井上鋭夫
井上 鋭夫(いのうえ としお、1923年2月18日[1] - 1974年1月25日[1])は、日本の歴史学者。学位は、文学博士(東京大学・1971年)(学位論文「中世末期における一向一揆の研究」)。一向一揆研究の権威。
経歴
[編集]石川県生まれ。1942年9月、第四高等学校文科乙類卒業[2]。1948年東京大学文学部国史学科卒[3]。跡見学園を経て、1951年新潟大学人文学部助手、1952年講師[4]、後に同学部助教授、1968年4月に教授[5]となり、同年5月に金沢大学法文学部教授となる[1][6]。1971年に「中世末期における一向一揆の研究」で東京大学から文学博士の学位を取得[7]。
中世・近世の生活、宗教、合戦、日本海文化の総合的研究をすすめながら史料の編纂につとめ、多数の著書がある。研究誌及び一般誌への寄稿も多い。
著書
[編集]- 『本願寺』至文堂、1962年
- 再刊:講談社(講談社学術文庫)、2008年、ISBN 978-4-06-159896-6
- 『謙信と信玄(日本歴史新書)』至文堂、1964年
- 再刊:吉川弘文館、2012年、ISBN 978-4-642-06385-2
- 『奥山庄史料集(新潟県文化財調査報告書第十)』新潟県教育委員会、1965年
- 『上杉謙信(日本の武将35)』人物往来社、1966年
- 新版:講談社学術文庫、2020年、ISBN 978-4-06-520644-7
- 『上杉史料集 上・中・下』人物往来社、1966年
- 『一向一揆の研究』吉川弘文館、1968年
- 再刊:吉川弘文館(オンデマンド版)、2013年、ISBN 978-4-642-04242-0
- 『色部史料集』新潟史学会、1968年
- 『新潟県の歴史(県史シリーズ15)』山川出版社、1970年
- 『蓮如 一向一揆 日本思想大系17』(笠原一男・大桑斉・桑原浩然・藤木久志と校注)岩波書店、1972年、新版1995年
- 『秀吉と信長』講談社、1975年
- 『日本の合戦 三 群雄割拠 上』(桑田忠親監・編)新人物往来社、1978年
- 『日本の合戦 五 織田信長』(桑田忠親監・編)新人物往来社、1978年
- 『山の民・川の民―日本中世の生活と信仰』平凡社、1981年
- 新版:筑摩書房(ちくま学芸文庫)、2007年、ISBN 978-4-480-09057-7
参考文献
[編集]- 室山孝「井上鋭夫先生の思い出」『北陸史学』第23号、北陸史学会、1974年、61-63頁、NAID 40003526416。