プルラナーゼ
プルラナーゼ(Pullulanase、EC 3.2.1.41)は、プルランを分解するグルカナーゼの一種であり、細胞外酵素である[1][2][3]。系統名は、pullulan 6-glucanohydrolase。GH13ファミリー。
概要
[編集]Bender & Wallenfels(1959)によりAerobacter aerogenes(後にKlebsiella aerogenes)から見いだされた酵素で、プルランのα-1,6グルコシド結合を加水分解し、α-マルトトリオースを生成する。この酵素が、澱粉やグリコーゲンのα-1,6グルコシド結合をも加水分解するので、澱粉糖化で注目され、種々の細菌から分類され、実用化されている[4]。
プルラナーゼは細胞の表面に固定されるリポタンパク質としてクレブシエラ属のグラム陰性菌によって生産される。またその他の細菌や古細菌も生産することがある。I型プルラナーゼはα-1,6結合を特異的に切断するのに対し、II型プルラナーゼはα-1,4結合も加水分解することができる。プルラナーゼは、穀物からエタノールや甘味料を製造する過程で用いられる。
応用
[編集]プルラナーゼの逆反応を利用して、サイクロデキストリンとマルトースとの高濃度液から、効率良く分岐サイクロデキストリンを生成することができる[4]。
出典
[編集]- ^ Lee, E.Y.C. and Whelan, W.J. (1972). “Glycogen and starch debranching enzymes”. In Boyer, P.D.. The Enzymes. 5 (3rd ed.). New York: Academic Press. pp. 191–234
- ^ Bender, H. and Wallenfels, K. (1966). “Pullulanase (an amylopectin and glycogen debranching enzyme) from Aerobacter aerogenes”. Methods Enzymol.. Methods in Enzymology 8: 555–559. doi:10.1016/0076-6879(66)08100-X. ISBN 9780121818081.
- ^ Manners, D.J. (1997). “Observations on the specificity and nomenclature of starch debranching enzymes”. J. Appl. Glycosci. 44: 83–85.
- ^ a b 『澱粉の科学と技術 -澱粉研究懇談会50年の歩みと展望-』 ISBN 978-4990528706
関連項目
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外部リンク
[編集]- pullulanase - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス