ユムシ
ユムシ | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
韓国の市場で売られるユムシ | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Urechis unicinctus von Drasche, 1881 |
ユムシ(学名:Urechis unicinctus)は、環形動物門ユムシ動物ユムシ綱ユムシ目ユムシ科の海産無脊椎動物。漢字では螠虫(螠は虫偏に益の旧字体)と書く。別名にコウジ。北海道ではルッツ(「ルッツ」という呼称は一説に「ミミズに似る」という意味のアイヌ語「ルッチ」が由来とされる[1]。)、和歌山県ではイイ、九州地方ではイイマラ、英語ではペニスフィッシュ(Penis Fish)などとも呼ばれている。
生態
[編集]体長は10から30cm[2]、日本各地、ロシア、朝鮮半島、山東半島の干潟や[2]、砂浅海の砂泥中に深さ50cmにも達するU字型の巣穴を掘って棲む[3]。北日本産は大きくなる[3]。干潮時には巣穴に隠れる。体部は細長い円筒形で、前端に吻をもち、その吻の付け根に口がある。付属肢も疣足もないが、わずかに剛毛がある。脳(頭部神経節)はない[2]。ヒトデやナマコと同様にデトリタスを餌としている。
利用
[編集]食用
[編集]韓国では、砂地の海底で鈎状の漁具を曳いて採り、「ケブル(개불)」と称して沿岸地域で刺身のように生食したり、串焼き、ホイル焼きなどにされ、地方などで食べられている。
中国の大連市や青島市などでは「ハイチャン(海腸、拼音: )」と称して、ニラなどと共に炒め物にしたり、茹でて和え物にして食べる。
日本でも北海道石狩市などで、刺身、酢味噌和え、煮物、干物など食用にされる[4]。
グリシンやアラニンなどのアミノ酸を多く含むため、甘味があり、コリコリした食感で、ミル貝に似た味がする。
釣り餌
[編集]クロダイやマダイ釣りの釣り餌としても使われる。クロダイの特効薬として知られる。
脚注
[編集]- ^ “珍味「ルッツ」、その魅惑の味 「こりこり、ほのかな甘み」 北海道石狩市が名産地:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2022年12月28日閲覧。
- ^ a b c ユムシ目ユムシ - 北海道大学 水波研究室 、2023年4月閲覧
- ^ a b その他の無脊椎動物 ユムシ(PDF) - ひょうごの環境(兵庫県環境部水大気課審査情報班)、2023年4月閲覧
- ^ 『めったに食べられない幻の逸品“ルッツ”』北海道石狩市