ブナゾシン
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com | 国別販売名(英語) International Drug Names |
識別 | |
CAS番号 | 80755-51-7 |
ATCコード | none |
PubChem | CID: 2472 |
ChemSpider | 2378 |
UNII | 9UUW4V7G2H |
ChEMBL | CHEMBL188185 |
化学的データ | |
化学式 | C19H27N5O3 |
分子量 | 373.46 g·mol−1 |
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ブナゾシン[1](Bunazosin)は、アドレナリンα1受容体拮抗薬である[2]。ブナゾシンは当初、前立腺肥大症(BPH)の治療薬として開発された。日本では緑内障の治療薬として外用剤が承認されている。本剤の作用機序は、ぶどう膜強膜経路からの房水流出を促進し、眼圧を低下させる。また、眼神経への血流を改善する作用も期待されている。アドレナリンα1受容体拮抗薬の全身投与は、術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome;IFIS)に関与していると言われている。ブナゾシンにも同様の作用がある可能性があるが、白内障手術のリスクとして立証した研究はない。
効能・効果
[編集]- 錠0.5mg/錠1mg
- 本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症[3]
- R錠3mg/R錠6mg
- 高血圧症[4]
- 0.01%点眼液
- 緑内障、高眼圧症(他の緑内障治療薬で効果不充分な場合)[5]
副作用
[編集]- 失神
- 意識喪失
作用
[編集]ブナゾシンはアドレナリンα1受容体を高選択的に阻害し、α2受容体への作用は極めて弱い(選択性[注 1]:0.0029。参考、非選択性α受容体拮抗薬フェントラミンの選択性:2.19)[6]:12。したがって、交感神経シナプス後のα1受容体を阻害して信号伝達を遮断するが、シナプス前のα2受容体を阻害せず、ノルアドレナリンの負のフィードバックを遮断しないため、ノルアドレナリンの過剰分泌を惹起しない。
注釈
[編集]- ^ 数字が小さい方が選択性が高い。
参考資料
[編集]- ^ “KEGG DRUG: ブナゾシン”. www.genome.jp. 2021年11月4日閲覧。
- ^ “Pharmacokinetic and pharmacodynamic properties and therapeutic use of bunazosin in hypertension. A review”. Arzneimittel-Forschung 45 (11): 1166–71. (November 1995). PMID 8929232.
- ^ a b “デタントール錠0.5mg/デタントール錠1mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年11月4日閲覧。
- ^ a b “デタントールR錠3mg/デタントールR錠6mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年11月4日閲覧。
- ^ “デタントール0.01%点眼液 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2021年11月4日閲覧。
- ^ “デタントールR錠3mg/デタントールR錠6mg インタビューフォーム”. www.info.pmda.go.jp. 2021年11月4日閲覧。