ベアゼロ
ベアゼロは、春闘などの賃上げ交渉の際に、ベースアップ(ベア)がゼロとなること、つまり、全従業員に対して一律の賃上げが0円であることを意味する[1][2][3]。
過去の事例
[編集]2002年のトヨタのベアゼロは、利益が1兆円を超えたにもかかわらず行われており、高瀬久直によれば同社の生産性基準原理への転換の象徴になったと評されている[3][4]。
2009年にはNTTグループや、トヨタ自動車・ホンダ自動車・日産自動車などの自動車関連企業、パナソニック・日立製作所・NECなどの電機関連企業などがベアゼロを発表している[5][6]。
2020年の春闘で、トヨタがメンバーシップ制から、個人につけられた評価によって給料に差が付く「ジョブ制」へと移行したことに伴うベアゼロを発表したことは「ベアゼロショック」と評された[7][8][9][10][11][12][13]。
2021年の春闘では、コロナウイルスの感染拡大による業績悪化に伴い、日本航空・JR東海・SUBARUなどの企業がベアゼロを発表したほか[14][15][16]、ホンダ・マツダ・三菱重工業などの労働組合がベアの要求を断念したことなどから「ベアゼロ春闘」などと評された[17][18][19]。
脚注
[編集]- ^ jgrip (2020年5月7日). “春闘とは?2020年ベアゼロ・昇給成功した企業の要因は?仕組みや要求内容の紹介”. あしたの人事オンライン. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “営業利益1兆円のNTTもベアはお預け、ボーナス前年並み-春闘妥結”. Bloomberg.com. 2021年4月16日閲覧。
- ^ a b “春闘と経営者団体― 日経連・日本経団連と IMF-JC を中心に”. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “たかが100円されど100円(上)(春闘小史・序章)”. www.primec.co.jp. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “2009年自動車春闘集中回答、ベアゼロ続出―一時金5ヵ月割れも|自動車メーカー|紙面記事”. 日刊自動車新聞 電子版. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “asahi.com(朝日新聞社):電機も自動車も…一斉にベアゼロ回答 一時金も大幅削減 - 働けど貧困”. www.asahi.com. 2021年4月16日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2020年3月11日). “自動車春闘、脱「ベア偏重」のなかトヨタベアゼロショック 「波及せず」も影響は”. 産経ニュース. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “春闘2020…トヨタはベアゼロの総額8600円に、一時金は10年連続で満額”. レスポンス(Response.jp). 2021年4月16日閲覧。
- ^ 日経クロステック(xTECH). “一律定昇廃止でトヨタは若手技術者に夢を見せられるか”. 日経クロステック(xTECH). 2021年4月16日閲覧。
- ^ 日経ビジネス電子版. “トヨタ春闘、7年ぶり「ベアゼロ」でも崩れる横並び昇給”. 日経ビジネス電子版. 2021年4月16日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “トヨタ ベアゼロの衝撃~逆風下の春闘~ |サクサク経済Q&A| NHK NEWS WEB”. www3.nhk.or.jp. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “トヨタ「ベアゼロ」が示す賃金制度改革の布石 | コロナショック、企業の針路”. 東洋経済オンライン (2020年3月15日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ 透庸, 木皮. “トヨタ「ベアゼロ」の衝撃、本格化する賃金制度改革 | ベアに終止符を打つ動き”. 週刊東洋経済プラス. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “日航、ベアゼロ回答 一時金は検討継続―春闘:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “JR東海、8年ぶりベアゼロ 定昇は実施―21年春闘:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “スバルは8年ぶりベアゼロ、経営悪化で要求しない労組も…トヨタは600円上回る : 経済 : ニュース”. 読売新聞オンライン (2021年3月17日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ “春闘、ベアゼロ妥結が相次ぐ 賃上げ率2%割り込む見方:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年4月16日閲覧。
- ^ “ベアゼロ春闘 反転の道は?”. 日本経済新聞 (2021年3月15日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ “全トヨタ労連、ベアゼロも容認 春闘の要求方針案:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年4月16日閲覧。