ニトロフラン
ニトロフラン(英: Nitrofurans)は、フラン環にニトロ基が結合した有機化合物の総称。抗生物質や抗菌剤として利用される。
主なニトロフラン類
[編集]主なニトロフラン類には、下記のようなものがあげられる。
- フラゾリドン - 抗菌剤。代謝生成物は3-アミノ-2-オキサゾリドン(AOZ)およびセミカルバジド
- フリルフラマイド - 食品用保存料、通称「AF2」。1974年以降日本では使用禁止(ただし現在では生体への毒性は否定されている)。
- ニトロフラントイン (Nitrofurantoin) - 抗菌剤。代謝生成物は1-アミノヒダントイン(AHD)
- ニトロフラゾン - 抗菌剤。ニトロフラール (Nitrofural) とも呼ばれる。代謝生成物はAOZおよびセミカルバジド
- ニフラテル (Nifuratel) - 婦人科用抗感染症薬。
- ニフラキナゾール (Nifurquinazol) - 抗菌剤。
- ニフルトイノール (Nifurtoinol) - 抗菌剤。
- ニフロキサジド (Nifuroxazide) - 抗生物質。
- ニフルチモックス (Nifurtimox) - 抗寄生虫薬。
- ニフルジド (Nifurzide) - 抗感染症薬。
- フラルタドン(Furaltadone) - 動物用医薬品。代謝生成物は3-アミノ-5-モルフォリノメチル-2-オキサゾリドン(AMOZ)
規制
[編集]ニトロフラゾン、ニトロフラントイン、フラゾリドン及びフラルタドンは動物用医薬品として細菌性感染症の治療に用いられるが、食用動物へは日本および欧州連合では上記4種類、アメリカ合衆国ではニトロフラゾンとフラゾリドンの使用が禁止されている[1]。日本の法令では、『食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質』に指定され、一日摂取許容量は定められていない。分析には、代謝生成物であるAOZ、AHD、AMOZおよびセミカルバジドを対象とするが、セミカルバジドは食品容器の添加剤に由来するケースもある[2]。2007年度の調査では、中国・台湾産ウナギ、ベトナム・インドネシア産エビ、インド・ベルギー産加工卵からの検出例がある[3]。
脚注
[編集]- ^ 卵加工品に混入したニトロフラン剤に関する要請書(2003年4月23日、日本生活協同組合連合会より厚生労働省医薬品局食品保健部 監視安全課 輸入食品安全対策室に宛てた要望書)
- ^ 厚生労働省 2012年3月12日開催 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会報告(案) (PDF)
- ^ 輸出国における農薬等の使用状況等に関する調査 (PDF)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Nitrofurans - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス