レフ (通貨)

ブルガリア・レフ
български лев  (ブルガリア語)
The first Bulgarian banknote, 1885.
ISO 4217
コード
BGN
中央銀行ブルガリア国立銀行
 ウェブサイトwww.bnb.bg
使用
国・地域
ブルガリアの旗 ブルガリア
固定レートユーロ (€) = 1.95583 レフ
補助単位
 1/100ストティンカ
通称kint[1]
複数形levove, numeric: leva
 ストティンカストティンキ
硬貨1, 2, 5, 10, 20, 50 ストティンキ, 1, 2 レフ
紙幣5, 10, 20, 50, 100 レフ
硬貨鋳造ブルガリア造幣局
 ウェブサイトwww.mint.bg

レフlevブルガリア語лев) 複数形:レヴァlevaлева )は、1881年から使用されているブルガリア通貨単位。国際通貨コード(ISO 4217)は、BGN。補助通貨単位はストティンカ(stotinka、複数形:stotinki ストティンキ)で、1レフ=100ストティンキ。

概要[編集]

1997年よりドイツマルクを基軸通貨とする固定相場制を採用。欧州通貨統合により基軸通貨はユーロとなり、€1=1.95583レヴァ固定。

19世紀頃のブルガリア語では、レフは獅子という意味を持っていた(現代ブルガリア語では、獅子はルフ(luv、ブルガリア語:лъв)である)。これはオランダターラー銀貨をもとに発行されていたライクスダアルダー(rijksdaalder)という大型銀貨に由来する。ライクスダアルダーはライオンの像を彫っており、それゆえリューエンダーラー(leeuwendaler、ライオン・ドル)という別名があった。リューエンダーラーがオスマン帝国領内に流通し、ブルガリアやルーマニアではライオンが銀貨の別名になった。

1999年7月5日、デノミネーションが実施され、1,000旧レヴァは1新レフと同等の価値とされた。デノミネーション前の旧レフの国際通貨コードは、BGLである。

2020年7月10日、クロアチア・クーナと同時にERM2加盟が承認された[2]

2022年5月27日、ブルガリア政府は2024年からのユーロ導入の計画を承認し[2]ユーロ硬貨のデザインも決定していたが、収斂基準の一つであるインフレーション率を期限までに満たすことができず、ユーロ導入は2025年1月若しくは同年7月以降まで延期されている[3]

硬貨と紙幣[編集]

現在流通している硬貨は、1, 2, 5, 10, 20, 50ストティンキ, 1, 2レフの8種類である。50ストティンキ以下の硬貨は1999年に、1レフ硬貨は2002年に、2レフ硬貨は2015年に発行が開始された。材質は、1, 2, 5ストティンキがメッキ鋼鉄(ただし発行初年の1999年のみ銅・アルミニウムニッケルの合金)、10, 20, 50ストティンキが銅・ニッケル・亜鉛の合金、1レフが外周黄銅・内側白銅バイメタル貨、2レフが外周白銅・内側ニッケル黄銅のバイメタル貨となっている。

現在流通している紙幣は、5, 10, 20, 50, 100レフの5種類である。このシリーズは1999年に発行が開始されたが、100レフ紙幣のみは2003年に発行が開始された。このシリーズの紙幣は、左側に人物肖像が描かれ、右側に透かしが入っている。このシリーズの紙幣が発行開始された当初は、1, 2レフの紙幣も発行されていたが、これら2種類は後に同額面の硬貨に取って代わられ、1レフ紙幣は2016年1月1日、2レフ紙幣は2021年1月1日に流通停止となり、現在は金融機関での交換のみ認められている。

脚注[編集]

  1. ^ The nickname for lev can be both kint (masc) and kinta (fem), inflected accordingly for plurals and numerical values (kinta, kinti); stotinka – which literally simply means hundredth (diminutive) – is usually shortened to stinka.
  2. ^ a b ブルガリア政府、24年1月のユーロ導入計画承認 議会審議が課題”. ロイター (2022年5月30日). 2023年1月8日閲覧。
  3. ^ ロイター編集「ブルガリアのユーロ導入、数カ月後ずれも=中銀総裁」『Reuters』、2024年4月19日。2024年6月20日閲覧。

関連項目[編集]

いずれもレフと同じ「獅子」という意味の通貨を使用している。

外部リンク[編集]