マシュー・ボーン
マシュー・ボーン (Sir Matthew Bourne, OBE, 1960年1月13日 - ) は、 イギリスのコンテンポラリー・ダンス演出・振付家。
ミュージカルとダンスの境界に位置する作品を1980年代後半より生み出している。バレエの古典作品に新解釈を加えた作品もあり、“報われない愛” をテーマに扱うことが多い。
経歴
[編集]1960年、ロンドンの労働者階級の生まれ。子供のころはスターのサイン集めに夢中で、劇場などでスターの出待ちをしていた[1]。芸能関係に少しでも近づきたいという思いから、1978年の高校卒業後、BBCの書類整理係や劇場のチケットもぎりなどさまざまな仕事に就き、ロイヤル・ナショナル・シアターの売店で働いているときに、出演者を身近に見るうちに、自らもダンサーを志す[1]。20歳まではダンスやバレエに関心がなく、ダンスを習い始めたのは22歳と遅かった[2]。1982年からロンドン近郊のラバン・ダンス学校に学び、1986年の卒業後に友人らと共にコンテンポラリー舞踊団 「アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ」 を設立した。1992年にクラシック・バレエの「くるみ割り人形」をモダンに解釈した作品を発表して話題になり、その後、男性ダンサーを中心にした新解釈の「白鳥の湖」(白鳥の湖 (マシュー・ボーン))で広く注目される[1]。
受賞歴
[編集]- 1996年 ローレンス・オリヴィエ賞(「白鳥の湖」)
- 1999年 トニー賞最優秀演出賞、最優秀振付賞 (「白鳥の湖」)
- 2002年 ローレンス・オリヴィエ賞(「マイ・フェア・レディ)
- 2003年 ローレンス・オリヴィエ賞(「プレイ・ウィズアウト・ワーズ」)
- 2005年 ローレンス・オリヴィエ賞(「メアリー・ポピンズ」Stephen Mearと共に)
- 2017年 ローレンス・オリヴィエ賞(「赤い靴」)
主な作品
[編集]- 1992年 くるみ割り人形/Nutcracker! (AMP)
- 1994年 愛と幻想のシルフィード/Highland Fling (AMP)
- 1995年 マシュー・ボーンの「白鳥の湖」/Swan Lake (AMP)
- 1997年 シンデレラ/Cinderella (AMP)
- 2000年 ザ・カーマン/The Car Man (AMP)
- 2002年 プレイ・ウィズアウト・ワーズ/Play Without Words (New Adventures)
- 2004年 メアリー・ポピンズ/Mary Poppins
- 2005年 シザーハンズ/Edward Scissorhands (New Adventures)
- 2008年 ドリアン・グレイ - 『ドリアン・グレイの肖像』の翻案
- 2011年 蠅の王/Lord of the Flies (New Adventures)
- 2012年 眠れる森の美女/Sleeping Beauty (New Adventures)
- 2016年 赤い靴/Red Shoes (New Adventures)
- 2019年 ロミオとジュリエット/Romeo and Juliet (New Adventures)
- 2021年 ミッドナイト・ベル/The Midnight Bell (New Adventures)
ダンスカンパニー
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c A Choreographer Who Sees Ballet as a Silent Film; After Male Swans, 'Cinderella' in WartimeNew York Times, January 1, 1998
- ^ The Hitchcock of Dance - The British theater guide