ラフリー V15

ラフリー V15
Laffly V15
種類 砲兵トラクター
偵察戦闘車
原開発国 フランスの旗 フランス
運用史
配備先 フランスの旗 フランス
ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
関連戦争・紛争 第二次世界大戦
開発史
開発者 ラフリー
製造業者 ラフリー
ラ・リコルヌ英語版
製造期間 1938年 - 1940年
派生型 V15T, V15R
諸元
重量 3.1 t (V15T)
全長 4,21 m (V15T)
全幅 1.80 m (V15T)
全高 1.365 m (V15T)
要員数 1名
乗客数 4名

エンジン オチキス 4気筒ガソリンエンジン
懸架・駆動 4×4輪駆動
速度 60km/h (V15T)
テンプレートを表示

ラフリー V15 (Laffly V15) は、1930年代にフランスのラフリー社で開発された4×4輪駆動の装輪式軍用車両である。

概要

[編集]

初期には消防車や道路清掃車などの商用車メーカーであったラフリー社は、1920年代から30年代頃にはオフロード車の開発・設計を専門的に行っていた。

同じ頃、フランス陸軍の砲兵部隊は機械化を進めていたが、装軌式のルノー UEロレーヌ 37Lハーフトラック式のユニック P107といった車種はオフロード走行性に優れる反面、速度が遅い事や、構造が複雑な為、整備やコスト面でも不利であり、装輪式の火砲牽引車の導入も進めていた[1]

ラフリー社は1930年代前半にフランス陸軍向けの6×6輪駆動車両 ラフリー S15 を開発し、砲兵部隊や偵察部隊への導入が行われていた。V15はS15よりも軽量の火砲を牽引する目的で、S15をベースに開発された。

フランス陸軍は1938年に4×4輪駆動の軽砲兵トラクターとしてラフリー V15Tを100両発注した。この後、第二次世界大戦勃発に伴い追加発注が行われたが、ラフリー社の生産ラインでは最初の100台を担当するのが限界であり、これ以降の生産はラ・リコルヌ英語版社で行われる事となった。総生産数については資料により開きがあり、1300両以上とするものと、200両程度とするものが見られる。

ラフリー V15Tは700kgの牽引能力を持ち[2]、主にオチキス 25mm対戦車砲の牽引用途として配備された。25mm対戦車砲 2門に対し4両のラフリー V15Tが配備され、砲の牽引および弾薬、砲兵の輸送に使用された[3]

また、V15の偵察用モデルとしてラフリー V15Rが開発され、こちらもフランス軍に配備された[4][5]

V15の構造上の特徴として、オフロード走行の補助の為、フロントバンパー下側に1組、前輪と後輪の間に1組の、計4個の小型タイヤが装備されている。前輪と後輪の間に補助タイヤを装備する構造は、ドイツ軍の統制型乗用車や、戦後のソ連製BRDMでも採用されているが、フロントにも小型タイヤを装着する構造はラフリー社の特徴と言える。

V15は6×6輪駆動のW15などと共にフランス陸軍で運用され、フランスがドイツに占領された後は、ドイツ国防軍によって鹵獲され引き続き使用された。

脚注

[編集]

参考文献

[編集]
  • Vauvillier, F. & Touraine, J.-M. L'automobile sous l'uniforme 1939-40, Massin, 1992, ISBN 2-7072-0197-9.
  • Tavard, Christian H. Le tous terrains Laffly 1934-1945, "L'automobiliste" n. 54, 1980, pp. 35–52

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]