ドルヒユ族
ドルヒユ族(サンスクリット語 द्रुह्यु Druhyu)は、古代インドの宗教文献『リグ・ヴェーダ』に言及される部族のひとつ。十王戦争に、プール族をはじめとする十王軍のひとつとして参戦し、スダース王率いるトリツ族・バラタ族軍に敗れた。
活動範囲
[編集]インドの北西部、特にガンダーラ地方にいた部族とする説が有力である。叙事詩やプラーナは揃って、ドルヒユ族がいた場所を「北方」と述べている。「ドルヒユ族は、シンドゥ七大河地方から追い出され、ガンダラ王の時に北西部に住みつき、その地はガンダーラと呼ばれるようになった。さらに後代には、プラチェータス王の王子たちが、北方に定住するようになった。」と、プラーナには述べられている。
- プラーナとは、具体的に、『バーガヴァタ・プラーナ』(9.23)、『ヴィシュヌ・プラーナ』(4.17)、『ヴァーユ・プラーナ』(99)、『ブラフマーンダ・プラーナ』(3.74)、『マツヤ・プラーナ』(48)である。
- 『ヴィシュヌ・プラーナ』では具体的に、ガンダーラ、アラッタ、セートゥにいた、と説明している。
- 『リグ・ヴェーダ』を根拠としてドリフユ族をガンダーラと結びつける説もある(1.126.7)。
インド神話
[編集]『マハーバーラタ』の神話においては、ドルヒユというひとりの人物に擬人化されている。同じくプール族はプールに、アヌ族はアヌに、ドルヒユの兄弟として擬人化されている。