ドゥシャン・ミタナ

ドゥシャン・ミタナ(Dušan Mitana、1946年12月9日 - 2019年5月22日)は、スロバキア小説家ミステリー作家脚本家。作品は17の言語に翻訳されている。代表作は『消えた作家を追って』(Hľadanie strateného autora, 1991)、『スロバキアのポーカー』(Slovenský poker, 1993)。社会の黒幕に立ち向かうアーティストやメディア関係の人間を好んで取り上げる。

経歴

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ブラチスラヴァのコメニウス大学(en)でジャーナリズムを学んだ後、美術大学で映画を専攻。

共産党政権による検閲が厳しかったチェコスロバキアで1970年、短編集『辛い日々』(Psie dni)でデビュー。1972年には『パタゴニア』(Patagónia)を発表。その後、映画やテレビドラマの脚本の執筆に転じ、『愛の学校』(Škola lásky, 1973)、『ダイナマイト』(Dynamit, 1974)、『シャバート大佐』(Plukovník Chabert, 1976)、『世界の果てまで私は走る』(A pobežím až na kraj sveta, 1979)を書いた。1976年、短編集『夜のニュース』(Nočné správy)で話題を呼んだが、1978年の『出発点で』で共産党系の出版社に目を付けられ、出版界から追放された。その後、1984年に犯罪小説『芝居の結末』(Koniec hry)を完成させたが、検閲官による無断の多くの修正を経て出版されたこの作品により、ミタナの名声は失墜し、ふたたび出版界から追放された。

1989年、共産党政権が崩壊し、検閲は撤廃。ミタナも出版界に復帰し、『消えた作家を追って』(1991)、『スロバキアのポーカー』(1993)、『草案』(Prievan, 1996)、『風の流れ』(1996)、『キリストの蘇生』(Návrat Krista, 1999)など次々と新作を発表している。

2019年5月22日に死去。72歳没[1]

日本語訳作品

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参考文献

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  • マレック・カミンスキ「スロバキアのミステリー事情 ミステリーのなかのミステリー」(訳:吉崎由紀子、光文社『ジャーロ』6号(2002年冬号))

脚注

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関連項目

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