 初代・葛葉 キョウジ
- ライドウとは別の家系のデビルサマナー。白い着流しに雪駄を履き、七星剣を持ちヤクザのような風貌をしている。「だしゃ」が口癖。陰陽系の術が得意だが、任務達成のためならば犠牲者をいくら出すことも厭わないため、他のサマナーからは疎んじられ「狂死(キョウジ)」と呼ばれる。『真・女神転生デビルサマナー』に登場し平成の世で悪魔退治業を務める葛葉キョウジはこれの末裔。
- 『アバドン王』では別件依頼(いわゆるサブクエスト)の依頼人の一人として「葛葉狂死」名義で文章のみの登場。漫画『コドクノマレビト』6巻の描き下ろしエピソードや巻末のラフイラストにも登場。
- ヨシオ、音江(ネエ)
- 淀橋本願寺に住まう十代はじめの兄妹。東京驛で見掛けたという生き別れた母親の捜索をライドウに依頼する。
- ドアマース
- ケルト神話の冥界の入口に立つとされる番犬。ライドウの仲魔で反抗的に振舞うが、その好意を隠しきれていない。身体能力に優れ白兵戦や、相手の魔法詠唱を無効化する「スタンハウリング」を駆使し活躍する。
- サイガ
- 顎鬚を生やした壮年の華族男性。物語においては白のタキシードを着込み、ある意図の下に東京驛にてパアティを開催する。ある歴史上の人物の末裔でもある。
- アルカード
- 人間の生き血をすする青鈍色の翼の蝙蝠悪魔で、現在はサイガに使役されている。十三代目ライドウでさえ斃しきれなかった驚異的な再生力の持ち主。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『ファミ通ゲーム白書2007』エンターブレイン、2007年、393頁。ISBN 978-4-7577-3577-4。
- ^ a b c “『葛葉ライドウ対超力兵団』がHDリマスター化。『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』6/19発売【ニンダイ】”. 電撃ONLINE. (c) KADOKAWA Game Linkage Inc. (2025年3月27日). 2025年3月27日閲覧。
- ^ a b “『ライドウ リマスター: 超力兵団奇譚』キャラクター&ゲームシステム情報が公開。進化したバトルやファストトラベル機能などの新要素が明らかに”. ファミ通.com. (c) KADOKAWA Game Linkage Inc. (2025年3月28日). 2025年3月28日閲覧。
- ^ 名前は自由に付けられる。公式ガイドブックおよびスクリーンショットでは「葛葉 ライドウ(くずのは ライドウ)」、小説版では「錠平(じょうへい)」となっている。
- ^ ただし、未来由来の技術の存在は疑いようのない事実である。そしてライドウは首謀者の動機となる未来世界のあり様を垣間見ている。
- ^ “「RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚」Switch 2版を6月19日に発売。ファンミーティング&プレミアム体験会を5月17日に開催”. 4Gamer.net. © 2000-2025 Aetas, Inc. (2025年4月3日). 2025年4月3日閲覧。