全米映画批評家協会賞
全米映画批評家協会賞(ぜんべいえいがひひょうかきょうかいしょう、National Society of Film Critics Awards)は、全米映画批評家協会が与えている映画賞である。
概要
[編集]1966年から開催されている。毎年1月のはじめに授与される。アカデミー賞よりも風変りで野心的な作品を選ぶ傾向がある[1]。米アカデミー賞の前哨戦の1つといわれることもある[2]。
部門
[編集]- 作品賞
- 全米映画批評家協会賞 監督賞
- 全米映画批評家協会賞 主演男優賞
- 全米映画批評家協会賞 主演女優賞
- 全米映画批評家協会賞 助演男優賞
- 全米映画批評家協会賞 助演女優賞
- 全米映画批評家協会賞 脚本賞
- 全米映画批評家協会賞 撮影賞
- 全米映画批評家協会賞 外国語作品賞
- 全米映画批評家協会賞 ノンフィクション作品賞
作品賞受賞作品
[編集]開催年 | 題名 原題 | 監督 | 製作国 |
---|---|---|---|
1966年度 (第1回) | 欲望 BLOW-UP | ミケランジェロ・アントニオーニ | イギリス イタリア |
1967年度 (第2回) | 仮面/ペルソナ Persona | イングマール・ベルイマン | スウェーデン |
1968年度 (第3回) | ベルイマン監督の 恥 Skammen | イングマール・ベルイマン | スウェーデン |
1969年度 (第4回) | Z Z | コスタ・ガヴラス | フランス アルジェリア |
1970年度 (第5回) | M★A★S★H マッシュ M*A*S*H | ロバート・アルトマン | アメリカ合衆国 |
1971年度 (第6回) | クレールの膝 Le genou de Claire | エリック・ロメール | フランス |
1972年度 (第7回) | ブルジョワジーの秘かな愉しみ Le Charme discret de la bourgeoisie | ルイス・ブニュエル | フランス イタリア スペイン |
1973年度 (第8回) | 映画に愛をこめて アメリカの夜 La nuit américaine | フランソワ・トリュフォー | フランス イタリア |
1974年度 (第9回) | ある結婚の風景 Scener ur ett äktenskap | イングマール・ベルイマン | スウェーデン |
1975年度 (第10回) | ナッシュビル Nashville | ロバート・アルトマン | アメリカ合衆国 |
1976年度 (第11回) | 大統領の陰謀 All the President's Men | アラン・J・パクラ | アメリカ合衆国 |
1977年度 (第12回) | アニー・ホール Annie Hall | ウディ・アレン | アメリカ合衆国 |
1978年度 (第13回) | ハンカチのご用意を Préparez vos mouchoirs | ベルトラン・ブリエ | フランス |
1979年度 (第14回) | ヤング・ゼネレーション Breaking Away | ピーター・イエーツ | アメリカ合衆国 |
1980年度 (第15回) | メルビンとハワード Melvin and Howard | ジョナサン・デミ | アメリカ合衆国 |
1981年度 (第16回) | アトランティック・シティ Atlantic City | ルイ・マル | フランス カナダ |
1982年度 (第17回) | トッツィー Tootsie | シドニー・ポラック | アメリカ合衆国 |
1983年度 (第18回) | サン★ロレンツォの夜 La notte di San Lorenzo | タヴィアーニ兄弟 | イタリア |
1984年度 (第19回) | ストレンジャー・ザン・パラダイス Stranger Than Paradise | ジム・ジャームッシュ | アメリカ合衆国 |
1985年度 (第20回) | 乱 | 黒澤明 | 日本 |
1986年度 (第21回) | ブルーベルベット Blue Velvet | デヴィッド・リンチ | アメリカ合衆国 |
1987年度 (第22回) | ザ・デッド/「ダブリン市民」より The Dead | ジョン・ヒューストン | アメリカ合衆国 |
1988年度 (第23回) | 存在の耐えられない軽さ The Unbearable Lightness of Being | フィリップ・カウフマン | アメリカ合衆国 |
1989年度 (第24回) | ドラッグストア・カウボーイ Drugstore Cowboy | ガス・ヴァン・サント | アメリカ合衆国 |
1990年度 (第25回) | グッドフェローズ Goodfellas | マーティン・スコセッシ | アメリカ合衆国 |
1991年度 (第26回) | ライフ・イズ・スイート Life Is Sweet | マイク・リー | イギリス |
1992年度 (第27回) | 許されざる者 Unforgiven | クリント・イーストウッド | アメリカ合衆国 |
1993年度 (第28回) | シンドラーのリスト Schindler's List | スティーヴン・スピルバーグ | アメリカ合衆国 |
1994年度 (第29回) | パルプ・フィクション Pupl Fiction | クエンティン・タランティーノ | アメリカ合衆国 |
1995年度 (第30回) | ベイブ Babe | クリス・ヌーナン | オーストラリア |
1996年度 (第31回) | 奇跡の海 Breaking the Waves | ラース・フォン・トリアー | デンマーク スウェーデン フランス 他 |
1997年度 (第32回) | L.A.コンフィデンシャル L.A. Confidential | カーティス・ハンソン | アメリカ合衆国 |
1998年度 (第33回) | アウト・オブ・サイト Out Of Sight | スティーヴン・ソダーバーグ | アメリカ合衆国 |
1999年度 (第34回) | マルコヴィッチの穴 Being John Malkovich | スパイク・ジョーンズ | アメリカ合衆国 |
トプシー・ターヴィー Topsy-Turvy | マイク・リー | イギリス | |
2000年度 (第35回) | ヤンヤン 夏の想い出 一一 | エドワード・ヤン | 台湾 日本 |
2001年度 (第36回) | マルホランド・ドライブ Mulholland Dr. | デヴィッド・リンチ | アメリカ合衆国 |
2002年度 (第37回) | 戦場のピアニスト The Pianist | ロマン・ポランスキー | フランス ドイツ ポーランド イギリス |
2003年度 (第38回) | アメリカン・スプレンダー American Splendor | シャリ・スプリンガー・バーマン ロバート・プルチーニ | アメリカ合衆国 |
2004年度 (第39回) | ミリオンダラー・ベイビー Million Dollar Baby | クリント・イーストウッド | アメリカ合衆国 |
2005年度 (第40回) | カポーティ Capote | ベネット・ミラー | アメリカ合衆国 |
2006年度 (第41回) | パンズ・ラビリンス El laberinto del fauno | ギレルモ・デル・トロ | メキシコ スペイン アメリカ合衆国 |
2007年度 (第42回) | ゼア・ウィル・ビー・ブラッド There Will Be Blood | ポール・トーマス・アンダーソン | アメリカ合衆国 |
2008年度 (第43回) | 戦場でワルツを Vals Im Bashir | アリ・フォルマン | イスラエル ドイツ フランス 他 |
2009年度 (第44回) | ハート・ロッカー The Hurt Locker | キャスリン・ビグロー | アメリカ合衆国 |
2010年度 (第45回) | ソーシャル・ネットワーク The Social Network | デヴィッド・フィンチャー | アメリカ合衆国 |
2011年度 (第46回) | メランコリア Melancholia | ラース・フォン・トリアー | デンマーク |
2012年度 (第47回) | 愛、アムール Amour | ミヒャエル・ハネケ | ドイツ フランス オーストリア |
2013年度 (第48回) | インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 Inside Llewyn Davis | コーエン兄弟 | アメリカ合衆国 |
2014年度 (第49回) | さらば、愛の言葉よ Adieu au Langage | ジャン=リュック・ゴダール | フランス |
2015年度 (第50回) | スポットライト 世紀のスクープ Spotlight | トム・マッカーシー | アメリカ合衆国 |
2016年度 (第51回) | ムーンライト[3] Moonlight | バリー・ジェンキンス | アメリカ合衆国 |
2017年度 (第52回) | レディ・バード Lady Bird | グレタ・ガーウィグ | アメリカ合衆国 |
2018年度 (第53回) | ザ・ライダー The Rider | クロエ・ジャオ | アメリカ合衆国 |
2019年度 (第54回) | パラサイト 半地下の家族 기생충 | ポン・ジュノ | 韓国 |
2020年度 (第55回) | ノマドランド Nomadland | クロエ・ジャオ | アメリカ合衆国 |
2021年度 (第56回) | ドライブ・マイ・カー | 濱口竜介 | 日本 |
日本人の受賞歴
[編集]1985年に黒澤明監督の『乱』が作品賞と撮影賞(斎藤孝雄、上田正治)の2冠。 2021年に濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が作品賞、監督賞(濱口竜介)、主演男優賞(西島秀俊)、脚本賞(濱口竜介、大江崇允)の4冠を果たしている。
脚注
[編集]- ^ Brooks, Xan (2010年1月4日). “US film critics laud The Hurt Locker”. The Guardian. 2014年3月23日閲覧。
- ^ “濱口監督「ドライブ・マイ・カー」全米批評家協会賞4冠 西島秀俊は主演賞”. 日刊スポーツ (2022年1月9日). 2022年1月9日閲覧。
- ^ “全米映画批評家協会賞は「ムーンライト」が作品賞&監督賞含む4冠”. 映画.com. (2017年1月10日) 2017年1月12日閲覧。