リアリズム演劇
リアリズム演劇(リアリズムえんげき)は、19世紀以降の近代劇で、写実主義を志向した演劇のこと。
概要
[編集]1887年フランス・パリでアンドレ・アントワーヌが始めた自由劇場がリアリズム演劇運動の先駆である。アントワーヌは、エミール・ゾラ、イプセンらの作品を上演し、わざとらしい演技を排し、作り物でない演劇、個人と社会の矛盾などを描き、真の人生に迫る演劇を目指した。こうした自由劇場の運動は各国に大きな反響を呼んだ。
「近代劇の父」といわれるイプセンをはじめ、ハウプトマン、チェーホフなどの作品がリアリズム演劇とされる。また、スタニスラフスキー・システムはリアリズム演劇の実践論とされる。
日本の新劇運動(小山内薫の自由劇場など)や中国の話劇運動も、イプセンら西洋近代劇の翻訳劇を上演することから始まり、当初からリアリズム演劇を志向していた。
参考文献
[編集]- 市川明「リアリズム演劇とはなにか : ビューヒナーとブレヒトを手がかりに」『演劇学論集 日本演劇学会紀要』第38巻、2000年10月、111-130頁、CRID 1390282763078063360、doi:10.18935/jjstr.38.0_111。
- 菅井幸雄『リアリズム演劇論』(第2版)未来社、1968年。全国書誌番号:68007118。
- 毛利三彌『イプセンのリアリズム 中期問題劇の研究』白鳳社、1984年6月。ISBN 4-8262-0062-5。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 瀬戸宏 責任編集「特集 リアリズムの演劇」『演劇学論集 日本演劇学会紀要』第38巻、2000年10月、2-110頁。