佐藤博史
佐藤 博史(さとう ひろし、1948年 - )は、日本の弁護士。千葉工業大学理事。島根県出雲市出身[1][2]。修道高等学校・東京大学法学部卒(1971年)[1]。刑事弁護の第一人者といわれる弁護士[2]。
経歴・人物
[編集]母親は広島原爆に遭った被爆2世[1]。父親は税務署職員で『全国税』の活動を熱心にやっており、父親の影響で刑事裁判や法医学の本を読みふけた。 特に正木ひろし原作の『真昼の暗黒』という映画に感銘を受け刑事弁護人を志した[1]。修道高校を首席で卒業[2]。弘中惇一郎は修道高校の三年先輩に当たる。1971年東京大学法学部を優秀な成績で卒業後、直ちに藤木英雄の助手に就任するも、元々刑事弁護人を志望していたこともあって、わずか4か月後に辞職し、同年司法試験合格、翌1972年に司法研修所に入所し、司法修習を経て1974年に弁護士登録した[2]。『法律時報』に論文「DNA鑑定と刑事弁護」(1993年)を掲載したことにより[3]、足利事件控訴審弁護人に選任され、短期間で控訴審弁護団を結成、控訴審以降で主任弁護人を務めた[4][5]。足利事件の冤罪被害者・菅家利和を自宅に寝泊まりさせたという。
2013年に、パソコン遠隔操作事件の弁護も担当[6]。
経歴
[編集]- 1971年 - 東京大学法学部卒業、東京大学法学部助手就任
- 1974年 - 司法修習修了、弁護士登録(第二東京弁護士会)
- 1982年 - 横浜国立大学経済学部非常勤講師
- 1988年1月 - 千葉工業大学理事に就任
- 1994 - 1996年 - 司法試験考査委員
- 東京大学大学院法学政治学研究科客員教授
- 早稲田大学法科大学院教授
著書・論文
[編集]- 「弁護人の真実義務」『刑事訴訟法の争点〔新版〕』(有斐閣)
- 『判決 訴権の濫用―断罪された狂言訴訟』(日本評論社、2002年)倉田卓次、倉科直文、宮原守男との共著
- 「わが国の刑事司法の特色と弁護の機能」刑法雑誌44巻3号(日本刑法学会)
- 「再審請求における証拠構造分析と証拠の明白性判断-名張事件最高裁決定の意義-」『松尾浩也先生古稀祝賀論文集〔下巻〕』(有斐閣)
- 「再審請求における証拠の明白性判断-限定的再評価と全面的再評価-」『河上和雄先生古稀祝賀論文集』(青林書院)
- 『刑事弁護の技術と倫理ー刑事弁護の心・技・体』(有斐閣、2007年)
- 『目で見る刑事訴訟法』(第2版)(共著)(有斐閣、2009年)
外部リンク
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d 新東京法律会計事務所|求人・転職|C&Rリーガル・エージェンシー社
- ^ a b c d 「スポーツニッポン」、2014年5月23日]
- ^ 「DNA鑑定と刑事弁護 (DNA鑑定と刑事手続<特集>)」『法律時報』1993年2月号(国立国会図書館 NDL-OPAC(雑誌記事索引 詳細表示))
- ^ いま、足利事件を振り返って━━━冤罪救援の歩み(救援連絡センター)
- ^ <「足利事件」とDNA鑑定>佐藤博史弁護士に聞く(日経・朝日・読売によるニュースサイト「新聞案内人:新s あらたにす」2009年05月09日。全10頁)
- ^ 【PC遠隔操作事件】被疑者の素顔を弁護人に聞く(江川 紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース