ヘロデヤ
ヘロデヤ | |
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ポール・ドラローシュによるヘロデヤ | |
死去 | 39年以降 ヒスパニア |
配偶者 | ヘロデ |
ヘロデ・アンティパス | |
子女 | サロメ |
父親 | アリストブロス |
母親 | ベロニカ |
ヘロデヤ、またはヘロディアス(ギリシア語: Ηρωδιάς, ラテン文字表記:Herodias)は、新約聖書に登場する人物である。ヘロデ・アンティパス(国主ヘロデ)の妻。ヘロデ大王の王子アリストブロスと大王の妹サロメの娘ベロニカの娘で、アグリッパ1世の姉妹である。
概要
[編集]最初、ヘロデ大王とその3番目の妻・大祭司シモンの娘マリアムネとの間に生まれたヘロデ(福音書ではピリポ[注釈 1])と結婚して、娘サロメを儲けた。しかし、夫の異母兄弟のヘロデ・アンティパスと恋仲になり、ヘロデ(ピリポ)と離婚してヘロデ・アンティパスと結婚した。
バプテスマのヨハネは、この結婚が不当であると非難したために投獄された。ヘロデヤはヨハネを恨んで、夫ヘロデ・アンティパスをそそのかして処刑させた。
また福音書以外の資料では『ユダヤ古代誌』では第18巻5章で、ヘロデ・アンティパスが対立していたナバテアの王アレタスと友好関係を築くために彼の娘を妻にしていたにもかかわらず、ヘロデヤを気に入ってしまったことでアレタスの娘が怒って実家に帰り、これが元でアレタスとヘロデの間に戦が起きてヘロデ側が惨敗し(ローマ帝国の介入で戦火の拡大は抑えられる)、しかも負け始めたところが「洗礼者ヨハネの処刑[注釈 2]を行ったところの近くだった」といういわく話が語られている。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「ピリポ」を当時使われていたギリシャ読みでいうとピリッポス(フィリッポス)になり、この名前は通常はヘロデ大王の領土北東部を相続した四分封領主の息子をさすが、フラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ古代誌』第18巻の記述ではこの人物はサロメの夫でサロメの父は前述の「大祭司シモンの娘マリアムネの息子」とされている他、四分封領主のフィリッポスに子供がいなかったので死後領地がシリア総督の管理下に置かれ、後日甥のアグリッパス(アグリッパ1世)に継承された下りがある。
このため四分封領主のフィリッポスとサロメの父のフィリッポスは別人で、たまたま同名の異母兄弟だったか、あるいは福音書の記述者の勘違いで母と娘のそれぞれの夫の名を混同したというのが定説。 - ^ ヨセフス自身はヨハネの死を「ヘロデが兄弟の妻を寝とったことを非難したから」ではなく「ヨハネの人望がありすぎて彼による民衆扇動を危惧した」としている。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 『新聖書辞典』いのちのことば社、1985年
- 『ユダヤ古代誌(<6>、第18-20巻収録)』ちくま学芸文庫筑摩書房、2000年、ISBN 978-4480085368
関連項目
[編集]- ヘロディアス (小惑星)
- サロメ (ヘロディアの娘)
- 三つの物語 - フローベルの短編作品。三番目がヘロデヤを題材とする